今後の展望(被験者(研究協力者)の募集を再開しています)

国内外の研究者と協力して研究を進めていきます。

口腔外の測定では、測定に適した歯牙であれば、2Gyの照射があったかどうかは、10秒以上のスキャンを30回以上繰り返す測定を5回セットで行うことで、感度99.99%以上、特異度98%で判定できることが確認され、当初の目的を達成していますが、
さらに、測定の精度や容易さを向上させるための工夫に取り組んでいます。

また、歯牙以外のラジカル測定にも取り組んでいきたいと考えています。

J-RAPID

震災関連研究を対象とした「国際緊急共同研究・調査支援プログラム(J-RAPID)」に採択して頂きました。
J-RAPID終了報告シンポジウム

労災疾病臨床研究補助金事業

平成27年度労災疾病臨床研究補助金事業に採択(緊急被ばく医療が必要とされるような事故発生時におけるトリアージのための線量評価手法の確立に関する研究)して頂きました。

被験者を募集しています

自らが受けた線量が既知の方のご協力をお願いできればと思います。
予算の範囲内で交通費は支給します。謝金は移動時間を考慮し、概ね最大で 2 千円お支払いします。2千円程度の謝品をお渡しさせて頂く予定です。
平成24年3月16日以降の測定は保険の対象となります。
(今年度の予算枠は埋まりました)
皆様のご協力をお願いします。
ご興味のある方は電子メールでご連絡ください。
本研究は、国立保健医療科学院研究倫理審査委員会の承認を得て行われます(NIPH-IBRA#1209212191)。

測定の様子(注意:口の周辺の画像が示されます)

説明用資料
概要説明資料

また、歯牙をご提供くださることも歓迎しております。
歯牙は実験後、そのままお返しすることができます(試料に影響を与えない測定だと考えています)。
ただし、X bandで計測を行う場合には歯を粉砕する必要があります。
電子スピン共鳴測定は、歯牙中のSr-90の計測には影響は与えません。

EPR装置は本院から運ぶこともできます。
米国ではイベント会場に持ち込んで、測定に協力して下さったら、一人あたり$25をチャリティ団体に研究費から寄附する試みもなされています。

歯のSr-90の計測

フォールアウトしたSr-90による歯牙への線量と放射性セシウムの体内量

歯牙の保管はホルマリン液は使わないで頂くと有り難いです。
短期間であれば湿度100%を保つ必要はありません。
歯牙の提供に対しては郵送料は負担しますが、謝金はお支払いできません。
研究へのご協力をお願いするものであり、協力される方への直接の利益はないと考えられます(特に1Gyの線量を受けておられ、その線量を把握なさっておられる方の貢献を期待しております)。
(大線量を受けたかどうかは調べられますが(医療での曝露は従事者や患者の双方で線量が大きいと可能なことがあると考えられます)、東京電力福島第一原発事故による線量を確認するという観点ではL bandによる方法は、感度が十分ではないために、住民だけではなく作業者でも線量を確認することは困難と考えられ、事実上利点はないと考えられます)

被験者にご協力を頂いて得られたバックグランドシグナル例

スキャン時間:3秒、スキャン幅:25ガウス、変調磁場強度:3ガウス、時定数:5ms

スキャンを30回繰り返した例

スキャンを40回繰り返した例

ex vivoでX線装置(管電圧150kV)で20Gy照射した歯牙を50回スキャンした例

スキャンを20回繰り返した例(2015年3月)

healthy_volunteer

装置を移動させて計測しています。

この時の測定の風景

岩崎みどり先生による尾内能夫先生の歯牙のXバンドでの測定

個人の生涯線量計としての歯の検討(pdf file, 12.8MB)

岩崎みどり先生による放射線治療を受けた方の歯牙のXバンドでの測定

上咽頭癌に対する放射線治療を受けた人の歯のESR線量測定

総説

歯を用いた電子スピン共鳴線量計測
当初のモデルからは、大きく変化しています。

関連学会

EPR BioDose 2013
EPR BioDose 2015

FAQ

この検査で放射線を照射されますか?

いいえ。放射線は照射されません。

測定時間は?

スキャン時間は3秒間/回で30回繰り返しますので90秒間/セットです。

この計測を3セット行います(=6分間程度)。
測定前に説明し(10分間程度)、測定後に感想をお伺いします(5分間程度)。

放射線照射以外でEPR信号が見えることはありますか?

EPR信号はラジカルの存在を示します

EPR信号は特異性が高く、検出されたことはラジカルの存在を示します。

ラジカルはいくつかの経路で生成されると考えられます

歯のエナメル質でのラジカルの生成はいくつかの経路があると考えられます。
このうち、事故以外では、歯科診療による影響、業務上の曝露と紫外線による影響が考えられます。
信号が検出された高い場合には他の方法も組み合わせて確認することが考えられます。

検査のデメリットはありますか?

磁場や中間周波数、高周波の電磁波に曝されますが、電磁界曝露の安全性を確認しています。

これまでのところ健康被害や気分が悪くなったという例はありません。
口元での操作になるので、万が一に備えて保険に加入しています。

検査が陽性になることはありますか?

福島第一原子力発電所に由来した曝露で要請になることは考えがたいです。

医療での従事者や患者としての曝露では、検査で陽性になり得ることが既に確認されています。
紫外線でも長時間の照射でL bandでも陽性の信号が得られることを確認しました
太陽紫外線の計測例

原発事故の影響を検出できますか?

いいえ、できません

東京電力福島第一原子力発電所事故での東電の職員での最大線量は0.7シーベルトと発表されていますが、その倍の線量を歯に受けないとこの方法では検出できません。東京電力福島第一原子力発電所事故で曝露が多い方は、甲状腺の内部被ばくの寄与が大きく、この観点からも、この方法での検出は困難だと考えられます。

歯が生え替わった子どもでも 調べられますか?

永久歯があれば、技術的には大人と同様に測定できると考えられます

ただし、18歳未満の方の測定は倫理審査を受けていないので、行うことができません。
乳歯での測定はより基礎的な検証が必要になります。

歯科診療による影響

10-60歳で100回受けると0.5Gyになりえる

  • 相当数の歯科放射線検査を受けうる
    • 4−5本の神経除去で8−30回近い
    • インプラント治療では10−20回の照射
    • 歯科矯正では一度に10枚以上撮影
  • 50kVのX線への応答は相対的に高い

放射線診療従事者

実効線量

年間20mSv以上は百人以上で10人程度では50mSvを超える結果となっている。
高い線量の方ではモニタリングに問題があったことも考えられます。

手指の線量