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No. 183 RI撮影室の機器搬入用扉の目張りは必要か?

RI撮影室において将来装置入れ換えのために廊下側に扉を付け、施錠して廊下側、撮影室側に出入り禁止の表示を取り付け、鍵は別室のキーケースに保管しておりました。

記事作成日:2011/11/21 最終更新日: 2025/01/19

説明

立入検査により、出入り口は1か所となっているため、「開かない構造にするように」また、「室内の空気が排気設備の故障により漏れる可能性があるので、考慮してください。」との指導を受けた。

対応策

ドアに目張りを施し、開かない構造にした。ここまで必要か?
RI撮影室の機器搬入用扉の目張り

根拠

医療法第30条8-4

人が常時出入りする出入り口は、1カ所とすること。

医療法第30条8-7

内部の壁、床その他放射性同位元素によって汚染されるおそれのある部分の表面は、平滑であり、気体又は液体が浸透しにくく、かつ、腐食しにくい材料で仕上げること。

省令の規定

人が常時出入りする出入口は1箇所とすること

  • 施錠されている機器搬入用出入口は、これに該当しない

すきまの少ないものとすること

  • 床などの汚染を考慮した規定
  • 扉の隙間の大きさはトレードオフ

空調故障時の線量評価

親核種(Rb-81)に比べて半減期が短い子孫核種(Kr-81m)の放射能の量は親核種と等しくなる。

  • 185 MBqのRb-81があれば、Kr-81mの量も185 MBq
  • Kr-81mは半減期13秒で減衰するが、減衰した分がRb-81の壊変により生成される。
  • 30分間の検査中にRb-81は、半減期4.6時間で減衰する(=172 MBqになる)。
  • それに伴い存在するKr-81mも172 MBqになる。
  • この装置ではジェネレータから62%が取り出される。
  • 30分間の検査でジェネレータから出るKr-81mの平均存在数量は、185 MBq×積分[exp[-λt]](0分から30分)÷30分間×0.62
  • Rb-81の崩壊定数はln(2)/(T1/2)=2.5E-03 min-1
  • 平均存在数量は110MBq
  • この数量が時間0分で室内に拡散したとすると、その数量を[室内の容積×30分間の換気回数]で割ると、30分間の平均室内濃度が得られる。
  • この考え方で排気量を用いると排気中濃度が誘導できる。
  • ジェネレータから取り出されてから、排気口に到達するまでのKr-81mの減衰を考慮するとより現実的な評価になる。

Kr-81mの線量評価に関連したFAQ(吸入量が重要ではないのですか?)

•Kr-81mは一定量が供給され続けて、それを吸入します
•同じ濃度のものを吸い続けるので、吸入摂取量は、一回吸入摂取量×摂取回数になるのではないですか?

サブマージョン核種の線量評価

–Kr-81mは、サブマージョン核種であるので、空気中濃度と接触時間が線量を規定
–平均濃度と接触時間の積で線量が決定

Kr-81mの線量評価に関連したFAQ(Kr-81の寄与も考慮すべきではないですか?)

Kr-81mは壊変しKr-81になります。生成したKr-81は半減期に従い減衰します。
そのモデルで評価期間中の平均存在数量が計算できます。
評価期間が短いと壊変定数の違いが大きく効いてきて、Kr-81の寄与は無視できると考えられます。
サブマージョンとは何ですか?

残された課題

故障や災害時への備え

  • 目張りをすることのトレードオフ
  • 非常口としての意義も考慮しては

診療用RI使用室の人が常時出入りする出入り口の数に関する規制のトレードオフ

  • スタッフと患者の導線を分けること
  • 導線が重ならない(=一方向を保つ)こと
  • 空間の快適性とのトレードオフ

放射線管理と快適性の両立を考えている例

九州国際重粒子線がん治療センター(SAGA HIMAT)

治療と建築の融合

快適性への言及例

また、核医学検査時の不安や緊張を軽減するために、検査室内にはLEDを利用した最新の照明システムを導入しております。
岩田 祐佳梨, 療養環境の改善に向けた照明デザインによる核医学検査待合の改修, 日本建築学会技術報告集, 2020, 26 巻, 64 号, p. 1084-1089

ジェネレータの安全性

富田 翔, 東川 桂, 水野 雄貴, 多田 哲朗, 田沢 周作, 久下 裕司, 68Ge/68Gaジェネレータの長期間にわたる放射線管理上の安全性評価, RADIOISOTOPES, 2022, 71 巻, 1 号, p. 1-8, 公開日 2021/12/17, Online ISSN 1884-4111, Print ISSN 0033-8303

Q&Aの例

Q9:室内空気口及び排気口での濃度の算定において、気体状RIの拡散率についてはKr-81mのような短半減期のものでも100%と考えなくてはならないのか?
A8:ガストラップ装置をしよう(おそらく「使用」の誤り)とする際は10%、非使用時は100%として飛散率を考えるのが原則であるが、合理的な理由があると考えられる場合にはこれ以外の飛散率を用いることができる。
【厚生省健康政策局総務課、指導課.医療放射線施行規則に関するQ&A(1).Isotope News.5月号.16-17.1989】

解説

吸入するまでの間の物理学的な減衰を考慮するのであれば、平均存在数量の概念を用いることができるでしょう。

従事者の曝露評価例

菊地 透, 病院における放射線管理, 保健物理, 1982, 17 巻, 1 号, p. 69-78, 公開日 2010/02/25, Online ISSN 1884-7560, Print ISSN 0367-6110