ビル診療所でのX線CT装置の設置で、事前放射線安全評価をより合理的に行うにはどうすればよいですか?
NCRP Report.147の方法を用いることが考えられるでしょう。
X線CT装置ではガントリが厚く一次線束の放射線を十分に遮へいすると考えられます。
CT機能を持つ装置でも一次線束の放射線の遮へいが十分ではないものは、この方法を使うことが適切ではありません。
NCRP Report.147では、X線CT装置に対して硬い線質を考慮しています。
硬くなる前のX線に対して管電圧120kVでの鉛2mmに対する透過割合は、X線CT以外では8.03E-4としています。
NCRP Report.147のX線CTでの管電圧120kVでの鉛2mmに対する透過割合は、この値よりも大きく設定されています。
遮へい体を通過し硬くなった後のX線に対して管電圧120kVでのコンクリートの1/10 価層は64.3 mmとしています。
NCRP Report.147のX線CTでの管電圧120kVでのコンクリート64.3 mmに対する透過割合は、1/10よりも小さく設定されています。
X線CT装置ではDLPの情報が容易に得られるからです。
なお、NCRP Report.147ではビーム幅を実効稼働負荷では考慮していないのでDLPの方が適切と説明していますが、従来の方法を用いた場合、一次線束はビームサイズを考慮しておらず、散乱線は散乱線が発生する散乱面積を考慮しているので、この説明は必ずしも論理的とは言えないと考えられます。
鉛2.5mmで1.47E-4程度に減弱←これを見込まないことでどの程度安全性が確保できているか(*)?
一次ビームは、独立した成分として考慮せず、散乱線として包括的に扱う。非安全側にならないように散乱線によるガントリ遮へいは0.1とみなす。
その後のシールドの透過は安全側に見込む(スペクトルが固くなる効果を考慮)と本文にはありますが、「Table 2エックス線診療室しゃへい計算表」ではガントリで減弱した成分の透過力が高まることが考慮されていません。
(*)
散乱線分だと1/1,000なので、安全側になり得ますし、これまでの研究成果で測定との比較で安全側であることを確認済みとなっていますが、その想定を超える場合には、改めて検討が必要になると考えられます。
P8の透過率は120 kVの17 cmを補間により求めています。
2.1 g/cm3のコンクリ厚20 cmの120 kVの透過率を2.35 g/cm3の表から密度補正で等価厚が17.8 cmと計算されたので、安全側にみて少し薄い17 cmと想定して密度が2.35 g/cm3の表から補間で求めています。
H29年度の厚労科研の報告書(平成29年度厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)「新たな治療手法に対応する医療放射線防護に関する研究」(H28-医療-一般-014)(研究代表者:細野 眞)分担研究報告書「医療放射線防護の国内実態に関する研究)にDLPを用いたX線CT装置の事前放射線安全評価法を掲載しています。
X線装置に関して、他の手技も含めてJIRAから発行される放射線安全評価のガイドラインに盛り込むことが計画されています。
No.173 H22年度の厚労科研で示されたX線装置の遮へい計算の考え方
Mobile CT: Novel shielding and quantification of tertiary scatter
Matthew C DeLorenzo, Kai Yang, Dee H Wu, Weiyuan Wang and Isaac B Rutel. Comparison of computed tomography shielding design methods using RadShield
・空気カーマ
・透過率
・半価層
・散乱係数
をSimpkinの方法でより合理的に推計する。
一次線が過大すぎる評価である場合に有効。
DLPなどを変数にしたNCRP Report No. 147の方法を用いる。
この方法はわが国への適用の方策を厚生労働科学研究細野班で弘前大学の大場さんがまとめています。
昨年度の厚労科研の報告書(平成29年度厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)「新たな治療手法に対応する医療放射線防護に関する研究」(H28-医療-一般-014)(研究代表者:細野 眞)分担研究報告書「医療放射線防護の国内実態に関する研究)の報告書
X線装置に関して、他の手技も含めてJIRAから発行される放射線安全評価のガイドラインに盛り込むことが計画されています。
Comparison of the CT scatter fractions provided in NCRP Report No. 147 to scanner-specific scatter fractions and the consequences for calculated barrier thickness
David John Platten. A Monte Carlo study of the energy spectra and transmission characteristics of scattered radiation from x-ray computed tomography
A new shielding calculation method for X-ray computed tomography regarding scattered radiation
NCRP Report147だと
In this Report, the peripheral phantom axis 1 cm below the surface is used as the reference axis. The scatter fraction per centimeter(κ) for the peripheral axis of the FDA (2003d) head and body phantoms has been measured and the following values were obtained:
となっています。
鈴木 昇一, 浅田 恭生, 中井 隆代, 竹内 吉人, 木下 一男, 渡辺 信行, 古賀 佑彦.CT室の管理区域境界の遮蔽評価
加藤 二久, 新井 嘉則, 岩井 一男, 川嶋 祥史, 杉原 義人, 桐村 晋.頭頸部用小照射野CT装置を使用するエックス線診療室画壁の遮蔽計算
The shielding calculation and requirements are not specific to the particular medical radiological facility.
TR-0046 エックス線しゃへい計算マニュアル 2019年4月1日