検索結果

No. 432 白内障に関する眼の検査

白内障に関する眼の検査は、誰が行うのが適切でしょうか?

記事作成日:2021/06/08 最終更新日: 2023/07/06

眼科医が行うのが望ましいとされています。

日本眼科学会

電離放射線障害防止規則の一部を改正する省令等の施行等について

都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知.電離放射線障害防止規則の一部を改正する省令等の施行等について(令和2年10月27日)(基発1027第4号)

⑷ 健康診断(定期に行わなければならないものに限る。)を行おうとする日の属する年の前年1年間に眼の水晶体に受けた等価線量が 20 ミリシーベルトを超えており、かつ、当該健康診断を行おうとする日の属する1年間に眼の水晶体に受ける等価線量が 20 ミリシーベルトを超えるおそれのある者に対する電離則第 56 条第1項第4号に規定する白内障に関する眼の検査は、眼科医により行われることが望ましいこと。

経緯

第4回 「眼の水晶体の被ばく限度の見直し等に関する検討会」議事録

ところが電離放射線健診での眼の検査というのは、まずほとんど無散瞳でやっています、散瞳剤を使わずにやっていますし、こういった状況で白内障の正確な判定というのは僕らがやっても非常に難しいのですが、眼科医がやっているということもむしろ少ないということも聞いております。眼科医でない先生がこういう無散瞳で水晶体を見たところで多分何の情報も得られないのではないかと危惧しておりますけれども、ただ現状は多分こういうことなのではないかと思います。ですからやはりしっかり検査をするということであれば、散瞳して眼科医がちゃんと検査をするということが重要ではないかなと感じております。以上でございます。

質疑

○山口参集者 ありがとうございます。ちょっと教えていただきたいのですが、この微小混濁というものは眼科の先生はあまり重視しないというお話でしたが、やはり散瞳して眼科の先生が評価しないと分からないというふうなものと考えてよろしいのでしょうか。
○佐々木参考人 そうですね、後嚢下白内障に特化して言いますと、微小混濁の中でも瞳孔中心の後嚢下に出るものがもちろん一番大事なのですが、それはやはり光を入れると瞳孔は通常の状態よりさらに縮瞳します。それを正確に診るというのは非常に難しくて、あとはその光を直接当てて診る斜照法と、眼底からの反射光を使って診る徹照法というのがございます。この写真で言うと、散瞳の写真を見ていただくと、右側の徹照法での写真はオレンジ色の反射が返ってきています。これは視神経乳頭からの反射を介して見るのですが、左側のものが斜照法での写真になりますけれども、微小混濁を診るためにはこの徹照法で見ないとはっきり分からないのです。しかし縮瞳してしまったものに光を入れて徹照像を見るというのは眼科医でも非常に難しいと思いますので、そうなってきますと、縮瞳状態で真ん中に仮にあったとしてもなかなかその所見を取るというのは難しいのかなというふうに思います。

電離放射線障害防止規則

(健康診断)
第五十六条 事業者は、放射線業務に常時従事する労働者で管理区域に立ち入るものに対し、雇入れ又は当該業務に配置替えの際及びその後六月以内ごとに一回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。
一 被ばく歴の有無(被ばく歴を有する者については、作業の場所、内容及び期間、放射線障害の有無、自覚症状の有無その他放射線による被ばくに関する事項)の調査及びその評価
四 白内障に関する眼の検査
五 皮膚の検査
3 第一項の健康診断のうち、定期に行わなければならないものについては、医師が必要でないと認めるときは、同項第二号から第五号までに掲げる項目の全部又は一部を省略することができる。
4 第一項の規定にかかわらず、同項の健康診断(定期に行わなければならないものに限る。以下この項において同じ。)を行おうとする日の属する年の前年一年間に受けた実効線量が五ミリシーベルトを超えず、かつ、当該健康診断を行おうとする日の属する一年間に受ける実効線量が五ミリシーベルトを超えるおそれのない者に対する当該健康診断については、同項第二号から第五号までに掲げる項目は、医師が必要と認めないときには、行うことを要しない。

線量の算定

都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知.電離放射線障害防止規則の一部を改正する省令等の施行等について(令和2年10月27日)(基発1027第4号)
⑵ 新電離則第8条第3項では、外部被ばくによる線量の測定は同項各号に掲げる部位(以下「法定の部位」という。)に放射線測定器を装着して行うこととしている。一方、防護眼鏡その他の放射線を遮蔽して眼の水晶体に受ける等価線量を低減する効果がある
個人用防護具(以下「防護眼鏡等」という。)を使用している場合には、法定の部位に装着した放射線測定器による測定だけでは、必ずしも眼の水晶体に受ける等価線量を正確に算定することができない。

追加された規定

このような場合には、法定の部位に加えて、防護眼鏡等によって受ける等価線量が低減されている状態の眼の水晶体の等価線量を正確に算定するために適切な測定が行える部位に放射線測定器を装着し、当該放射線測定器による測定の結果に基づき算定した線量を第9条第2項第5号の記録及び保存すべき眼の水晶体の等価線量としても差し支えないこと。

実効線量は5 mSv/yを超えないが眼の水晶体の等価線量が20 mSv/yを超えそう?

厚生労働省のパンフレットの表現例

放射線業務を行う事業主の皆さまへ 「改正電離放射線障害防止規則」が施行されます(増補版)

健康診断を行う年の前年1年間に、眼の水晶体に受けた等価線量が20mSvを超え、かつ当年1年間に眼の水晶体に受ける等価線量が20mSvを超えるおそれのある方については、電離放射線健康診断の白内障に関する眼の検査を省略することは(電離則第56条第3項)、適当ではありません。また、このような方の白内障に関する眼の検査は、眼科医により行われることが望ましいです。

パブリックコメント

「電離放射線障害防止規則第3条第3項並びに第8条第5項及び第9条第2項の規定に基づく厚生労働大臣が定める限度及び方法を定める件の一部を改正する件(案)に関する意見募集について」に対して寄せられた御意見について

意見の要旨(抜粋)

検討会参考資料の健康診断の項目の白内障に関する眼の検査は、眼科医により行われることが望ましいではなく、眼科医で行われるべき。

御意見等に対する考え方

厚生労働省における「眼の水晶体の被ばく限度の見直し等に関する検討会」(以下「検討会」という。)において、「必要に応じて散瞳による水晶体の観察を伴う検査等を行うため、(中略)健康診断の項目の白内障に関する眼の検査(中略)は、眼科医により行われることが望ましい。」とされています。
これを受けて、「眼の水晶体に受ける等価線量が、継続的に1年間に20mSvを超えるおそれのある者に対しては、健康診断の項目の白内障に関する眼の検査(電離則第56条第1項第4号)は、眼科医により行われることが望ましい」旨を、今後、行政通達等で示す予定です。

「電離放射線障害防止規則の一部を改正する省令案に関する意見募集について」に対して寄せられた御意見について

IAEA

GSG-7

Occupational physician

10.5. The occupational physician, including any private occupational physician employed on a part time basis, should be knowledgeable, through training and, when necessary, retraining, about the biological effects of radiation exposure, the means of control of exposure, and the interpretation of exposure data and dosimetric assessments [162]. With the support of specialists, as appropriate, the occupational physician should be in a position to use this knowledge in the programme for workers’ health surveillance and also to provide counselling to the following categories of workers with regard to radiological health risks:

MEDICAL EXAMINATION OF WORKERS

10.18. In the periodic medical examinations, the occupational physician should confirm that no clinical condition that could prejudice the health of the worker has developed during work in areas involving occupational health hazards, including hazards due to radiation. The nature of a periodic medical examination should depend on factors such as the type of work that is undertaken, and the age and health status, and possibly the habits of the worker (e.g. smoking habits). For example:
(b) A worker who has already received accumulated doses to the lens of the eye of more than 0.5 Gy, or who could, after a few more years, accumulate doses in excess of this level, may need to be subject to regular ophthalmological examination. This relates to the risk of detectable opacities and visual impairment, which might affect the ability of the worker to carry out the
intended tasks (e.g. performing image guided interventional procedures).