検索結果

No.105 エックス線装置の届出内容

エックス線装置は、エックス線装置の製作者名、型式などの届出が必要とされています。
エックス線装置は,制御装置,エックス線管,支持装置(透視台,天井走行等),高電圧発生装置等にそれぞれに型式があります。
これらを全て届け出る必要があるのでしょうか?

記事作成日:2011/02/03 最終更新日: 2012/06/26

どの型式を届け出るのか統一されていない実態

ある医療監視員の回想

たとえ透視装置であれば一般的に透視台の装置名が記載される例がほとんどで,たまに制御装置の名称が記載される届出でした。
病院台帳の名称を理解するのに苦労しました。

X線の出力を規定しているパーツで考える

定格出力は制御装置とX線管で決まります。
このため、
・一般撮影装置であればX線管と制御装置
・透視台であれば、それにプラスして透視台の型式
を届け出ることが推奨されます。

医療法施行規則

エックス線装置の届出

第二十四条の二  病院又は診療所に診療の用に供するエツクス線装置(定格出力の管電圧(波高値とする。以下同じ。)が十キロボルト以上であり、かつ、その有するエネルギーが一メガ電子ボルト未満のものに限る。以下「エツクス線装置」という。)を備えたときの法第十五条第三項 の規定による届出は、十日以内に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出することによつて行うものとする。
一  病院又は診療所の名称及び所在地
二  エックス線装置の製作者名、型式及び台数
三  エックス線高電圧発生装置の定格出力
(以下略)

型式の届出には、このようなメリットがあります

装置の定格出力の把握に役立ちます

届出書に型式が明記されていると、病院台帳と行政側の情報の突き合わせが容易になります。
この結果、装置の定格出力が確実に把握できるようになります。
装置の定格出力は放射線安全評価上、重要な情報ですから、放射線安全が保たれていることを明瞭に示せることに役立ちます。

装置の名称だけでは不十分です

アンギオ装置の名称では、定格出力は確定しません。
定格出力は、オプションにも依存しますが、そもそも、カタログには定格出力の記載がないのがほとんどです。
型式を確認しないまま、放射線事前安全評価した例では、定格出力を過小に見積もったものがありました。

仕様書を活用しましょう

X線装置の届出にカタログを添付する例があるようですが、上述のように装置カタログではデータが不足しています。
このため、カタログ添付以外にエックス線管等の仕様書を添付することがお勧めです。
仕様書は、医療機器の製造販売会社が作成するもので、○○の規定に基づき医療機関が入手することができます。
仕様書の例を示します。
【図を挿入】

届出で仕様書が添付されていたので、放射線安全管理の質が満足するレベルとできた例