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No.132 照射録への医師の署名のタイミング

「照射録として一か月分のリストを印刷して表紙に医師が署名をする。」と、いう方法をよく聞きます。
このような方法は照射録として認められているのでしょうか?
これは、放射線技師法第28条の「遅滞なく」という言葉に反するのではないのでしょうか?
この「遅滞なく」とは、どのくらいまで許容範囲なのでしょうか?

記事作成日:2011/02/17 最終更新日: 2017/08/16

「遅滞なく」とは

「直ちに」や「遅滞なく」は、いずれも「すぐに」という意味で法令上使われる用語です。
「直ちに」は,時間的即時性が最も強く「即時に」、「間をおかずに」という趣旨を表します。
このため「直ちに」という場合は、一切の遅滞は許されないのが通例です。

「遅滞なく」は,時間的即時性が最も弱い用語です。合理的な理由があればその限りでの遅滞は許されるものであると解されています。このため、事情の許すかぎり最も早く行えばよいという意味になるようです。

従って、1月間程度の遅れを容認している自治体があります。

「すみやかに」は、その中間に位置するとされているようです。

医師の署名の意義を考えると

診療放射線技師法の規定の意義からは、医師の署名を得て、その放射線検査が完結すると考えられます。
なお、この件についての判例は調べた範囲ではないようです。

すみやかに

判例
 ところで「すみやかに」というのは、「何日以内に」という数量的な観念とちがつて、価値判断を伴う用語であつて、その判断には解釈を必要とするのであるが、このことは「直ちに」「遅滞なく」についても同様であり、さらに広く法律用語の大部分についても共通の性格であつて、ひとり「すみやかに」の用語にのみ限られたものではない。一定の行為を命ずる場合に「何日以内」というような確定期限をもつてするか、或いは「直ちに」「すみやかに」というような定め方をするかは、その法令の立法趣旨、要求される行為の直接の目的、性質、方式等によつて合目的的合理的に考えらるべきであつて、作為又は不作為を命ずる場合に確定期限による定め方のみですべての場合に対処することは、複雑多岐にわたる社会生活事象に照らせば、現実に不可能、不適当であることは明らかである。

法令遵守に関する行政への申し入れ例

公益社団法人青森県診療放射線技師会

【検討4】技師法 28 条の件(船水) 医療監視で担当官の見解が一定していないので、医療薬務課に申し入れる。(撮影後の確認が電子カルテに明記されたことが技師側も確認でき、再撮影などは記録に残すなど)