小児と放射線

お母さん、自分を責めないで。

沖縄県医師会とQSTの取り組み

おきなわ津梁ネットワークに線量管理機能追加へ~安心で安全な放射線診断の提供に向けて~

J-RIME

WHO『小児放射線診療のリーフレット』日本語版を公開開始しました。

診療放射線技師の方に質問してみたい?

そんなあなたに対応することを準備している例です

2019年度 第1回 放射線被ばく相談員 フォローアップセミナー

新聞記事を読んで心配になりました

本日の朝刊に「子供のCTより慎重に」という記事がありました.放射線と癌の関係の記事だったのですが,それを読み不安になりました.
 小学生の息子がまだ小さい頃、血尿が出て尿路感染症と診断されました。水腎症の疑いもあると言われCT検査を受け、その 2 週間後に膀胱造影をしました.
 結果は異常なしで,安心したのですが,当時もこんなに小さいのに…,と心配していました.
 そこで,本日の記事を目にし…,また不安がよみがえってきました.
 小さい頃にこのような検査をしていると,将来的に発癌や不妊に関係してきますか?その時の放射線の量によりますか?


リスクが量によるというのは、一般化しつつあるのかもしれないね。

絶対に安全なことを求めるのがナンセンスなのは想像すればわかるお話しじゃからな。

不妊のお話しは、 この前の質問の回答を見て頂くとして、発がんはどうかな。

放射線を受けたのは骨盤部のCTと膀胱造影じゃな。
骨盤部のCT:15 mSv
膀胱透視は透視時間1分としても0.5 mSvもいかんじゃろ。

膀胱造影って、どういうこと?

膀胱尿管逆流現象をチェックしておるのじゃろ。
感染症で腎臓にダメージを与えないために予防的な治療が必要かどうか判断するのじゃ。
腎臓は大切な臓器じゃからな。

検査受ける子も大変だね。

病気が重たくならないように検査するのだからみんなで支えねばならん。

では、線量はちょっと多めに見積もって20 mSvとすると、リスク係数を5%/Svとすると平均余命短縮は20日か。

予防的な治療が必要な場合にきちんと診断することの利益は、それよりも遙かに大きいのじゃ。

人間いろいろあるから、仕方がないよね。
きちんと検査を受けさせることが母親の役目なんだから、自分を責めないで欲しい。

必要な検査だし、リスクも小さいからいいんじゃないと思うけど、母親は何で悩んでいるのかな。

母親も検査や治療そのものは納得できるじゃろ。
むしろ、そのような検査を受けさせることになったことを責めてしまうようじゃ。同じような子供を持つ母親のブログを見て、コメント付けあいっこするのもよいのじゃないかな。

あなたしか経験できなかったことで他人が救えることもあるんじゃないかな。

医療従事者向け関連記事

泌尿器科での放射線防護

WHO

小児画像診断における放射線被ばくの伝え方

厚生労働省

医療放射線の適正管理に関する検討会

疫学研究

Doll R, Wakeford R. Risk of childhood cancer from fetal irradiation. Br J Radiol. 1997 Feb;70:130-9. doi: 10.1259/bjr.70.830.9135438. PMID: 9135438.

It is concluded that radiation doses of the order of 10 mGy received by the fetus in utero produce a consequent increase in the risk of childhood cancer. The excess absolute risk coefficient at this level of exposure is approximately 6% per gray, although the exact value of this risk coefficient remains uncertain.

Childhood cancer research in Oxford I: the Oxford Survey of Childhood Cancers
Childhood cancer research in Oxford II: The Childhood Cancer Research Group
Childhood cancer research in oxford III: The work of CCRG on ionising radiation

倫理的配慮

中釜英里佳、小野 美喜.ブログによる闘病記を研究対象にする際の倫理的配慮 Ethical considerations in the study of illness narrative blog

国立成育医療研究センター

WHO小児被ばくイベントに参加しました

取り組みの振りかえり

前田恵理子(東大病院22世紀医療センターコンピュータ画像診断学/予防医学寄付講座).小児CTの被ばく低減:激動の10年を振り返って 

記事作成日:2010/02/06 最終更新日: 2024/04/24