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No. 358 サブマージョン核種での排気中濃度の濃度限度との比較

O-15での排気中濃度の評価はどのようにして行うのがよいですか?

記事作成日:2018/01/16 最終更新日: 2023/11/24

O-15が排気されたことによる線量評価

排気シナリオ

10分間の平均存在数量として2.574 GBqのO-15を10分間で投与し、そのうち0.17 %がリークすると仮定する。
時刻t0 で1.5E+07 Bq のO-15が10分間かけて排気口から放出されることになる。
排気口から10分間かけて放出される空気の量は1.0E+03 m3/10minとなる(排風量 6.0E+03 m3/hとした場合)

排気される間の平均存在数量

4.3E+06 Bq

排気される間の平均濃度

4.3E-03 Bq/m3

排気される間それによる外部被ばく線量

1.3E-01 µSv

3か月間の外部被ばく線量

1.3E-01 µSv

週5日間診療する場合に一日に可能な検査件数

28件

サブマージョン(一件あたり)

実効線量係数:4.91E-14 Sv/s Bq m3

曝露される実効線量

1.3E-01 Sv

吸入

呼吸量:1.2E+00 m3/h

水蒸気としての実効線量換算係数 1.16E-12 Sv/Bq

曝露される預託実効線量

9.98E-04 µSv

皮膚等価線量?

皮膚等価線量限度との比較例(サブマージョン核種による従事者の線量評価)

参考

No. 355 排気に由来した線量評価

平成29年度放射線対策委託費(短半減期核種の合理的な規制に向けた調査)事業
平成29年度放射線対策委託費(短半減期核種の合理的な規制に向けた調査)事業報告書

サブマージョン核種の排気中濃度限度は原子炉の管理目的で作られたのでしょうか?

現在の別表を整備する際に、C-11, N-13, O-15に関して、核医学施設における利用実態への具体的な考慮が及んでいなかったのは事実であるようですが、そもそも、サブマージョンに関しては、半無限の外部被ばくの条件で線量を評価すれば、内部被ばくの寄与も含めて、線量的には過小評価にはならないという考え方に基づいているようです。

日本放射線安全管理学会

放射線安全管理の新しい試み 第1回 医療分野での新しい課題 -事業所からの放射性物質の環境への放出の制御の課題など

1. 短半減期核種の放出の制御
1-1. ホットセルに格納可能な小型 RIガス貯留装置の開発:北海道大学CIS 阿保 憲史
1-2. O-15の排気濃度限度の見直し:東北大学CYRIC 渡部 浩司
2. α核種を用いたものなど新しい医薬品開発に関する特区申請の試み:東京大学ISC 桧垣 正吾
3. 患者に投与された放射性医薬品による公衆被ばくの実証的な検証の可能性 KURAMAを用いた患者に投与された放射性医薬品による公衆の線量検証の可能性について:京都大学原子炉実験所 谷垣 実
プログラム
抄録

ドイツの法令

No. 358 サブマージョン核種のドイツでの排気中濃度限度

平均存在数量の放射線管理での利用が合理的ではないとしている例

短半減期のPET 核種では遮蔽計算においては1 日最大使用数量の代わりに平均存在数量を使用することができます。平均存在数量は F-18(半減期)では 1 日最大使用数量の 30 % 程度となり、その他のもっと半減期の短い核種では更に小さな値になります。平均存在数量を使用することにより遮蔽計算に余裕を持たせることができますが、平均存在数量を空気中濃度や排気口濃度に使用することは合理的ではありません。そこで今回空気中濃度や排気口濃度に平均存在数量を使用しない条件での再検討を行い、変更承認申請を行いました。主な変更点は PET 核種について三月、年間の使用数量を減少するもので、1 日最大使用数量の変更はありません。PET 核種について使用回数が減ることになり、ご不便をおかけすることになります。この申請は平成 27 年 8 月 17 日に行い、平成 27 年 11 月 2 日に承認されました。

規制の抜け穴と表現している例

それに対応するために夜間や土日の排気量も利用して排気中放射能濃度を算出するなどの例も見られている。規制が現実に対応していない場合、それをやりくりするために規制の抜け穴を利用せざる得ないことの典型例である。

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濃度限度超過例の対応が記載されています。