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No.202 天井との間に隙間のある画壁

ショッピングモールにある診療所では、消防法の規定のために、エックス線診療室で天井までの画壁を設けられないことがあります。画壁は天井まで到達させることが必要ですか?

記事作成日:2012/07/04 最終更新日: 2020/02/22

放射線防護上の求められる措置

少なくとも放射線防護上は、天井付近の隙間からのストリーミング放射線の評価も不可欠だと考えられます。
きちんと放射線安全を確保しないと隣接するショップやショッピングモール管理者からも理解が得られないのではないでしょうか。

医療法施行規則での規定

画壁等は、その外側における実効線量が一週間につき一ミリシーベルト以下になるようにしやへいする必要がある。

188号通知(医政発0315 第4号通知に置き換わっています)の規定

天井及び窓等について防護が不完全な場合が予想されるので、従前通り、その適用については十分注意すること。

放射線防護の考え方

線量限度

線量限度を超えてはならない。

ALARA

線量限度を超えなくてもALARAの考え方で防護する必要がある(あまりに小さい線量であれば介入は免除される)。

線量低減方法

遮へいの方法は問わない(迷路構造などで線量を低減することは原理的には問題ないはず)。

電離則

電離則第一条

放射線障害防止の基本原則

事業者は、労働者が電離放射線を受けることをできるだけ少なくするように努めなければならない。

疑問例

漏えい線量測定では、天井付近を含め漏えい線量が検出された箇所はありません。

線量測定法は適切ですか?

仮に漏えい線量が検出されたとしても、基準値を超えていなければ、何ら問題ないのではないか。

合理的な範囲で対策を講じ、周囲の方々や従事者の納得が得られることが必要ではないでしょうか。

事例

ショッピングモール内の診療所

同一フロアー内に様々なショップが混在する。
診療所は清潔保持及び保安が必要なので、出入り口が設けられていないようなブース的な状態では認められないと考えられます、

天井側の画壁が閉鎖していない状態(消防上閉鎖できないためとして)

消防法規に関連してエックス線室に問題がある場合は、排煙設備を設けたり、
不燃材を使用したりして消防法規上の問題を解決する必要があると考えられます。
防災と放射線防護に考慮して施設とする必要があるが、どうしても両立が無理な場合はルールを改正するか、そこにはエックス線室を設けないとするしかないのかもしれません(検討中)。

画壁

天井までないパーティションは画壁と言えますか?

未解決

エックス線診療室の迷路構造

韓国の施設での検討例

韓国の施設での検討例

隙間からの放射線の漏れの可視化

扉の隙間からの放射線の漏れ