歯科領域での認識が遅れている?
思春期を含む小児は放射線に対して特に脆弱であることから、3年前に医師は必要最小限の放射線の量で検査することで患者への線量を減らし、彼らを防護しようとする国内キャンペーンを行った。
このメッセージは、多くの診療所や病院の共感を得た。
しかし、メッセージが届かなかったbusyな場所があった。
それは歯科診療所である。
多くの歯科医師が、より高い線量を必要とする時代遅れのX線フィルムを使い続けるだけではなく、矯正歯科医や他の専門歯科医は新しいスキャン装置を取り入れている。
これらの新しい装置は、旧来の装置と比較して明らかに多くの放射線を照射している。
歯科診療所のためにデザインされた装置であるコーンビームCTスキャナーは、歯や歯根、顎や頭蓋骨に至るまでの明瞭な3-Dイメージを提供する。
この技術は、提唱者側によると、矯正歯科医や口腔外科医にとってより正確に仕事し、従来の方法では気づかなかったかもしれない問題点を把握することで安全に手技が行えるとされる。
しかし、彼らの主張を裏付ける独立した研究結果はほとんどない。
そのかわり、コーンビームCTの拡大は、その安全性や有効性に関する誤った情報も一部寄与している。
その誤った情報の一部は、業者が後援する雑誌や会議だけでなく、装置の製造販売会社から資金を受けたり後援された歯科医によってなされる講演やセミナーや生涯教育授業であることが記録や歯科医や研究者に対する多くのインタビューにより示されている。
2010年10月に、Journal of the American Dental Associationは、業界を牽引するコーンビームCTの製造会社の一つである Imaging Sciences Internationalに、コーンビーム技術の全体像を取り上げた号をunderwriteさせた。
この雑誌は、15万人の歯科医に送付されているが、コーンビームCTを空港での手荷物検査スキャンを同じものとみなす著者による好意的な記事を含んでいた。実際のところは、専門家によると、コーンビームCTは百倍の線量が照射されるという。
コーンビームCTは、歯科医がインプラントや埋没歯や他の重篤な問題を含む、複雑な症例に対応するのに役立つ可能性がある。
しかし、歯科放射線の多くの専門家は、無差別な使用とみなされるものに関して、警告を発している。
彼らが心配しているのは、ガイドラインや規制がないまま、善意の矯正歯科医や他の専門医が、よく理解しないまま新しい技術に走っていることで、それにより患者、特に小児の、にリスクを与えることである。
米国やヨーロッパで多くの歯科グループがルーチンで用いることの便益が追加されるリスクより大きいかどうか疑問を抱いているものの、何人かの歯科医師は、コーンビームCTを全症例でのスクリーニングで用いるようになった。
「これら全ての異なった種類のコーンビームCTは、よく準備されていない世界に現れた」とKeith Horner氏は語る。氏は英国のマンチェスター大学の口腔放射線の教授であり、コーンビームCTスキャナに関する欧州委員会での研究をコーディネートした。
「2-Dイメージよりも3-Dイメージが常によい結果を生むというメッセージとともに製造販売会社から売り込みをかけられているのです。そして、実情はそうではないのです。」
歯科矯正器で人気のある新しいブランドは、コーンビームCTの売り上げを助けています。
なぜなら、この医療機器は、3-Dイメージを必須としており、そのためには歯科医師は放射線を用いるコーンビームCTか放射線を用いないデジタルカメラを使うことになるのです。
多くの矯正歯科医は放射線を用いています。なぜなら、その方が素早くできるからです。
コーンビームCT技術の使用の広がりによる問題そのものは認識されていても、一回のスキャンによるリスクは比較的少ない。
しかし、患者はしばしば一回以上のスキャンを受ける。
そして、それぞれの照射による生涯でのリスクが増加する。
明かな便益がないと、彼らによるとリスクのみがあると言うことになる。
「ですから、歯科矯正を受ける患者の母親に尋ねてみましょう」とStuart C. White博士は言います。博士はカリフォルニア大学ロサンゼルス校の歯科学校の歯科放射線学の元主任教授です。
「あなたのお子様の歯の位置を確認するために、完全に安全なツールであるカメラを用いましょうか?それとも、ごくわずかながんのリスクはありますが、時間を節約できるので別の方法を用いましょうか?」
コーンビームCTビジネスは製造販売会社や歯科医に利益をもたらす。
ある会社の試算では、30種類以上で3千台以上のスキャナーが販売され、その価格は$250,000に達する。
歯科医の中には、スキャンあたり数百ドル請求するものもいて、装置を購入することで彼らに利益を持たす。Imaging SciencesやコーンビームCT製造者は、「治療台・時間あたり、より多くの利益をもたらす」ことを約束している。
販売会社は、無料のコーンビームCTスキャナーサービスやプレゼントを抱き込ませて、この技術への関心を高めている。Imaging Sciencesの資金によりオンライン講座を開催したワシントン州の矯正歯科医師は,歯科医師に、担当している患者が無料でスキャナーを受けられるクーポンを提供している。これは参照画像を作成するためである。
そして、「ワォ」要素があると、イリノイ州の矯正歯科医師であるTerry Sellke博士は語ります。
「子供は3-D画像を見ることが大好きです」とImaging Sciencesにより提供されているWebcastでSellke博士は語ります。
「彼らは私たちのコンピュータに入り込んで、彼らの頭蓋骨を見ることができるのです」
他の矯正歯科医師は、緑と紫に色づけされた3-D画像について、こう語ります。
「子供が喜ぶためさ」
米国顎顔面放射線学会の会長であるAllan G. Farman博士は、靴店が靴が足に合うかどうかを見るために顧客の足をX線で撮影していたことを例にして、歯科医師が新しい技術に夢中になりすぎないように注意を促します。
「少なくとも、靴屋の商人は、放射線の影響を無視していました」
(以下記事は続いています)
出典
Radiation Worries for Children in Dentists’ Chairs
コーンビームCTでのリスク推計例
The largest contribution to the organ dose and effective dose at Zref 83 cm positioned in the dental CBCT x-ray beam centerline was from the salivary glands (738.29μGy, 7.38 μSv). The different organ doses showed the maximum values at the different Zref locations, and the largest contribution to the organ dose and effective dose of all simulated positions was from the thyroid (928.77μGy, 37.5 μSv). The REID values in the 10-year olds (22.6 × 10− 7, female; 19 × 10− 7, male) were approximately double than those in 30-year olds (10.4 × 10− 7, female; 8.88 × 10− 7, male) for all cancers. The highest change during age range from 10 to 30 was shown in breast cancer of females.
REID
放射線誘発がんによる寿命短縮が50年で、放射線誘発がんの発症確率が2E-6であるすると、平均余命短縮は1時間程度となる。
breast cancer
ベースラインと比較できるでしょう。