検索結果

No.231 残存甲状腺アブレーション治療後の職場復帰期間

保育士の患者に対し残存甲状腺アブレーション治療を行う予定です。
どのぐらい時間をおいたら仕事に復帰してもいいかと問い合わせがありました。

記事作成日:2013/06/18 最終更新日: 2015/01/15

ICRP

ICRP Pub.94では、子供を扱う仕事をしている場合には、several weeksの間仕事を休む必要があるかもしれないとされています。

もっとも安全側に評価した場合

子供の実効線量が10 μSvを超えないことは、
もっとも安全側に推計すると退院時の残存量が1.1GBqであれば28週間の休暇で担保できます。

評価例

手順

目標とする超えない線量を決める

職場復帰時の労働条件を決める

子供との接触距離や時間

内部被ばくと外部被ばくの割合を仮定

通知例では吸入による曝露は外部被ばくを1mの距離での積算線量と見なした場合、全体の4.5%としています(条件に依存します)。

例1

目標とする超えない線量を決める

預託実効線量で10 μSv

職場復帰時の労働条件を決める

子供との接触距離

30cm

時間

一日8時間

推計結果

15週間の休暇で担保できる。

例2

目標とする超えない線量を決める

預託実効線量で10 μSv

職場復帰時の労働条件を決める

子供との接触距離

30cm

時間

一日8時間

線源条件を合理的に設定

甲状腺床に投与量の5%が集積、有効半減期:7.3日
その他の臓器の集積率を95%とし、その有効半減期:0.6日

推計結果

9週間の休暇で担保できる。

その他の方法

体外計測や呼気などでモニタリングするとより合理的に決められるでしょう。

その他の考慮要因

環境放射線モニタリングが充実しているところでは、線源として影響を与えることが考えられます。排水もモニタリングしている環境だと、そこでも検出されるかもしれません。

学会の対応例

日本核医学会:核医学検査・治療を受けた患者が空港等で放射線を検知される事態への対応