問題

原子力発電所事故以降での一般の方々が受ける線量の基準

以下の文章は正しいですか?
『原子力発電所事故以降、一般の方々がこれ以上受けてはならないとされる線量の基準が高くなっている。』

参考資料等

関連記事

公衆の線量限度(年間1ミリシーベルト)を超えた場合
線量限度の考え方を教えて欲しい

原子力安全委員会

今後の避難解除、復興に向けた放射線防護に関する基本的な考え方について(平成23年7月19日)
福島第一原子力発電所における事故への対応に関する原子力安全委員会の活動について
行政文書開示請求を受けてホームページに掲載した文書について
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組の監視等

原子力規制庁

平成27年度放射線対策委託費(IAEA放射線防護基準等の整備)事業

国際放射線防護委員会(ICRP)

ICRP ソウル会議(2015/10)の報告 (第4専門委員会)

国連科学委員会(UNSCEAR)

東日本大震災後の原子力事故による放射線被ばくのレべルと影響に関するUNSCEAR2013年報告書 刊行後の進展

国連科学委員会による今後の作業計画を指し示す2015年白書

原子力災害対策本部原子力被災者生活支援チーム

避難指示区域の見直しにおける基準(年間20mSv基準)について(平成24年7月)

原子力緊急事態宣言

宣言

原子力緊急事態宣言

官房長官記者会見

原子力緊急事態宣言について

質問主意書

第180回国会(臨時会)質問第155号

原子力災害対策特別措置法に基づく原子力緊急事態宣言の発出に関する質問主意書

第185回国会(臨時会)質問第七九号

放射線被ばく環境下における居住に関する質問主意書

避難の問題を指摘し対応の重要性を述べている研究例

Postnuclear disaster evacuation and chronic health in adults in Fukushima, Japan: a long-term retrospective analysis
Post-nuclear disaster evacuation and survival amongst elderly people in Fukushima: A comparative analysis between evacuees and non-evacuees

著者による解説

Vol.035 福島原発事故後の避難による高齢者死亡リスクの発展分析

放射線防護と年齢依存

Federal Guidance Report No. 13: Cancer Risk Coefficients for Environmental Exposure to Radionuclides Radionuclide-specific lifetime radiogenic cancer risk coefficients for the U.S. population, based on age-dependent intake, dosimetry, and risk models.

基準値のレビュー

東京電力(株)福島第一原子力発電所事故に関する放射線管理の基準の根拠及び課題について
基準値のからくり

経緯が終えるようにしておくことの重要性の指摘例

2011年にHPAが公表した現行値の再現計算結果の報告「A1及びA2値並びに規制免除値を計算する方法の再評価(HPA-CRCE-027)」によれば、A1値及びA2値においては、計算過程を含めて数値を再現できない核種が383核種中52核種あり、理由として子孫核種の取り扱いの誤り等が指摘されている。なお、32核種が外部被ばく(QA /QF又はQB)、29核種が吸入摂取(QC)、 5 核種が皮膚汚染(QD)で各々相違しており、A1値又はA2値そのものが再現できない核種は32核種ある。また、輸送の規制免除値においては、数値を再現できない核種が383核種中 2核種あり、理由として計算上の誤り等が指摘されている。これらについては、国内でも同等の再現計算が実施されており、概ね同様の評価結果を得ている。
これらの結果からも分かるように、防護上の制限値は過去から長期間にわたって様々なデータ、シナリオ、考え方等に基づき作成されてきたが、次第にそれらの経緯が記載された文書に関する記憶・情報が時間と共に失われて、制定されてきた制限値の根拠を探ることが困難となりつつあることも事実である。
 今後、ICRPの2007年勧告とそれに続く出版物に基づき、IAEAの専門家会合や技術会合で、放射性核種ごとの防護上の数値の見直しが本格的に検討されることが予想される。その際は、上記のように制限値の再現性を失わないように正式に文書化することが重要である。また、国内法令への適切かつ合理的な規則取り入れのためには、事前に国内でも検討を行い、計算結果の検証及び規制上の 妥当性等も審議した上で、国際会議の議論に参加し国内で検討した値が取り入れられるよう働きかけることが望ましい。

早川信博.国際規則における放射性核種ごとの防護上の制限値の導出方法について

100mSv?

IAEA BSS

1.27

Any situation that resulted in a dose of greater than 100 mSv being incurred within a short period of time or in one year would be considered unacceptable, except under the circumstances relating to exposure of emergency workers that are addressed specifically in these Standards.

検証

放射線審議会

東電福島第一原発事故に関連して策定された放射線防護の基準のフォローアップについて(案)
東電福島第一原子力発電所事故に関連して策定された放射線防護の基準のフォローアップについて(進捗と進め方)

緊急時からの転換?

IAEA, General Safety Guide No. GSG-11: Arrangements for the Termination of a Nuclear or Radiological Emergency
New IAEA Safety Guide: Deciding When to End Emergency Situations

放射線防護基準の根拠の整理

量研機構・『量子医学・医療部門』・放射線防護情報統合センター
放射線影響・放射線防護のナレッジベース“Sirabe”
コラム ~放射線影響・放射線防護ナレッジベース:Sirabeについて~

経緯

平成30年度放射線対策委託費(放射線防護基準等の情報収集・発信)事業に係る入札可能性調査
平成30年度放射線対策委託費(放射線防護基準等の情報収集・発信)事業に係る入札可能性調査の結果について
科学的情報発信のためのナレッジベース構築の取り組み
放射線影響・放射線防護ナレッジベース事業について
平成29 年度 放射線対策委託費(放射線防護基準等の情報収集・発信)事業報告書
平成28 年度 放射線対策委託費(放射線防護基準等の情報収集・発信)事業報告書

よくある疑問

空間線量率だけでは不十分ではないか?

1m での空間線量率測定が適切なのか。土壌汚染は考慮しなくてよいのか?

空間線量率を測定する高さと実効線量との関係

線量を測定する高さと実効線量との関係は、照射場の幾何学的な条件を考慮すると計算できるでしょう。

土壌汚染と実効線量との関係

再浮遊による吸入や経口摂取による寄与を10%と見積もり計算している例です。
学校において受ける線量の計算方法について(平成23年8月26日)

現存被ばく状況での計画被ばくの管理(現存被ばくと計画被ばくの混在)

平成12年科学技術庁告示第5号(放射線を放出する同位元素の数量等を定める件)の一部を改正する告示(案)に対する意見募集について
第151回放射線審議会総会
第152回放射線審議会総会

事故後のBGの増加にどう対応するか?

それぞれに由来した汚染の扱いをどうするか?

計画被ばく分の正味増加量の推計の質を確保するためにベースライン分の質の確保をどうするか?

悩ましいのは両方で汚染したフィルタなどの扱いではないでしょうか。
設定したベースラインが過大だったとして、それを見直すことで、過小評価していたとする全市民の追加線量を見直した例

計画被ばく状況ではクリアランス出来ないレベルの表層土壌中の放射性物質濃度が観測されている例

東京都

土壌中の放射性物質検査結果(新宿区 健康安全研究センター) Levels of radioactive materials in the soil (Shinjuku-ku, Tokyo Metropolitan Institute of Public Health)

「規制免除」、「クリアランス」

規制免除やクリアランスのクライテリアは年10マイクロシーベルトから誘導(内部被曝も含みます)。
中学校で使うクルックス管(令和3年度から改訂された学習指導要領が全面的に適用)はより低いレベルとすることが議論中

管理目標値

原子力施設の管理の目標値(年間50マイクロシーベルト)は保安規定に記載。保安規定は認可対象で事業者は遵守義務がある。保安規定違反は罰則対象のことがあり、許可取り消しや、停止命令の対象にもなり得る。

保安規定

第四十三条の三の二十四 発電用原子炉設置者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、保安規定(発電用原子炉の運転に関する保安教育、使用前事業者検査及び定期事業者検査についての規定を含む。以下この条において同じ。)を定め、発電用原子炉施設の設置の工事に着手する前に、原子力規制委員会の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 原子力規制委員会は、保安規定が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、前項の認可をしてはならない。
一 第四十三条の三の五第一項若しくは第四十三条の三の八第一項の許可を受けたところ又は同条第三項若しくは第四項前段の規定により届け出たところによるものでないこと。 二 核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物又は発電用原子炉による災害の防止上十分でないものであること。
3 原子力規制委員会は、核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物又は発電用原子炉による災害の防止のため必要があると認めるときは、発電用原子炉設置者に対し、保安規定の変更を命ずることができる。
4 発電用原子炉設置者及びその従業者は、保安規定を守らなければならない。

許可の取消し等

2 原子力規制委員会は、発電用原子炉設置者が次の各号のいずれかに該当するときは、第四十三条の三の五第一項の許可を取り消し、又は一年以内の期間を定めて発電用原子炉の運転の停止を命ずることができる。

五 第四十三条の三の二十四第一項若しくは第四項の規定に違反し、又は同条第三項の規定による命令に違反したとき

罰則

第七十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

三 第十二条第一項、第二十二条第一項、第三十七条第一項、第四十三条の三の二十四第一項、第四十三条の二十第一項、第五十条第一項、第五十一条の十八第一項又は第五十七条第一項の規定に違反した者
四 第十二条第三項、第二十二条第三項、第三十七条第三項、第四十三条の三の二十四第三項、第四十三条の二十第三項、第五十条第三項、第五十一条の十八第三項又は第五十七条第三項の規定による命令に違反した者

緊急被ばく線量と通常被ばく線量

2 事故発生時を含む線量管理期間内での通常被ばく適用作業での放射線管理
(1) 事業者は、事故発生時を含む線量管理期間内に緊急被ばく線量と通常被ばく線量を合算した線量が通常被ばく限度である5年 100 ミリシーベルトを超える緊急作業従事者等について、原子力施設の安全な運転等を担保するために必要不可欠な要員に限り、追加的に、年間5ミリシーベルトを超えない範囲で通常の放射線業務に従事させることができる。
この場合において、通常被ばく線量のみの累計が通常被ばく限度(1年 50ミリシーベルトかつ5年 100 ミリシーベルト)を超えてはならない。

計画被ばくでのリスク

NRC

Safety Goals for Nuclear Power Plant Operation, for comment

Safety Goals for Nuclear Power Plant Operation

原子力施設の安全評価

発電用軽水型原子炉施設の安全審査における一般公衆の線量評価について

1 mSvが担保できるかどうか

SPS協定違反として日本政府がWTOに提訴とした事例での上級委員会の裁定は日本勝訴としたパネルが1mSv/yの議論に限定されていたとしパネルの判断を破棄しています(韓国側の敗訴が取り消された(決定))。

解説

金 成㙾.韓国による日本産水産物等の輸入規制に対する WTO 裁定の争点と課題
濱田太郎.韓国による日本産水産物等の輸入制限に関する紛争について
川瀬 剛志.韓国・放射性核種事件にみるWTO紛争解決手続きの限界 実効的な紛争解決を阻む不完全な二審制:国際機関で生み出される国際問題-

資料

SPS agreement
KOREA – IMPORT BANS, AND TESTING AND CERTIFICATION REQUIREMENTS FOR RADIONUCLIDES AB-2018-1 Report of the Appellate Body

環境保健研究への適用

Van Horne, Y.O., Alcala, C.S., Peltier, R.E. et al. An applied environmental justice framework for exposure science. J Expo Sci Environ Epidemiol 33, 1–11 (2023)


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更新日:2024年01月10日 
登録日:2014年03月11日 

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