文献情報
タイトル
Subjective health legacy of the Chornobyl accident: a comparative study of 19-year olds in Kyiv
著者
Evelyn J Bromet, David P Taormina, Lin T Guey, Joost A Bijlsma, Semyon F Gluzman, Johan M Havenaar, Harold Carlson6 and Gabrielle A Carlson
雑誌名
BMC Public Health. 2009; 9: 417. Published online 2009 November 17. doi: 10.1186/1471-2458-9-417
研究方法
デザイン
観察的疫学研究、8年間の追跡
対象
ウクライナの避難者、
比較群
同級生とポピュレーションベース
追跡
追跡期間: 8年間
追跡割合: 0.88
健康影響
自覚的健康状態
情報源
インタビュー
交絡因子の調整
客観的な健康状態を調査
解析
使用モデル
ロジスティック回帰分析
結果
・主観的健康観のリスク要因
・子供の主観的健康観を母親はどのように評価しているか
・幼少期でのアセスメントで青年期の低主観的健康観のリスクを予測できる
を分析した結果が示されている。
考察
避難者の自覚的健康度が低いことは、これまでの研究と一致。
選択バイアス
キエフ市に避難をした被災者が対象。キエフ市に避難することの特性は全く不明。
影響評価の精度
観察バイアス・内的妥当性
調査のインフォームドコンセントを得る際の説明が、回答に偏りをもたらす可能性があることが議論されている。
外的妥当性
対照群でも放射線への不安が強いとすると、影響を過小評価している可能性がある。
研究の強み
長期間にわたって主観的な健康観を調べた初の研究。客観的な健康度も測定。
研究の限界
調査のインフォームドコンセントを得る際の説明が偏りをもたらす。
避難した先が特定のグループであるかもしれない。
対照である元からキエフにいたグループでも放射線への恐怖があった(キエフ市であっても安全であるとは受け止められていなかった)。
著者結論
主観的健康観のリスク要因を示した。
子供の主観的健康観を母親は否定的に判断していることを示した。
幼少期でのアセスメントで青年期の低主観的健康観のリスクを予測できることを示した。