Ra-223の代謝

INDES4.1での計算結果です。

Raの血液中からの移行率

Raの血液中からの移行率

便中への排泄放射能

便中への排泄放射能

尿中への排泄放射能

尿中への排泄放射能

血液中での放射能

血液での放射能

梁骨表面での放射能

梁骨表面での放射能

梁骨実質での放射能

梁骨実質での放射能

皮質骨表面での放射能

皮質骨表面での放射能

皮質骨実質での放射能

皮質骨実質ででの放射能

外部被ばく時の実効線量率定数

日本アイソトープ協会のアイソトープ手帳の11版に子孫核種との放射平衡を考慮した定数が追加されています。

医療利用(核医学治療)

α線内用療法の現状と課題

日本核医学会

塩化ラジウム(Ra-223)注射液を用いた内用療法の治験適正使用マニュアル

製造法

Ra-226に中性子を照射し、Ra-227を生成し、その子孫核種のRa-223をミルキングで取り出します。この方法は、過去に医療で使われ廃棄が課題であったRa-226を有効利用できるものでもあります。

校正

NISTでのRa-223の標準が見直されました

米国国立標準技術研究所(NIST;National Institute of Standards and Technology)が設定するRa-223の標準値が変更されました。
これまでRa-223を用いた放射性医薬品の放射能の数量や濃度は、NISTが設定した標準に基づいて校正されてきましたが、2015年の3月にNIST標準値が変更されました。
新しいNIST標準では、製剤中の放射能の数量や濃度、患者への投与量等が変更前に比べて約10%高い値で表示されることとなりました。
標準値の変更前後では表示値が異なるだけで、製剤中の放射能の数量や濃度、患者への投与量に実質的な変更はありません。
国・地域で異なる値が使われることの混乱を避けるため、バイエル社の準備が完全に終了した後に、全世界一斉に新しいNIST標準値が表示される予定となっています。
このため、関連する論文などではその時期によって表示されている放射能量が異なるため、参照する場合は注意が必要となります。
Revision of the NIST Standard for 223Ra:New Measurements and Review of 2008 Data
Xofigo®: Change in NIST Standard Reference Material

放射線管理

Ra-223を用いた治療は可能ですか?

患者が受ける線量?

添付文書

ゾーフィゴ静注

肺の吸収線量

平均値(mGy/MBq)変動係数(%)
改訂前0.032318
改訂後1.17-※

海外及び国内第Ⅰ 相試験においては、本剤の投与後に肺への放射能の集積が観察されていなかったため、肺の吸収線量は他臓器からのベータ線及びガンマ線の寄与のみによって算出されていた。近年、本剤投与直後に測定可能な量の放射能が排泄される)というデータが得られたため、気道中の放射能( 子孫核種のRn-219) に由来する線量を加えて再計算された。

※:肺における吸収線量はモデルから推定した平均血中放射能濃 度推移に基づき算出したため,変動係数については計算できない.

世界初!核医学治療中に放出されるα線放出核種の検出に成功
研究の進捗(1-1 223Raの飛散率実験の結果)

関連記事

No.228 Ra-223を用いた治療での放射線安全上の課題は何ですか?

FDA

Calculated Absorbed Radiation Doses to Organs

体内代謝に対するデータ

Pharmacokinetics of single dose radium-223 dichloride (BAY 88-8223) in Japanese patients with castration-resistant prostate cancer and bone metastases
Phase I pharmacokinetic and biodistribution study with escalating doses of ²²³Ra-dichloride in men with castration-resistant metastatic prostate cancer.

ソフトウエア

OLINDA

論文

Dosimetry of 223Ra-chloride: dose to normal organs and tissues
High-Linear Energy Transfer Irradiation Targeted to Skeletal Metastases by the α-Emitter 223Ra: Adjuvant or Alternative to Conventional Modalities?