線源条件
・放出比1:1で1.1と1.3 MeVの運動エネルギーを持つ光子を放出する点線源
・ビームサイズは40 cm先で0.4×0.4cm(過大評価になるかもしれない)になるような初期方向を持つもののみ追跡。
・頭は水で40×40×13cmで、線源から40 cmの距離にある。
・動脈瘤は直径2cmで、深さ3cmにある。
・動脈瘤の壁の厚みは1 mmで内側0.2 mmと外側0.8 mmでそれぞれ前後にわけて線量を計算。
・コイルは白金で、厚みが1 mmで動脈瘤の内壁についている。
・動脈瘤周囲の線量は厚さ2cmで前後にわけて計算。
結果
・血管内壁の線量は7割程度増加した。
・後方の血管内壁の線量は3割程度低下した。
周辺領域への線量
・動脈瘤の中の血液の水吸収線量を20 Gyになるように照射した場合には、前方の血管内壁の組織吸収線量は35Gy程度に増加する。
・動脈瘤の中の血液の水吸収線量を20 Gyになるように照射した場合には、後方の血管内壁の組織吸収線量は14Gy程度に減少する。
考察
・治療計画策定でコイルの影響は無視できないことがありえる。
・ただし、このモデルではコイルの形状や比重、組成、動脈瘤の幾何学的条件が恣意的であり、不確かさが大きく、概要を与えるものに過ぎない。
参考
腫瘍部位に金コロイドを集積させ放射線治療効果を高めるアイデアが研究されています。
ガンマナイフはエレクタ株式会社の登録商標です。
ビルドアップ
放射線治療では、患者の皮膚を覆う毛布によるビルドアップにより皮膚障害が発生すること知られています。油などを塗ることでも皮膚の基底細胞への線量が増加することもあると考えられます。
治療への影響の評価
記事作成日:2010/10/02 最終更新日: 2021/04/22