どのようなプレスリリース資料が望まれますか?

利用してもらえる資料としましょう。

Q.微小な放射線や放射性物質の漏洩もメデイアが過大に報道をしており、憤慨しています。
どうすればよいですか?

A.メデイアの方も放射線の世界と同じく、普通の人間です。
何でも簡単に理解できるスーパーマンではありません。
むしろ時間に追われているので、きちんと分かるように伝えないと理解できません。
その事象は本質的に何を意味し、インパクトがどの程度であるかが、
わかるようなプレス発表とすることが重要です。
また、プレス発表で使う図表は二次使用が可能なように著作権処理がなされているとよいでしょう。
メデイアの方ときちんとコミュニケーションするためには、放射線分野のメデイアセミナーの質をよくすることが求められるでしょう。

他人を悪者にするだけでは進歩はありません。
建設的に考えましょう。

参考資料

危機時における情報発信の在り方を考える
新型インフルエンザのクライシスコミュニケーションからの教訓
吉川肇子(慶應義塾大学商学部准教授)
釘原直樹(大阪大学人間科学部教授)
岡本真一郎(愛知学院大学心身科学部教授)

リスクコミュニケーションは無駄?

食品部局にいたが、いくら説明しても相手は分かってくれない

コミュニケーションで相手を操作しようというのは無理があるのでは?

リスクコミュニケーションは相手を説得する技法ではない

安心は主観的な感情

価値観は押しつけられない
信頼の向上を目指そう

住民の方々からの要望例

食品の放射線安全を知りたい

地産食材に関する考え方や食生活について知りたい
食材の選定・今後の食育のすすめ方

放射能に対して健康な生活をするための注意点を知りたい

安心した子育ての方法が知りたい
放射線被曝リスクの正しい理解とこれからの対応

結論

トレードオフをどう考えるか?

今の状況でベストの選択は?

低線量のリスク

低線量のリスクについて、住民にどのように伝えるとよいでしょうか?

影響がある?影響はない?非常に小さい?
住民に信頼される情報提供の方法として注意すべきポイントは?

メッセージの伝え方

事実を伝える

希望的観測も交えて述べない

丁寧に説明する

疑問が持たれそうなところは事前に説明
誤解するのは能動的にコミュニケーションしようとしているから

価値観は押しつけない

独善的なメッセージ発信を避ける
ただし感情的なメッセージ発信が信頼を獲得することはある

どうすることが推奨されるのかを明確に伝える

何かの基準値や参考レベルなどと比べた判断は?
何らかの行動を取ることが推奨されるのか?
特別な対応が必要ないとすると、その理由は?

リスクの大小以外の情報も伝える

単にリスクが大きいか小さいかだけではなく、リスク管理がどうなされているのかを伝える

信頼を得るために説明を工夫する

不信の原因に対応する

把握可能感を高める

どのような情報が得られているか。
その情報がどうやれば得られるか。
その情報の質はどのように担保されているか。
単に基準値と比較するだけなく、受け手が気になるところに答える。

反応効力感を高める

○○な状況だが、□□を行えば、△△な危険を回避できる

適切な問題分析に基づくメッセージ

メッセージがうまく伝わらない場合には、何に問題があるのかを正しく分析し、対策を考える
コミュニケーションで何かを決めていこうという思想は、相手の考え方を操作することが目的ではなく、責任を共有しようとする基本的な考え方がバックボーン

低線量のリスク

科学的な知見を伝える

限界も伝える

定量的に伝える

トレードオフを考えられるように
対策が実現可能かどうか?

報道への説明例

東京二十三区清掃一部事務組合

報道に対して事実関係を説明するとしています。

より本質的な議論

筑波大学平成24年度重点公開講座「大学・研究機関のパブリックリレーションズ-科学技術のPR戦略」

記事作成日:2010/06/25 最終更新日: 2017/02/11