死亡時画像病理診断(Ai)と放射線防護

研究班で考え方を整理しました。

研究要旨
死亡時医学検索として死亡時画像病理診断(Ai=Autopsy imaging)の活用が見込まれることから、その円滑な実施のために医療機関で行う場合に限定して、放射線防護面での課題を整理し、今後のルール整備の方向性を示した。Ai は1)医療機関以外の専用施設で日常診療と完全に切り離して施行する、2) 医療機関内で専用装置として使用する。
3)日常診療で用いているエックス線診療室で行う3 つのパターンが考えられる。このうち、1)Ai ルームで専用装置を運用する場合には、放射線防護の基準に関して、医療法を適用させる必然性は乏しく、労働安全衛生法あるいは人事院規則を適用することで放射線安全は担保されうると考えられた。ただし、その質を担保するために、作業に従事するスタッフは医療従事者とする必要があると考えられる。2) 医療機関内で専用装置として使用する場合には、設置場所が医療機関であることから、放射線防護面に関しては、医療法を適用させる必要があると考えられる。3)日常臨床で用いている設備をAiでも活用する場合の医療法の適用は、放射線防護面で問題がなければ、研究・教育目的の使用は容認されており、Ai での利用は必ずしも禁止されておらず、その放射線防護は、医療法で示されている基準を用いることで放射線安全が担保されると考えられた。
これらのいずれの場合も、Ai を行うには、国内で標準化された考え方に基づき院内ルールを整備しておく必要があると考えられる。また、その実態を行政も把握できるようにしておくべきであり、かつ、その質を担保するために、医療機関への立入検査の対象とするのが適切であると考えられた。

研究報告書

Ai情報センターによるサービスのプレスリリース資料

日本初「Ai 専用最新鋭 16 列 CT 装置搭載車」を開発・サービス開始(344kB, pdf file)

医療機関職員を対象とした調査例

田代 和也他.死亡時画像診断(Ai)に関する当院診療放射線技師の意識調査 ―他の2施設調査との比較―

記事作成日:2010/02/07 最終更新日: 2016/11/28