背景
小児は放射線感受性が高いので、小児放射線では最適化が基本的な役割を担っている。
診断参考レベルは標準的な放射線手技において、患者が受ける線量の最適化に役立つ。
方法
小児の標準的なX線検査での平均線量を把握するために線量とそのばらつきが全国調査された。
新生児、1, 5, 10 と 15歳の小児での胸部、頭部、腹部のX線検査の線量が調査の対象とされた。
結果
患者が受ける線量の第三四分位が得られ、ヨーロッパ、英国、ドイツの参照値と比較された。
同じ年齢の同じ検査での医療機関間の線量のばらつき(例えば、集計データから得られた医療機関毎の平均線量の最小値に対する最大値の比)は、8倍程度であった。個人の患者での最小値に対する最大値の比は、医療機関間のばらつきより6倍程度大きかった。
結論
患者の平均線量は概ね放射線診療が適切に行われていることを示していたが、医療機関間で平均線量がばらついていることは、診断参考レベルに関するauditが最適化へのガイダンスをもたらす余地があると考えられよう。
そのような取り組みは小児の放射線検査の線量を低減させる。
記事作成日:2010/04/12 最終更新日: 2010/10/03