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利用線錐外の線量の許容

利用線錐外線量／利用線錐線量を1／1000以下とすることが必要とされています（医療法施行規則第30条の2）。

エックス線管容器や照射筒からの漏えい

装置の防護基準として定められており、エックス線管容器や照射筒からの漏えいの基準です。
患者などからの散乱線成分は含んでいません（医薬発第188号通知（医政発0315 第４号通知に置き換わっています））。

FAQ

照射野を開いた状態で、利用線錐外線量が利用線錐線量の1/1000にはなりません。
照射野外のペースメーカの線量を評価したところ、ビーム内の線量の1/1000よりも大きくなりました。

散乱線の成分が寄与していると考えられます。
エックス線管容器や照射筒からの線量がビーム内の線量の1/1000以下であれば省令で定める安全基準を満足していると考えられます。

散乱線成分を除いて評価にするにはどうすればよいですか？

照射野を絞って計測する。

電子線は，照射野を閉じて照射できないので，実測できません。

学会などの書籍では記述が見当たりません。

考えられる方策

一次ビームを吸収して計測する。
電子線では、照射筒からの制動放射の制御が相対的に重要になるでしょう。

関連するチェックポイント

きちんと絞れているか？

絞り位置精度
MLC間からの漏れ

装置からの漏洩はないか？

照射野を閉じた状態で放射線の漏洩はないか？

文献

15MeVでのIMRTでの中性子線量計測例

Radiat Prot Dosimetry. 2005;115(1-4):508-12.
Measurements of secondary neutron dose from 15 MV and 18 MV IMRT.
Howell RM, Ferenci MS, Hertel NE, Fullerton GD, Fox T, Davis LW.

照射野外臓器への線量に関するレビュー

Health Phys. 2008 Nov;95(5):666-76.
Dose to normal tissues outside the radiation therapy patient’s treated
volume: a review of different radiation therapy techniques.
Purdy JA.

特殊な検出器を使った例

Radiother Oncol. 2008 Feb;86(2):182-6. Epub 2007 Nov 26.
Investigation of the neutron contamination in IMRT deliveries with a paired magnesium and boron coated magnesium ionization chamber system.
Becker J, Brunckhorst E, Schmidt R.

In vivo計測も試みた例

Med Phys. 2006 Oct;33(10):3734-42.
In vivo and phantom measurements of the secondary photon and neutron doses for prostate patients undergoing 18 MV IMRT.
Reft CS, Runkel-Muller R, Myrianthopoulos L.

照射野サイズのとの関係を調べた例

Strahlenther Onkol. 2008 Feb;184(2):73-9.
Experimental determination of peripheral doses for different IMRT techniques delivered by a Siemens linear accelerator.
Wiezorek T, Voigt A, Metzger N, Georg D, Schwedas M, Salz H, Wendt TG.

ボナーボールと金を組み合わせて中性子のエネルギー分布を計測した例

Med Phys. 2008 May;35(5):1906-11.
Energy spectra, sources, and shielding considerations for neutrons generated by a flattening filter-free Clinac.
Kry SF, Howell RM, Titt U, Salehpour M, Mohan R, Vassiliev ON.

第193回国会閣法第57号　附帯決議

医療法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

高難度新規医療技術を評価するに当たっては、特定機能病院において制度制定及び運用状況のみならず、実施状況、安全性・有効性の評価状況について把握するとともに、特定機能病院以外における取組状況の把握に努めること。