PET検査を行う施設で放射線防護上、待機室に患者間の放射線被曝を軽減する措置は必要ですか?
隣り合う他の患者に由来する被曝の増加は、0.031%程度に過ぎません。
線量の増加分は線量限度(1mSv/y)や一時立入者への線量測定義務基準(100 μSv)を大きく下回ります。
従ってパーテイション設置にコストがかかるのであれば、その介入が正当化されない可能性があるとも考えられます。
もっとも、アメニテイ上の意義や総合的な遮蔽コストの低減には有用かもしれないので総合的に考える必要があります。
両隣にPET診療を受けた患者が滞在する場合には他の患者等の被ばく線量が50 μSv程度になりえると考えられます。
近接して座るとさらに高くなります。
毎月、外来患者が通院しそのような事態に遭遇すると300 μSvを超える可能性があるため、できる範囲で何らかの措置は講じた方がよいかもしれません。
例えば、外来患者が毎週通院し、PET検査を行う患者と混在して滞在する場合には、線量限度を超える可能性があります。
また、滞在係数を考慮してもRI 投与後の患者待合いスペースの空間線量は管理区域設定の基準を超える可能性があります。
このため、そのような事態が想定される場合には、法令上は管理区域とした待合室の設置が必要と解釈されうると思われます。
AAPM Task Group 108: PET and PET/CT Shielding Requirements
A Monte Carlo shielding model for PET/CT clinics