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No.21 リニアック使用時の管理区域境界などの測定でファントムは必要ですか?

リニアック施設の管理区域境界等の線量測定でファントムは必要ですか?
ある地方厚生局では、担当官からファントムを用いない測定は不適切との指摘がありました。

記事作成日:2011/01/05 最終更新日: 2020/02/22

単純なモデルでの計算例です。

計算の条件

部屋のサイズは8×8×8m3
壁は比重2.5g/cm3のコンクリート
ファントム20×20×20cm3の水

水ファトム有りとなしでの一次ビームと90度散乱方向の線量の比

5MeVの単色ビーム(ファントム有り/ファントムなし)

・一次ビーム:0.6
・90度散乱方向:1.7

10 MeVの単色ビーム(ファントム有り/ファントムなし)

・一次ビーム:0.7
・90度散乱方向:2.1
ファントムなしの散乱線
ファントムなし
ファントムありの散乱線
ファントムあり

考察

ファントムを用いない場合

横方向の漏えいを半分程度に過小評価するかもしれない。

ファントムを用いる場合

一次ビームの漏えいを0.6程度に過小評価するかもしれない。
ただし、日常診療でファントムと同じ大きさの患者に同じ大きさのサイズのビームを照射するのであれば過小評価にはならない。

積算測定

もっとも積算測定すれば、実態を正しく確認出来るでしょう。

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