検索結果

No.83 死亡時画像病理診断用のX線装置の手続き

医療機関が施設内に死亡時画像診断専用X線CT(Postmortem imaging with computed tomography)装置を新規設置する場合、医療法上の手続きは必要ですか?

記事作成日:2011/01/23 最終更新日: 2024/07/08

ある自治体の考え方

死亡原因特定等、死後(死体)専用に限定するCT装置と考えますと、診療の用に共するものではないので、医療法によるエックス線の届出は不要ですが、労働安全衛生法及び電離放射線障害防止規則(以下電離則とする)による手続きが必要と考えます。
また、電離則による管理区域の設定や線量当量率等の測定、従事者の健康診断等が必要であると思われます。
死後(死体)撮影の場合、生体ではないため医師の指示を要しないので、照射録の作成は不要と考えますが、装置の使用状況の確認や安全管理のため、照射記録を残されるのが望ましいと考えます。
また、診療放射線技師以外の撮影も可能であるため、初めて管理区域に立ち入る者に対しては教育訓練を行う必要があると考えます。

医療機関内に設置する場合、その室に対して、不快感を与えない名称を検討していただき、一般患者が間違えて入室することがないよう動線に配慮が必要と思われます。
医療法上の届出としては、構造設備の変更及び用途変更に伴う室名称変更等、病院開設事項中一部変更許可申請をする必要があります。

ただし、緊急時や院内の装置が故障した場合に使用する等が考えられる場合は、医療法に基づく届出が必要です。

この自治体での懸案事項

医療安全上必要であれば医療法でも規制すべきではないか

死体の撮影を主とするAiについては、病理解剖の手段の一つとして取り扱うのが適当ではないか。たとえば、特定機能病院や地域医療支援病院には、病理解剖室が法定施設として医療法上必須です。病院に必要とされる施設設備は、患者に対して直接医行為を行う場所とは限りません。このようなことから医療機関内に設けられるAi施設のエックス線装置は、医療法上の手続きで行うほうが適切とも考えられます。

運用が多様

院内の病理解剖室で実施する解剖は、必ずしも院内で亡くなった患者のみではなく外部からの依頼による場合もありますが、Aiでは医療機関以外で行うことも考えられます。
医療機関以外の研究所等専用施設に設ける場合は他法令に基づき手続きするのが適切と考えられます。

他法令の関係

Aiで造影検査をする場合があると聞きました。この場合、刑法の死体損壊罪について問題になるとの意見がありました。
しかし、Aiが病理解剖と同様な考え方であるとすれば、刑法の死体損壊罪の適用を免れることになるのではと考えます(病理解剖指針について(S63.11.18健政発639))。

厚生労働科学研究での検討結果

死亡時画像病理診断(Ai)と放射線防護に関して検討していますので論点整理にご利用下さい。

死亡時画像病理診断(Ai)と放射線防護

本院の研修での議論

医療機関外で死亡時画像病理診断用のX線装置が設置されている例

監察医務院など医療機関外で死亡時画像病理診断用のX線装置が設置されている例がありますが、これらでは医療法上の手続きがなされた例はないようです。

労働安全衛生法だけで十分か?

医療機関内に設置した場合、診療には用いないとしても、電離則では公衆の放射線防護の規定がないので、公衆も存在する医療機関での放射線防護を考えると医療法第20条に基づき、放射線安全確保を求めるべきという議論がありました。

死体検案書のみを作成する診療所の開設手続き

死体検案書のみを作成する診療所の開設手続きがなされ、その診療所で死体検案書を作成するためにポータブルX線装置を用いるとして設置届けがなされた事例があります。
現行法令上は、診療に用いないX線装置は医療法上の規制対象外とされています。

Aiのあり方の議論

今後、死亡時画像病理診断のあり方が明確にされていくと考えられるので、その方向性に沿って法令適用を考えるべきという議論がありました。
本件は、韓国政府でも検討を開始しているそうです。

日本放射線技師会の取り組み

Ai における診療放射線技師の役割
– X 線CT 撮像等のガイドライン-( 院内Ai 実施編:平成22 年3 月31 日)(pdf file, 1.3MB)

医療事故調査制度の施行に伴う支援体制について

日本医師会の取り組み

医療・医学における死亡時画像診断(Ai)活用に関する検討委員会の答申

医療・医学における死亡時画像診断(Ai)の活用について(平成22 年3 月)(pdf file, 748kB)

平成 26・27 年度医療安全対策委員会 中間答申

医療事故調査制度における医師会の役割について

小児死亡事例に対する死亡時画像診断モデル事業について

平成27年度用書式を掲載しました。

Ai情報センターによる取り組み

Aiに関するFAQ

法制度の整備

死因究明等の推進に関する法律

第六条 死因究明等の推進に関して、重点的に検討され、及び実施されるべき施策は、次に掲げるとおりとする。

六 薬物及び毒物に係る検査、死亡時画像診断(磁気共鳴画像診断装置その他の画像による診断を行うための装置を用いて、死体の内部を撮影して死亡の原因を診断することをいう。)その他死因究明のための科学的な調査の活用

医療法

厚生労働省医政局長通知.地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律の一部の施行(医療事故調査制度)について(医政発0508第1号 平成27年5月8日)

医療事故調査制度

医療事故調査制度について
解剖・死亡時画像診断全国データベースシステム

内閣府

死因究明等推進計画

死因究明等推進計画検討会

中間報告書(平成25年6月)

公益社団法人日本診療放射線技師会

平成26年度 第3回Ai認定講習会(平成26年度 死亡時画像診断(Ai)研修会)の開催について

オートプシー・イメージング学会

新しい医療事故調査制度に向けて準備すること

日本放射線技術学会

平成27年10月1日より医療法改正(第6条の11)に伴い医療事故調査制度が施行されます。

全日本病院協会

全日病として「事故発生時の適切な対応研修会」を開催
省令・通知を補完する事項の留意点を整理
地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律 の整備等に関する法律の一部の施行(医療事故調査制度)について

日本医学放射線学会

死亡時画像診断に関する意見書

実例

千葉大学法医学教育研究センター
(Kosuke Kasai), 河西 克介, (Kenichi Hirukawa), 肥留川 賢一, (Yosuke Nakabayashi), 中林 洋介, (Koji Horiuchi), 堀内 弘司, & (Masato Kawakami), 川上 正人. (2016). 来院時心肺停止症例の死亡確認後CT施行についての検討(Investigation of the advantages of and issues pertaining to postmortem CT for out–of–hospital cardiopulmest cases). Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine, 27(11), 707–715.
大阪府監察医事務所
市立宇和島病院

過去の検討の経緯

死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会報告書(平成23年7月)
厚生労働行政推進調査事業費補助金 地域医療基盤開発推進研究事業 死因究明等の推進に関する研究(H30‐医療‐指定‐015)平成 30 年度~令和 2 年度 総合研究報告書 研究代表者 今村 聡

医療機関外に死亡時画像病理診断用のX線装置を設置する場合にエックス線作業主任者が必要か?

ある労働基準監督署の考え方

Q.エックス線作業主任者を設けるべきではないか?
A.用いるのが医療用のX線装置(で医療従事者が操作する想定であったので)なので不要。

死因究明等推進計画

死因究明等推進計画の変更について