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No. 388 患者が受けた線量の記録と管理

患者が受けた線量を記録・管理することは必要ですか?

記事作成日:2019/03/14 最終更新日: 2024/03/06

医療法施行規則の改正で義務化されました

2019年3月11日公布(2020年4月1日施行)

比較的線量が大きく、装置に線量が記録される場合などが対象となっています。

学会等によるガイドライン

日本医師会

「診療用放射線の安全利用のための指針」策定に係る日医モデルについて

特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会

歯科診療所における診療用放射線ガイドラインと歯科診療所の指針モデル公開のお知らせ

医学放射線学会

「診療用放射線に係る安全管理体制に関するガイドライン」等の発行のお知らせ

「診療用放射線に係る安全管理体制に関するガイドライン」等の補足資料
「診療用放射線に係る安全管理体制に関するガイドライン」等の改訂のお知らせ
診療用放射線の安全利用のための研修ビデオの公開のお知らせ
「関係学会の定める指針」は2015年4月制定の「エックス線CT被ばく線量管理指針」が該当しています。

日本診療放射線技師会

診療用放射線に係る安全管理の体制整備に関するお知らせ
診療用放射線の安全利用のための指針モデルとは

全国国立大学放射線技師会

医療放射線安全管理の指針策定における注意のお願い

日本核医学会、日本核医学技術学会、日本放射線技術学会

診療用放射線の安全利用のための指針策定のガイドライン(核医学)

公益財団法人日本放射線腫瘍学会

公益財団法人日本放射線腫瘍学会 医療安全委員会 医療安全委員会放射線治療位置照合撮影小委員会

医療法施行規則の一部改正に伴う放射線治療部門における対応について

FAQ

『当該診療を受ける者の医療被ばくによる線量を記録すること。』の医療被ばくによる線量とは具体的に何を意味しているでしょうか?

第7回医療放射線の適正管理に関する検討会で議論がなされています。

『診療を受ける者の被ばく線量を適正に検証できる様式を用いて行うこと。』の診療を受ける者の被ばく線量を適正に検証できる様式とは、診療を受ける者とその者がいつ診療を受けたかが確認できて、その診療による線量(線量を評価できるデータも可?)が記録されている様式ということでよろしいでしょうか?

『関係学会等の策定したガイドライン等を参考』と記述されています。

当該放射線診療を受けた者が特定できる形で被ばく線量を記録している場合での『当該放射線診療を受けた者が特定できる形で被ばく線量』とは写真や照射録に記録されているものでも可だったと思いますが、実効線量や主な臓器組織の吸収線量ではなく診断参考レベルの評価線量や一般撮影では撮影条件でも良いと言う理解でよろしかったでしょうか?

実効線量や主な臓器組織の吸収線量も記録を必要とすべきとの議論は検討会ではなされていませんでした。

放射線診療従事者に必要な研修項目は何ですか?

職種別に以下の項目を満たすことが求められています。
ア 医療被ばくの基本的な考え方に関する事項
イ 放射線診療の正当化に関する事項
ウ 医療被ばくの防護の最適化に関する事項
エ 放射線の過剰被ばくその他の放射線診療に関する事例発生時の対応等に関する事項
オ 放射線診療を受ける者への情報提供に関する事項

関係法令

医療法施行規則の一部を改正する省令(第21号)
厚生労働省告示第61号
医療法施行規則の一部を改正する省令の施行等について(医政発0312第7号)
病院又は診療所における診療用放射線の取扱いについて医政発0315第4号(平成31年 3月 15日)
「医療法施行規則の一部を改正する省令の施行等について」および 及び「病院又は診療所における診療用放射線の取扱いについて」の正誤表の送付について

【指針通知】医療に用いる放射線に係る安全利用のための指針の策定について(2019年10月3日)

診療用放射線の安全利用のための指針策定に関するガイドライン(別添)

立入検査

2020.9.18 医療法第25条に基づく立入検査結果について2020.9.3 令和2年度の医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査の実施について2020.9.3 医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱の一部改正について

関係する検討会

医療放射線の適正管理に関する検討会

経緯

No. 367 患者線量の記録と管理

放射線リスクの大きさ?

余命損失

診療用放射線の安全管理の規定の概要

医療法施行規則の一部を改正する省令案(規則第1条の11関係)

  • 診療用放射線の安全管理に関する規定を新たに設け、次に掲げる事項を放射線診療機器等を備える病院又は診療所の管理者に対して求めることとする。
  • 診療用放射線に係る安全利用のための指針の策定
  • 放射線診療に従事する者に対する研修の実施
  • 厚生労働大臣の定める放射線診療に用いる医療機器、陽電子断層撮影診療用放射性同位元素又は診療用放射性同位元素を用いた診療における医療被ばくによる線量の管理及び記録その他の診療用放射線の安全利用を目的とした改善のための方策の実施

FAQ

Q.放射線診療に従事する者に対する研修の実施とあるが、放射線検査を依頼する医師も従事する者に該当するのでしょうか?
A.該当すると考えられるのではないでしょうか。

Q.この意見募集での資料は、医療機器の一般名が薬機法の規制に基づく記述となっていますが、
「循環器用X線透視診断装置」であっても循環器以外の診療科で用いているものも対象になるのでしょうか?

医療法施行規則第1条の11 第2項第3号の2ハ(1)に規定する厚生労働大臣の定める放射線診療に用いる医療機器として、以下の医療機器を定める。
・ 移動型デジタル式循環器用X線透視診断装置
・ 移動型アナログ式循環器用X線透視診断装置
・ 据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置
・ 据置型アナログ式循環器用X線透視診断装置
・ X線CT組合せ型循環器X線診断装置
・ 全身用X線CT診断装置
・ X線CT組合せ型ポジトロンCT装置
・ X線CT組合せ型SPECT装置

A.対象になると考えられるのではないでしょうか。
【例】
インテグラルブラキセラピーユニット

Q.責任者の配置、指針の策定、研修について、「診療用放射線」となっていましたので、診療用に診断用は含まれているのでしょうか?
A.含まれていると考えられるのではないでしょうか。

医療機器の名称

報告用一般的名称

Q.医療機器の一般名称はどうすれば分かりますか?
A.
・添付文書を参照する。
PMDAのデータベースで調べる。
類型は「A0900」

Q.移動型デジタル式一般用X線透視診断装置もこのルールの対象とすべきではないでしょうか?
A.それらの医療機器も線量記録が保存されるようになっており、実質的にルール通りの運用がなされているのではないでしょうか?

Q.備え付けられている移動型の透視装置が、「移動型デジタル式循環器用X線透視診断装置」か「移動型デジタル式一般用X線透視診断装置」か医療機関では把握されているのでしょうか?
A.診療放射線技師の方によると医療機関の担当者は把握しているそうです(添付文書にも明示)。

計算評価のためのツール

日本医学物理学会

防護委員会 防護関連情報 被ばく線量評価ソフト

接遇面からの検討

放射線検査における検査説明と相談

医療機能情報提供制度での対応の議論例

「線量表示機能を有する対象医療機器の有無や台数」について、医療機能情報提供制度の報告項目に追加してはどうか。

第11回医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会

用語が分かりにくい?

公衆被ばく

画像診断報告書等の確認不足と放射線診療の正当性

画像診断報告書等の確認不足に対する医療安全対策の取組について

関連する研修

『医療放射線安全管理責任者』対象の講習会の情報例

日本診療放射線技師会

会告(11月)医療放射線安全管理責任者講習会の開催について

日本放射線科専門医会・医会

医療法改正と放射線安全管理責任者の責務について
そこで言及されているイベントのリポート例

その他

日本アイソトープ協会

2020年度 医学・薬学部会講習会の年間開催予定

日本放射線技術学会

2019年度 第2回関東核医学研究会学術講演会「まだ間に合う!核医学における医療被ばく管理の対応」

医療安全に関する本院の研修情報

【専門課程Ⅲ】地域医療安全管理専攻科

医療放射線の適正管理に関する研修

『医療放射線安全管理責任者』に関する医学放射線学会の考え方

「診療用放射線に係る安全管理体制に関するガイドライン」等に関するQ and A

1 医療放射線安全管理責任者の要件

医療放射線安全管理責任者は、診療用放射線の安全管理に関する十分な知識を有する常勤職員であって、原則として医師又は歯科医師のいずれかの資格を有していること。

2 医療放射線安全管理責任者の要件の例外

常勤の放射線科医師等の診療用放射線の安全管理に関する十分な知識を有する常勤の医師または歯科医師が不在の場合、当該病院等において診療放射線技師を医療放射線安全管理責任者としても差し支えない。ただし、診療放射線技師を医療放射線安全管理責任者とする場合、医療放射線安全管理を担当する常勤の医師又は歯科医師を定め、当該医師又は歯科医師が医療放射線安全管理責任者である診療放射線技師に対して適切な指示を行う体制を確保することが望ましい。当該医師又は歯科医師は、放射線診療の正当化を担保し、医療放射線安全管理責任者である診療放射線技師とともに放射線診療の価値を踏まえた最適化を担保する。また、当該医師又は歯科医師は放射線の過剰被ばくその他の放射線診療に関する事例発生時の対応に関して、医療放射線安全管理責任者の責務を一部代行する。

オンライン研修

IAEA

Patient Radiation Exposure Monitoring in Medical Imaging
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY, Patient Radiation Exposure Monitoring in Medical Imaging, Safety Reports Series No. 112, IAEA, Vienna (2023)
Online training in radiation protection
Training material
E-learning Modules on Radiation

過剰被ばく

日本医師会

診療用放射線の被ばくに関連して放射線診療を受ける者に何らかの不利益(有害事例)が発生した場合又は発生が疑われる場合

日本医学放射線学会

診療用放射線の被ばくに関連して患者に何らかの不利益が発生したか発生する恐れがあった場合として報告すべき事例の例としては、以下のようなものが想定される。ただし、患者に不利益が発生しなかった場合については当該診療の依頼医への報告は要しない。(1)検査依頼の誤り (2)検査実施の誤り(患者の取り違い、撮影部位の過誤、撮影内容の過誤等) (3)過剰線量の照射(適切な最適化が行われた高線量照射は該当しない) (4)予期せぬ胎児・胎芽被ばく (5)過剰もしくは無効な被ばくにつながる装置の不具合(画像生成・保存の不具合、線量調整機構の不具合等)

最適化

診療放射線技師の判断で最適化できますか?

最適化に関しても診療放射線技師の貢献が期待されますが、照射条件の最適化は画質とのバランスを考える必要があります。

線量の保存機能を有さない場合の被ばく線量を記録

国の通知では記録不要です。

日本医学放射線学会

ただし、線量の保存機能を有さなくても表示機能を有する機器を使用した診療については被ばく線量を記録すること
表示している間に手書きで転記することなどが想定されているとのことです。
『簡単に諦めないように。古い装置では、Weighted CTDIが利用可能なことがあり、そうであればピッチ情報も利用できるので、DRLと比較できる。』とのことですが、手書きで転記は現実的でしょうか?

罰則

医療法第六条の十二は、罰則の対象外となっています。

ツール

RDSR

2020-04-07 被ばく線量情報抽出ソフト『DoNuTS』を作りました

関連報道

医療被ばくの適正管理の議論に懸念【日病協・代表者会議】正確なデータに基づく議論求める

保健医療情報分野の標準規格

「保健医療情報分野の標準規格について」の一部改正について
医療放射線被ばく管理統合プロファイル

タスクシフト

現行制度の下で実施可能な範囲におけるタスク・シフト/シェアの推進について(2021年9月30日)

6 放射線検査等に関する説明、同意書の受領 放射線検査等(一般撮影検査、CT検査、MRI検査、核医学検査、超音波検査)
の実施に当たっては、放射線検査等の目的や必要性、具体的な手法、放射線被曝、造影剤の副作用、安全性について、患者に適切に説明した上で、必要に応じて同意書を受領する必要があるが、こうした説明や同意書の受領については、必ずしも医師が行う必要はなく、放射線検査等に関する専門的な知識や技能を有する診療放射線技師を積極的に活用することが考えられる。

診療報酬

画像診断管理加算3

関係学会の定める指針に基づいて、適切な被ばく線量管理を行っていること。その際、施設内の全てのCT検査の線量情報を電子的に記録し、患者単位及び検査プロトコル単位で集計・管理の上、被ばく線量の最適化を行っていること。

一般社団法人画像診断管理認証機構
Japan radiology assessment 2020  画像編
公益社団法人日本医学放射線学会.エックス線 CT 被ばく線量管理指針

医療放射線安全管理責任者

小野寺保 (宮城県 保健福祉部).「医療放射線安全管理責任者の実情と問題点」5.立入検査への対応

電子化

JSRT

放射性医薬品投与(核医学)における医療被ばくを評価するデータを電子的に記録するためのガイドライン
医療被ばくを評価するデータを電子的に記録するためのガイドラインVer1.1(医療情報部会ホームページ「ガイドライン」参照)
放射性医薬品投与(核医学)における医療被ばくを評価するデータを電子的に記録するためのガイドライン
核医学における線量管理のためのStudy Description対応表(Version 1.0 20231201)