中学校1年生と小学校1年生の二人の子を持つ主婦です。
6月11日の新聞朝刊に子供の放射線被曝の記事がありました。
我が家の子たちもそれぞれ4歳の時に、転倒して脳神経外科にて頭部レントゲンと頭部CTを行っています。
記事を読んでとても不安になってしまいました。
念のために行った病院で何の疑問も持たないままに、危険な処置をしてしまった自分を責めています。
発がんの危険は非常に高いのでしょうか。
それに、二人とも半年に一回歯医者にて、歯全体のレントゲンも撮っています。
上の子は最近、耳鼻科疾患を患っていてレントゲンも三枚ほど撮っています。
次男は、二歳の時に痙攣重責をおこしまして、その際頭部CT検査をしています。
何だかますます不安になってまいりました。
今朝からこのことが頭から離れず、何も手につきません。
これからどのようにすれば良いのでしょうか。アドバイスをよろしくお願いいたします。
「念のために」病院に行かれて、何の疑問も持たないままに、「危険な処置」をしてしまったのではないかというご質問なようです。
X線検査は、危険な処置と考えてよいですか?
少なくとも通常のX線検査は、危険な処置ではない。
なぜなら、その危険性が少ないからじゃ。
医療機関も漫然とは検査しないと思うけど。
医療機関では、十分に配慮して、利益を最大にして不利益を最小にするような検査プランを考えてお勧めしておる。
このため、母親が検査を受ける前にX線検査のリスクの大きさについて特に疑問を持たなかったり、疑問を持ったとしてもあえてそれを主治医に伝えなかった場合でも、そのことによる実質的な不利益はほとんどないじゃろ。
ごくごくわずかなリスクをあまりに心配されることに意味はないということだね。
詳しくは医療機関で検査を説明を受けるときにもらった資料などをよく読まれるとよいと思う。
発がんの危険性はどの程度ですか?
受けた放射線の量として実効線量で1 mSvあたり、10万分の5程度、がん発症確率が増加するかもしれないというリスクの大きさじゃ。
もっとも、この数字の不確かさは大きくて、リスクがマイナスである可能性も否定されていない。
リスクがマイナスって日本語が間違っていると思うけど。
リスクの定義を考えるとプラスだけに限定する必要はないじゃろ。
確率ってなかなかぴんと来ないなあ。
他の確率と比較したり、平均寿命短縮などと比較してセンスを身につけるしかないと思う。
リスクリテラシー(リスク情報を読み解く能力)は現代人が備えるべき基礎素養かもしれない。
何でもリスクがあるというのは子供でも直感的に持っているような気もするけど。
リスクテイクして挑戦しないと得るものはないとしないというのも漠然と身につけているのではないかなあ。
心配が抱えきれなくなった場合にはどうすればよいのかなあ。
生活に支障があるようじゃったら、お近くの保健所の相談サービスを利用するのがよいと思う。
電話でも利用できるし、保健所・保健センターには心の健康相談の専門家だけでなく放射線の専門家の診療放射線技師も勤務していますので詳しい説明が受けられるじゃろ。
保健師のスタッフに話を聞いてもらうだけでも多少は気が楽になるかもしれない。
受けた検査には意義があって、そのリスクが十分に小さいことが理解されるとよいですね。
医療機関では放射線機器の点検もきちんと行っていて高い品質管理プログラムを実施しておるので、信頼されるとよいと思う。
また、支援側のスタッフで自分のスキルが不安な方は国立保健医療科学院の研修プログラムを利用して欲しい。
耳鼻科領域でのX線CT検査で眼の水晶体の線量の低減を試みている例
Harvard Women’s Health Watch
Radiation risk from medical imaging