Tl-201製剤を使って遮へい体の厚みを確認したところ、遮へい体での放射線の透過割合が実務計算マニュアルの計算値よりも高くなりました。
何が原因として考えられますか?
Tl-201の製剤にはTl-201以外の放射性核種が含まれています。
このうちTl-202は時間がたつと相対的な量が増加します。
このため、Tl-201のみと仮定した場合に比べて、時間が経過すると放射性核種の量が増加します。
医療行為に伴い排出される固体状放射性廃棄物における放射能減衰の実測調査
Tl-202は、Tl-201よりも高いエネルギーの光子を放出します。
このため、Tl-201のみと仮定した場合に比べて、厚い遮へい体では透過割合が大きくなります。
Sr-89はベータ線の最大エネルギーが1.495MeVの純ベータ核種です。
このため外部被曝評価では制動放射のみが考慮されています。
Sr-89製剤にはSr-85が含まれています(Sr-89に対して8.5E-4 ±1.3E-5)。
Sr-85(半減期64.84d)は0.514 MeVのガンマ線を放出します(放出割合96.0%)。
Sr-85の1cm線量当量率定数:0.0826[μSv m2 MBq-1]
Sr-89(半減期50.53d)の制動X線の1cm線量当量率定数:0.00096[μSv m2 MBq-1 h-1]
ヒト条件
・半径5cmのアクリル円柱(高さ30cm)
線源条件
・Sr-89がアクリル円柱の表面から1cmより深い部分に一様に分布すると仮定
距離1mでは、Sr-85が0.2%含まれていると考えると、Sr-89の制動放射とSr-85のガンマ線の水吸収線量が同程度になりそう。
Sr-89がより体の深くに存在すると、Sr-85の寄与が相対的に大きくなる。
上の例では、半径5cmのアクリル円柱でSr-89を含まない体外側の厚みは1cmとした。
体外側にアクリルを追加し、その厚みを5cmまで増した場合のSr-89による線量率とSr-85による線量率を比較した。
・8.5E-4とした
・1MBqとした。
・アクリルの中心から105cmの距離にある厚さ5cmで高さはアクリル円柱と同じく30cmの領域内の水吸収線量率
New knowledge about the bremsstrahlung image of strontium-89 with the scintillation camera
鉛は診断領域のX線に対しては効率よくシールドできるが、それよりも高いエネルギーではk吸収端による吸収が効いてこないので、鉛等価のシールドの厚みを相対的に大きく見積もってしまいます。