(リスクが大きいのではないかと感じられている場合)患者さんは主治医からリスクが小さいことを伝えて欲しいと願っています。
(特殊な放射線診療でリスクが大きい場合にはより個別の対応が必要)
信頼を得るコミュニケーションのためには患者さんの価値観と尊重する態度で患者さんの関心に対応したポイントをついた説明が有用です。
客観的なデータを示せばそれでよいとは限りません。
患者さんは十分な知識を持っているとは限りません。
患者さんが理解できるように説明する必要があります。
また、情報は正確に伝えなくてはなりません。
そのためには、医療従事者が正しい科学な知識を持つとともにコミュニケーションに関する能力も備えて、相手の理解に合わせて説明することが必要です。
【リスクを受けいれられるポイント】
非自発的なリスクと自発的なリスクは同じようには受け入れられません。
自発的なリスクは、非自発的リスクよりも1,000倍程度まで受容されます。
その検査を無理やり受けさせられているのではないことが理解できるとリスク認知の偏りは修正できるでしょう。
つまり、放射線診療の必要性が理解されるとリスク認知の偏りが修正されうるでしょう。
また、便益性が大きいと相対的に大きなリスクも受容されるようになります。
検査を繰り返している場合に放射線への心配が高まることがあるので経過観察の検査でも検査結果をきちんと説明し検査が有益であったことを理解してもらうことが重要です。
さらに、医療機関での放射線診療の安全確保の取り組みをお伝えすると信頼を高めることできるのではないでしょうか。
【不安を和らげるために】
人類は放射線とは長い付き合いです。
ヒトには放射線損傷修復のメカニズムが備わっています。
リスクの大きさは限定的です。
不安を持つことは必ずしも悪いことではありません。
日本放射線技師会
公益社団法人日本診療放射線技師会放射線検査説明・相談促進委員会
本会編集「放射線検査説明の手引き」発行
取り組みの解説資料
麻生 智彦.検査の説明・相談について ─最終実施者である自覚を持つこと
各地方の診療放射線技師会
安全性よりも必要性を理解してもらうことに重点を置いたアプローチ例
「一般市民への放射線啓蒙活動の経験を踏まえて」
医学博士 田邉 裕 氏(日本原燃(株)放射線管理部部長)
実践例
田沢範康、勝浦拓也.患者被ばく線量記録を用いた医療被ばく相談の有用性