超短半減期核種の数量は、どう設定するのがよいですか?
減衰を考慮して、平均存在数量を用いることが推奨されています。
1 超短半減期の核種については、減衰を考慮した値の使用についても可能とする。
「人が常時立ち入る場所の空気中の放射性同位元素の濃度」以外については明示されていない。
放射線施設のしゃへい計算実務マニュアル
4.1.12 超短半減期核種の数量
18F-FDGを用いたPET診療における医療放射線管理の実践マニュアル
Q.「漏えい時の濃度を過小評価します。」とあることは、過小評価しないためには減衰補正してはだめということになりませんか?
以下のようにする必要があるのではないでしょうか。
放射能は、単位時間あたりの壊変数で時刻によって変化しうる値です。使用はその時刻に関心対象空間に存在していることと考えられますので、安全評価では、その放射性物質がどのように供給されるのかなどを考え、評価時間中の積分量を考慮する必要があるでしょう。
米国では、作業者が吸入する空気のDerived Air Concentration (DAC) は、4E-06 [µCi/ml](1.5E-01 [Bq/ml])とされ、排気の濃度限度は2E-08 [µCi/ml](7.4E-04)とされています。
日本ではそれぞれ2.0E-01 [Bq/ml]と7.0E-04[Bq/ml]とされており、ほぼ同じレベルとなっています。
SECY-07-0062 Final Rule: Requirements for Expanded Definition of Byproduct Material (RIN: 3150-AH84)
NRC Final Rule on Expanded Definition of Byproduct Material
COUNCIL DIRECTIVE 2013/59/EURATOM of 5 December 2013
告示別表第2の「排気中の濃度限度」(第5欄)は、一般公衆に対する各年齢層毎(3 ヵ月齢、l 歳、5 歳、1 0 歳、1 5 歳、成人)の吸入関数による線量係数及び成人に対する不活性ガス等による線量率係数を用いて、「外部被ばく及び内部被ばくの評価法に係る技術的指針」が示すところの、同一人が誕生してから7 0 歳(満7 0 歳の誕生日まで)になるまでの期間について、年平均1 mS v (実効線量)の被ばく線量に基づくものとして算出しています。
詳細な計算については、当時の原研の報告書「ICRPの内部被ばく線量評価法に基づく空気中濃度等の試算」に記載されています。
その10ページ目にO-15の化学形ごとに分けていない理由と思われることが記載されています。
試算は当時のICRP Pub.68とPub.72に基づいて計算をしているのですが、その中にO-15がなかったようです。
それでもO-15のサブマージョンは当時の告示に掲載されていることから独自に計算したようです。
ICRPに記載がなかったにも関わらずO-15が当時の告示に掲載されていたのは、おそらく日本でO-15検査が行われていたことによると考えられます。
C-11についてはICRP68に掲載されているため化学形に場合分けして計算されたのではないかと思います。
サブマージョンを計算したのは外部被ばくの影響が大きい(外部被ばくが支配的とされる不活性ガス等である)ためだと考えられます(4ページ目に記載があります)。
その後、ICRP 2007 年勧告の組織加重係数等に基づいて、内部被ばく線量係数が計算し直され『ICRP 2007 年勧告の組織加重係数等に基づく内部被ばく線量係数』が出されていますが、この報告書でもO-15はサブマージョンしか計算されていません(この報告書の目的から)。
O-15の内部被ばくはこちらをご覧下さい。
岡沢 秀彦, 工藤 崇.H215Oによる局所脳血流量の測定と臨床応用
変更承認申請について
短半減期のPET 核種では遮蔽計算においては1 日最大使用数量の代わりに平均存在数量を使用することができます。平均存在数量は F-18(半減期)では 1 日最大使用数量の 30 % 程度となり、その他のもっと半減期の短い核種では更に小さな値になります。平均存在数量を使用することにより遮蔽計算に余裕を持たせることができますが、平均存在数量を空気中濃度や排気口濃度に使用することは合理的ではありません。そこで今回空気中濃度や排気口濃度に平均存在数量を使用しない条件での再検討を行い、変更承認申請を行いました。主な変更点は PET 核種について三月、年間の使用数量を減少するもので、1 日最大使用数量の変更はありません。PET 核種について使用回数が減ることになり、ご不便をおかけすることになります。この申請は平成 27 年 8 月 17 日に行い、平成 27 年 11 月 2 日に承認されました。
第135回総会放射線審議会
O-15の数量の考え方は明示的には示されていないようです。
このため、現在の法令の下では、検査において、変更許可の前提事項となっている一日最大使用数量について、確認することは必要である。
第4回放射性同位元素等規制法に係る審査ガイド等の整備に関する意見聴取
第16回学術大会(保健物理学会合同開催・大分), 日本放射線安全管理学会誌, 2017, 16 巻, 2 号, p. 35-71
放射線安全管理の新しい試み【第1回 医療分野での新しい課題】 -事業所からの放射性物質の環境への放出の制御の課題など-