I. X線室に直ぐにはいると危険?

X線室には放射線が残っているの?

問題

1.放射線がまだ残っているので危険
2.すぐに入っても問題なし

解答

2.すぐに入っても問題なし

scatterX線は壁に当たると一部が跳ね返ってきます。

X線の検査では百億個 程度のX線粒子が使われます。
1回壁に当たると10分の1になるとすると(残りは光電吸収により放射線エネルギーが受け渡される)
百億個あったX線も10回壁に当たると全てなくなってしまいます。
壁から壁の距離を5メートルとすると直線距離で50メートル進むと全てなくなってしまうことになります。

X線の進む早さは光と同じです。
ですからX線が出てから百万分の1秒後にはX線はなくなっています。
また、診断で使うX線では放射性物質はできません。

光電吸収とはX線(光子)のエネルギーが電子に受け渡されること。結果としてX線がなくなり、電子が運動エネルギーを持つ。運動エネルギーを持った電子は、周囲を電離させてエネルギーを失う。

海外のようにエックス線診療室内に操作する場所を設けた場合のエックス線の飛跡

1.5 mmの鉛で防護しています


エックス線照射後100nsまで

PHITS

注意事項

部屋の隅に退避するのはよくないのですか?

ここで示したものは相対的な飛跡の量です。照射中にどこに退避するかは作業環境管理の観点からの指示に従って下さい。壁からの後方散乱の量は相対的には少ないです。あえて隅を避ける意義は乏しいです。

プロテクターの位置別の空間線量率の違い

計算の条件

光子は50keVで鉛プロテクターは1m×1mで厚さ0.25mmとしています。
鉛プロテクターを患者と従事者の間に設置すると従事者の前面に設置した場合に比べて1割程度従事者が受ける線量が増加しています。
鉛プロテクターを患者側に設置すると従事者の前面に設置した場合に比べて2割程度が受ける線量が増加しています。

散乱体の表面


散乱体と1m離れた看護師の間


散乱体から1m離れた看護師の前面


計算の条件

光子は50keVで鉛プロテクターは40cm×40cmで厚さ0.25mmとしています。
鉛プロテクターを患者と従事者の間に設置すると従事者の前面に設置した場合に比べて5割程度従事者が受ける線量が増加しています。
鉛プロテクターを患者側に設置すると従事者の前面に設置した場合に比べて5割程度が受ける線量が増加しています。

散乱体の表面


散乱体と1m離れた看護師の間


散乱体から1m離れた看護師の前面



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記事作成日:2009/11/09 最終更新日: 2018/11/04