放射性物質って何?
身の回りにあるもので説明しよう。
例えば、ラドンはラジウムの崩壊産物でともに放射性物質じゃ。
そもそも論を知りたい人には、それじゃ答えになっていないと思うけど。
具体的に考えてイメージをつかもう。ラジウムは誰が発見したのかな?
ラジウムはキュリー夫妻が発見したのでしたっけ。
不安定だから半減期1602年で質量数226のラジウムは半分になるんじゃ。
不安定ってどういうこと?
エネルギーを放出して違う元素に変わるということじゃ。
(厳密には元素の種類が変わらない壊変がある)
う〜む錬金術か。
半減期って半分になる時間かな?
その通りじゃ。
放射性核種の一つ一つの原子核を追跡した場合に、ある原子核が次の1秒間で崩壊する確率は、観測期間に限らずに一定であるという性質を持つので、
集団で観測すると、
ある半減期に半分になる。
そういえば高校の時に習ったのを思い出した。
単位時間に減少する放射性核種の数は、その時にある放射性核種の数に比例すると仮定して積分すると指数関数になるのだった。
質量数って何?
原子核にある陽子と中性子の合計数じゃ。
226個も詰まっているってすごいね。
一杯詰まっていることを自慢したくて質量数をわざわざ付けているの?
単に区別するためじゃ。
原子核の中の陽子数は元素を決定するが、
同じ元素でも原子核内の中性子の数が異なれば、違う核種になる。
これを同位体と呼んでいる。
なんだかどこでもありそうな説明だけど、
ここを端折ると読者がついてこれなくなるよ。
ラジウムは地球の表面付近だと少ないが、
それでも、1t中に1μg程度はある。
放射能温泉がある場所だともっと多い。
とっても少なくてあまり身近って感じがしないね。
でも1,602年に半分になるって言うことは
地球誕生時にはとんでもない量のラジウムがあったんだね。
計算したらわかるようにそんな訳はない。
計算してみてよ。
1,600年で半分になるということは、
3,200年で1/4になるということじゃ。
そうだね。
6,400年で1/16で12,800年で1/256か。
先は長いな。
10半減期でだいたい1/1000になるから、
・16,000年で1/1000、
・160,000年で百万分の1じゃ。
なるほど、16万年前は1t中に1gあったのか。
だいぶ身近になってきた。
待てよ。
・1,600,000年で十億分の1
・16,000,000年で1兆分の1
ということは、1千6百万年前は1t中に1tのラジウムがあったことになる。
地球はラジウムだらけだったのか???
なんか変だ!
ラジウムはウランが崩壊してできる流れの中にあって
次々と供給されておるのじゃ。
安定じゃないから崩壊するなんてなんだか不気味だね。
社会に安定じゃない原子核があるってなんだか信じられない。
誰かが次々に安定じゃない原子核を密かに作って
ばらまいているのかな?
安定な原子核の方が少数派なのじゃ。
地熱発電は原子力発電所と同じように
放射性核種を利用していると言える。
地球には放射性核種があって、
それが熱源を構成しているってこと?
今ひとつよくわからない。
原子力発電と同じく
ウランの原子核エネルギーを利用しているのじゃ。
ウランの原子核が壊変するときに放出するエネルギーを利用しておる。
違いは連鎖反応をもちいるかどうかじゃ。
ウランって地球の誕生時にできたのですか?
超新星などの爆発的過程でできたと考えられておる。
詳しくは理研のRIビームファクトリのサイトへどうぞ。
ここでは宇宙一重たい元素を作っておる(当時)。
放射性物質って宇宙の成り立ちや
地球のマグマとも関係していたのか。
放射性物質って特別な存在じゃないんだね。
もうちょっと宇宙の神秘にロマンを感じてもよいのじゃないかな。
放射性物質を毛嫌いしないでいてくれると私はうれしい。
責任逃れと受け止められるのでは…
放射性核種のデータ
WWW Table of Radioactive Isotopes
ラドン
WHO.ラドンハンドブック
第5章ではリスクコミュニケーションが扱われています。
FAQ
300 Bqの放射性核種があると、1秒間に300回壊変するのは、わかりました。
その次の1秒間にはどうなるのですか?
その核種の半減期の長さによります。
次の1秒間での崩壊数は指数関数に従って減少します。
300 Bqの放射性核種があると、1秒間に300回壊変するのは、わかりました。
でも、この300回壊変するという数には不確かさはないのですか?
不確かさが伴います。
単位時間あたりの壊変数はポアソン分布に従います。
なぜなら、単位時間あたりに壊変する候補の核種が数として多数あり、単位時間あたりに一つ一つが壊変する確率は小さいからです。
海洋全体にある主要核種top3の濃度と総量は?4>
Radioactivity in Nature読み物
小嶋 稔, 是永 淳, チン‐ズウ・イン.地球進化概論.2013
データ
独立行政法人日本原子力研究開発機構
最新の原子核崩壊データを手の中に−原子核崩壊データを網羅した原子核の世界地図「原子力機構核図表2014」の完成−平成27年3月12日