電磁波と放射線はどう違うの?

波長の違いが性質の違いをもたらす。

電磁波と放射線はどう違うの?

電離放射線のうちX線やγ線は、波長の短い電磁波じゃ。
だから違うのは波長じゃ。
個々の放射線粒子のエネルギー(E[J])と振動数(ν[s-1)は、プランク定数[h(6.62618×10-34J⋅s)]で関係づけられる。
E=hν
頑張って計算してみてごらん。

診断で使うX線が100keVとすると、
100×103[eV]×1.602×10-19[J/eV]=6.62618×10-34[J⋅s]×ν
だから
振動数は
2.42×1019[s-1]
となるのか。
携帯電波よりも10桁も高いね。
これだけ違うと量質転化をおこしそうだ。

これを波長(λ)に変換するには光の速度(c(3×108m/s))を振動数でわればよいから、
λ=c/ν=3×108[m/s]/2.42×1019[s-1][s-1]=1.2×10-11[m]
となる。

だいたい10ピコメートルか。
原子の大きさの1/100程度だね。

これだけ小さいから原子の中を透過できるのじゃ。
同じ光子でも振動数の違いは質的な違いをもたらす。
これがいわゆる電磁波と放射線の違いじゃ。

記事作成日:2010/03/06 最終更新日: 2011/02/19