調整用ターゲットでの運転時の測定は漏えい中性子線量を過小評価する

調整用ターゲットを用いた線量測定結果を適切に換算する必要がある。

日本放射線安全管理学会第6回学術大会発表から

演題名:自己遮蔽型PETサイクロトロンにおける中性子遮蔽能力の分布測定
発表者:佐瀬卓也ら(徳島大学と住重加速器サービス)

内容
・O-18水は高価であるので、漏えい線量を含む調整運転時には、中性子が生成されやすい特殊なターゲットを用いている(組成等は企業秘密)。
・しかし、O-18水よりも中性子生成効率は低い。また、生成される中性子のエネルギーが低いと考えられる。このため、施設検査などでの漏えい線量率測定は、通常運転時よりも1/5程度過小評価していることが考えられる。

O-18ターゲット水に18 MeVの陽子を入射させたシミュレーション計算

20%濃縮

陽子

中性子

トリチウム


O-18(p, t)O-16反応により発生するトリチウムは後方に反跳している。

100%濃縮

陽子

中性子

トリチウム

O-16水

陽子

中性子

トリチウム

シミュレーション計算での核データの重要性検証した例

豊田高稔.入射断面積データの使用したモンテカルロシミュレーションによる18O(p.n)18Fの中性子挙動計算精度の検証

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記事作成日:2010/03/04 最終更新日: 2016/05/04