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No.63 放射化物の管理

放射化物は装置から外した時からの放射線管理が必要になりますが、装置から外す前の管理は不要ですか?

記事作成日:2011/01/15 最終更新日: 2023/07/07

パンフレットが提供されています

放射線治療装置の放射化物に関する疑問にお答えします

発生時点からの管理が必要な場合

気体の放射化は生成濃度が高い場合には、発生時点からの管理が必要になることがあります。

エネルギーが高い治療の場合

エネルギーが高い治療を日や週の後半にして、従事者等の被曝低減を図っている例があります。

加速器の保守作業に従事する労働者の放射線防護

装置の部品を取り外すなどの保守作業でも作業員の放射線曝露を制御する必要があります。

廃棄物の放射線管理

廃棄を考えた場合は、外した後の管理が放射線管理の対象になります。

出典

平成22年度「医療放射線管理講習会」(主催:医療放射線防護連絡協議会)

改正法令の施行

文部科学省

Q3.平成24年4月1日施行の法令改正で何が変わったのですか?
「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律(現在は、放射性同位元素等の規制に関する法律)の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令案」等に関するパブリックコメント(意見公募手続)の結果について

関係学会による取り組み

放射線治療装置における放射化物の管理に関する学会標準(ドラフト版)

サイクロトロン施設でのポンプ類(あるメーカーからの情報)

病院の加速器(PET用サイクロトロン)室でベビコンを使用しており、
半年に一度オイル交換を行っています。
この部屋では中性子が2次的に発生するので、オイルが放射化してしまっている可能性があり、部屋から持ち出さず溜めております。

原則当社圧縮機は原燃及び原子力等の対応の場合、放射線管理区域内は原則納入不可としております。
今回どのような経緯で入っているか、わかりませんが放射管理区域内ですと、まれに当社イレギュラーで納入されたケースもありその時は工具は持ち出し致しません。

PET用サイクロトロンのオイル

交換頻度

定期点検毎(1回/半年)

一回当たりの交換量

真空排気系ロータリーポンプ:2L
合成装置用ロータリーポンプ:500 mL
エア供給用エアコンプレッサ:1L
廃ガス貯留装置コンプレッサ:500 mL
合計約4L

放射化物の盗難例

高エネルギー加速器研究機構の放射線管理区域からの銅線材の盗難について
加速器の部品として使われ、改修のため取り外して保管中だった銅線材約880キロ(30万円相当)が、放射化物使用施設から盗難された事例。放射線レベルは最大0.4マイクロシーベルト毎時。

ガイドライン

放射線治療装置における放射化物の管理に関する学会標準

冷却水

『排水を行わないので排水設備の設置は必要としない。』とあります。しかし、一次冷却水は循環型ですが、現状、定期保守点検にてメーカーは年一回水を抜き、循環する蒸留水すべての入れ替えを行っています。(放射化しているかどうかに関わらず)排水設備の設置は必要ではないのですか?

RI管理区域のように日常的に排水するわけではないとの意で用いています。
粒子線治療施設における放射化物の取扱いに関するガイドライン

解説

米内 俊祐.粒子線治療施設における放射化物の取扱いに関するガイドライン

平成24年のRI法改正後の廃止事例

放射線安全管理総合情報誌 FBNews2016.5.01 第473号

医療用サイクロトロンの廃止について

被規制側からの意見例

第2回放射性同位元素等規制法に係る審査ガイド等の整備に関する意見聴取
『加藤氏 発生装置、放射化物の発生が想定される場合に、なかなか核種の想定までは難しい場合もあるかと思いますが…』
『萩原氏 先ほど、追加質問でありました放射化物の管理に関してなんですけれども、放射化物を管理するかどうかというのは、当然、必要だと思うんですが、核種を同定して、その遮蔽計算までするというのはちょっと法令にはないと思っております。その点、いかがでしょうか。』
『加速器の放射化物において、今、元からターゲットとかを想定されているものがあれば、大体想定はつくんですが、例えばビームラインとか、ビームロスとかで出てくる放射化物に関しては、なかなかそこまで核種の数量を同定して使用開始前にそこまで評価するというのは非常に難しいことでございます。』
『加速器周りの非常に低レベルな放射化物から高レベルのもの、非常にたくさんあるわけです。それに対して事前に評価しなさいというのは非常に困難なことでございますので、ぜひ御検討を頂ければと思います。』
『放射化物に関して、やっぱり法的にもちょっとまだ未熟な部分があるかと私は思っておりますので、現段階でそのような核種規制というのはちょっとまだ早いのかなというふうに感じております。』
『放射化物に関してなんですけれども、数量に関して決めなくてはいけないところがありましたね。平成24年の課長通知ですかね、うちも保管廃棄設備を持っていますけれども、その当時はリニアックの治療室の中に入れるので大丈夫だというふうな説明だけで許可をというか、申請を受け付けていただいていますけれども、今後は、そのやり方では受け付けてもらえないという、医療用リニアックですけれども、ということになるんですかね。なるんでしたら、なぜ、そうなってきたのかという経緯がちょっと知りたいなと思っているんですけれども。現状の運用で不具合があったというようなことが、どこかであったんでしょうか。』

事例

木野村豊, 加藤正直, 齊藤泰紀. 診察用高エネルギー放射線発生装置の廃棄の経験. 医療機器学. 2018;88:395–402.
法令用語では、診療用高エネルギー放射線発生装置です。

最初に設けられた規制

放射線発生装置使用施設における放射化物の取扱いについて (平成10年10月30日)(科学技術庁原子力安全局放射線安全課長)

ルール改正の説明例

放射線治療における放射化物の管理

限界例

柴田 徳思, 加速器施設の放射線防護の諸問題, 保健物理, 1997, 32 巻, 4 号, p. 403-408

新しい核種の発見の場合,半減期の非常に短い核種であることが多く,発見して発表する場合に,使用許可がないために,発表が遅れるなどというばかげたことも起こっている。核種の性質もわからない新核種について前もって許可を取ることもなじまない。

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