放射線をあびるとどうしてがんになるのかなあ?
細胞をいためちゃうのかなあ。
放射線でどうしてがんになるかは、まだ、よくわかっておらんのじゃ。
そもそも、がんがどうしてできるかも完璧にはまだ分かっておらん。
放射線はエネルギーがとっても高いんでしょ。
放射線は分子から電子をはぎ取ってをイオン化するという特有な能力を持っているが、
イオン化そのものががんに関係するのではない。
じゃあ何で放射線はがんをおこすの?
放射線の生物影響の半分以上は、ラジカルを介したDNA損傷だと考えられておる。
ラジカルってなあに?
反応性が高い分子じゃな。
何で反応性が高いの?
電子のスピンのペアができていないからじゃ。
燃焼もラジカル反応じゃから、そのラジカルを不活化させれば燃焼が止まる。
ハロンガス消火設備は、それを利用したものじゃ。
じゃあ。消火はハロンガスで行えばよいのか。
ところがどっこい、オゾン層を守るために制限が加えられておるようじゃ。
世の中何でもトレードオフじゃ。
ラジカルは放射線でしか体内でできないの?
うんにゃ。酵素反応ではラジカルがつきものじゃ。
ものすごい量のラジカルが体内で生成されておる。
酸化ストレスはラジカルに起因した生体反応なのじゃ。
なんだか怖いなあ。
それと付き合いつつ生きているのが人間ということではないかな。
細胞内でのDNAの損傷の頻度は1日あたり50,000~500,000回とされておるようじゃ。
放射線が当たると、その頻度がもっと増えると言うこと?
そうじゃな。1Gyの放射線でのDNA損傷の頻度は、細胞1個あたりで
DNA2重鎖切断 20-40
DNA単鎖切断 1,000
DNA塩基損傷 1,000
DNA-タンパク架橋 150
とされておる。
中川恵一先生が言われるようにがんは老化の一つとかんがえられるのじゃないじゃろか。
詳しくは、中川恵一先生の「がんのひみつ」を読まれるとよいじゃろ。