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No. 421 保健所や地方公共団体の放射線測定器の整備根拠

「災害対策基本法」においては、原子力施設で事故が発生した場合、地方公共団体及び原子力事業者は防災(業務)計画に […]

記事作成日:2020/08/21 

「災害対策基本法」においては、原子力施設で事故が発生した場合、地方公共団体及び原子力事業者は防災(業務)計画に従ってそれぞれの防災活動を行う一方、国の関係行政機関は、ぞれぞれの防災業務計画に従い、地方公共団体等が現地において行う防災活動に対して必要な指示、助言、専門家の派遣等を行うなどの措置を講ずることとなっています。
 また、ウラン加工工場における臨界事故を契機に1999年12月に制定された「原子力災害対策特別措置法」においては、現地に緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)を設置し、国と自治体等が連携して基本的な応急対策を決定し、その基本方針に従って自治体の災害対策本部が住民の避難誘導、緊急時医療措置、広報等の具体的な対策を実施する体制がとられています。

1999年9月30日に発生したJCOウラン加工工場における臨界事故(以下「JCO臨界事故」という)は、わが国の原子力防災に大きなインパクトを与えました。この事故の教訓を踏まえ、「原子力災害対策特別措置法」(以下「原災法」という)が1999年12月17日に制定され、2000年6月16日に施行されています。また、原子力安全委員会は、上述の防災指針の対象を核燃料加工施設、核燃料サイクル施設等にも拡大し、「原災法」との整合性を図って、2000年5月に内容の一部を改訂するとともに、この指針の表題を「原子力施設等の防災対策について」に変更しています。

【原子力災害対策特別措置法(原災法)の概要】
 従来、原子力防災は、基本的に地方公共団体が対応の中心となる「災害対策基本法」、および原子力安全委員会が定めた「防災指針」を基本として必要な体制が整備されていました。これに対して、立地都道府県等からは、原子力防災には専門的知見が必要であり地方公共団体だけでは限界があること、安全規制は国が一元的に実施していること、原子力事業者の責務と役割を明確にすべきであることなどから、原子力防災のための特別措置法の制定について、要望がなされていました。これらの要望のほか、JCO臨界事故対応によって顕在化した課題を踏まえて、法制度として、災害に対する一般法である「災害対策基本法」と「原子炉等規制法」の特別法として「原災法」が制定されました。

【国及び地方公共団体の責務と活動】
 「原災法」は、原子力防災行政を総合的、計画的に推進するため、地方公共団体の防災に関する責務を概略次のように規定しています。
 「原災法」では、地方公共団体は緊急事態応急対策等の実施のために必要な措置を講ずることによって「災害対策基本法」に定められた責務を遂行しなければならないとしています。また、「災害対策基本法」では都道府県と市町村それぞれが防災に関する計画を作成し、これを実施することによって、地域並びに住民の生命、身体及び財産を災害から保護することを規定しています。
 これら、国及び地方公共団体が上記の責務を遂行するために行う防災活動に関しては、防災基本計画の原子力災害対策編には、災害の予防、応急対策、災害復旧及び原子力艦の原子力災害の各段階に分けてまとめられています。

 このような背景により、各自治体で必要とする器材は、各自治体の計画に記載されています。例えば、新潟県は、2011年の原子力事故前の段階で、保健所にGMが22台、ZnSシンチレーションが3台、NaIシンチレーションが22台(すべて柏崎保健所)設置されていました。