検索結果

No.60 本人が希望していながら、検査項目が省略された健康診断

「各検査項目について、特に実施を希望する者」では、その検査項目を省略することが適当ではないとされています(基発第568号)。
このため、電離則に基づく検診で本人が希望しているにも関わらず検査項目を省略されていないか、立入検査時に確認が必要ではないですか?

記事作成日:2011/01/15 最終更新日: 2025/11/19

基発第568号の考え方には従う必要があります。
問診で本人が検査を受けることを希望していながら、検査項目が省略されている場合は、事情を確認する必要があります。
なお、健康診断のあり方そのものが放射線審議会基本部会で見直されることが決定されています。

出典

平成22年度「医療放射線管理講習会」(主催:医療放射線防護連絡協議会)

通達

電離放射線障害防止規則第56条に規定する健康診断における被ばく歴の有無の調査の調査項目の詳細事項について
電離放射線障害防止規則第56条に規定する健康診断における被ばく歴の有無の調査の調査・評価項目及び健康診断の項目の省略等の可否について

RI法と労働安全衛生法の比較

RI法

六 検査又は検診は、次の部位及び項目について行うこと。ただし、イからハまでの部位又は項目(第一号に係る健康診断にあつては、イ及びロの部位又は項目を除く。)については、医師が必要と認める場合に限る。

電離則

医師が必要と認めないときには、行うことを要しない。

医師がどちらでも良いと考えると…

  • RI法は省略しなければならない。
  • 電離則だと省略してはならない。

労働安全衛生規則及び電離放射線障害防止規則の一部を改正する省令の施行等について
基発第253号
平成13年3月30日
第1項第1号については、放射線業務従事者の被ばく線量が大幅に減少してきていることを踏まえ、今回の改正で、第3項及び第4項において被ばく線量に応じて医師が必要でないと認めるときは、同項第2号から第5号までに規定する検査の一部又は全部を省略でき、又は行うことを要しないとされたところであるが、その省略等の可否を適切に判断できるように、放射線業務従事者の「自覚症状の有無」を新たに調査項目として加えることとしたこと。なお、「その評価」を加えたのは、本号の項目によって、同項第2号から第5号までに規定する検査の省略等の可否を判断するものであることを明確にしたものであること。
電離放射線障害防止規則第56条に規定する健康診断における被ばく歴の有無の調査の調査・評価項目及び健康診断の項目の省略等の可否について
基発第568号
平成13年6月22日

検討する場は?

労働政策審議会 (安全衛生分科会)

過去の検討例

平成13(2001)年度 厚生科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬安全総合研究事業 医療放射線の防護の最適化及び被ばく線量の低減化方策に関する研究 研究代表者(所属機関): 油野 民雄(旭川医科大学放射線医学教室教授)

8.医療法施行規則の改正に伴う医療現場における疑義抽出に関する研究○ 分担研究者 渡辺浩(横浜労災病院放射線科主任技師)

厚生労働省 労災疾病臨床研究事業費補助金 放射線業務従事者に対する健康診断の機関別実態調査 令和 4 年度 総括・分担研究報告書

解説例

滋賀労働局 労働基準部 健康安全課.改正電離放射線障害防止規則について.医療機関における電離放射線による労働災害防止等に関する説明会(令和6年5月7日、5月22日、5月27日)

東京都

病院管理の手引

病院管理の手引き

病院自主管理チェックリスト

病院自主管理チェックリスト
ここでは、「実効線量が年間5mSvを超える場合でも医師の判断で省略できる」ことは記述されていないようです。