I-131を用いた放射線治療病室からのトイレの配管からの線量はどの程度ですか?
推計例を示します。
I-131を用いた放射線治療病室からのトイレの排水管からの線量を推計する。
・配管を流れる際のI-131の崩壊による放射線
・配管にI-131が付着した場合の付着後のI-131の崩壊による放射線
・配管の長さ5m
・配管からの距離1m
・流速50cm/min(10分間で配管から流れ去る)
・配管への付着は千分の1
・投与量は1GBq
・年間の治療件数は20件
・配管を流れる際に受ける線量0.1mSv/y
・配管に付着したRIからの線量0.2mSv/y
・この想定では線量限度を超えない。
・ピットがあって貯留時間や付着量が増えると線量は増加する。
(流速1cm/minだと5.6mSv/y)
・配管から漏れて周辺を汚染した場合も線量は増加する。
(漏洩箇所のコンクリートで半分のI-131が捕捉されていた場合は100 mSv/y)
タンク容量が1m3で1cmの鉄の板を遮へいに用いた場合(Z軸上で50 cmの位置)です。
タンク容量が小さいと自己遮へい効果が小さくなり線量が増加します。
抄録と発表資料【日本保健物理学会第53回研究発表会】
『I-131 投与後 1 時間は管理区域内もしくはその付近で待機させ、食事を控えさせる。できれば排尿の後に線量率の測定を行う。』
ルテチウム-177標識ソマトスタチンアナログ(Lu-177-DOTA-TATE)注射液の適正使用に関する検討
『第三者の被ばく低減の観点から、本剤投与後4時間以上、かつアミノ酸輸液投与終了まで診療用放射性同位元素使用室のある放射線管理区域内に投与患者を留めて、放射線管理区域内にて排尿後、当該病室へ移動させる。』