逐次近似法を応用した画像再構成法を用いたCTコロノグラフィ検査の線量低減:
試行研究
Reducing the radiation dose for CT colonography using adaptive statistical iterative reconstruction: A pilot study.
Flicek KT, Hara AK, Silva AC, Wu Q, Peter MB, Johnson CD.
Department of Radiology, Mayo Clinic, Scottsdale, AZ 85259, USA.
目的
逐次近似法を用いた画像再構成法 (ASIR)を用いたCTコロノグラフィ検査 (CTC) で線量を低減させても画質が維持されるかどうかを検証する。
材料と方法
有効性が検証されている大腸ファントムが標準線量設定(50 mAs) と6種類の異なるASIRレベル (0-100%)で線量を低減した (10-40 mAs)設定により撮像された。
2Dと3Dのそれぞれの画質とノイズを評価し、最適な線量と ASIR設定を決定した。
18人の患者が背臥位で標準のCTC線量 (50 mAs) で走査され、腹臥位でASIRを40%とし25 mAsに線量を低減して走査された。
3人の放射線科医が、撮像条件が明かされないまま、3箇所の異なった部位で2Dと3Dのそれぞれの画質とノイズを評価した。
1以上のスコアの違いは臨床的に意義があると考えた。
標準線量設定と線量低減撮像条件でノイズが比較された。
結果
ファントムを用いた実験で ASIRのパーセントを増加させると画像ノイズが低減した。
患者では標準線量設定とASIRを40%とした線量低減撮像条件間で得られた画質の違いは検出されなかった。
body mass indexが増加すると両方の照射条件で全般的な画質が低下した。
測定された画質ノイズはASIRを40%とした線量低減撮像条件でも小さかった。
結論
この試行研究の結果は、ASIRを用いると、現在受け入れられている線量低減撮像法で画質に影響を与えることなく、CTCの線量を半分に低減できることを示している。
さらなる大規模な患者集団を用いた評価が望まれる。
逐次近似法とは?
機械学習による患者の体動ノイズの低減例
Medical and Neuroscientific Imaging