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自然の放射性物質のリスク
自然放射性物質
私たちの周囲には自然放射性物質があります。
放射能温泉の岩盤や温泉水に比較的高い濃度の自然放射性物質(ウラン系列やトリウム系列)が含まれていることがあります。
温泉水を飲用したり、温泉水由来の放射性物質を吸い込んだり、外部被ばくにより線量を受けることになります。
日本保健物理学会
水中ラドンに関する専門研究会 活動報告書(平成16年8月)(pdf file, 1.8 MB)
福島県石川町
福岡県
ウランは水質管理目標値が定められています
説明例
環境省
平成 29 年度水環境における放射性物質のモニタリング実施方針
- ウラン系列やトリウム系列のような自然の壊変系列に属する核種(例えば、ウラン系列のPb-214 と Bi-214、トリウム系列の Pb-212 と Tl-208 など)は放射平衡状態にあることから、単純に放射能濃度を過去の測定値と比較するだけではなく、壊変系列内での放射能濃度のバランスについても注意して評価する。
- ウラン系列やトリウム系列などの放射性核種は地殻中に広く分布し、特に花崗岩中には比較的多く含有される為、測定地点周辺の地質の状況についても充分注意して評価する。
流山市
川崎市
水道水の放射性物質に関するQ&A(生田浄水場原水中に検出されたレベルの自然放射性核種は安全なのですか?)
測定は妥当か?
原水などに含まれるウラン系列の自然放射性核種は、壊変系列となっています。壊変系列を構成する元素はそれぞれ化学的な性質が異なっています。このため、密封して測るなどしないとそれぞれの核種が適切に評価できないと考えられます。なぜなら密封していないと、測定までの保管中や測定中に壊変系列の核種が試料から失われている可能性があるからです。
経口摂取による線量評価が妥当か?
ウラン系列は、壊変系列となっていますので、それぞれの核種の壊変によるエネルギー付与を考慮する必要があります。子孫核種を持つ核種の実効線量係数は暗黙の子孫核種を考慮している場合とそうでない場合で値が異なります。
経口摂取を仮定した線量評価が妥当か?
状況に依存しますが、線量としてはラドンの吸入が支配的になることも考えられます。
こどもみらい測定所
ミネラル水
丸山 誠史, 服部 健太郎, 平田 岳史.ミネラルウォーターのウラン・トリウム濃度
説明が誤っていた例
厚生労働科学研究費補助金事業「屋内ラドンによる健康影響評価および対策に関する研究」(H19-健危ー一般-016)(主任研究者:鈴木 元)
屋内ラドンのリスクに関する情報提供
井戸水のラドン濃度が高かった場合の対策が、米国EPAの「ラドン低減に関する消費者ガイド」でも扱われています。
米国での事例の紹介例
米国食品安全・応用栄養センター(CFSAN)、放射性物質ポロニウム201210がネバダ州内の井戸水から検出された件で食品安全に関連したQ&Aを公表
類似例
帯広市教育委員会
放射性物質の測定結果の一部訂正についてお知らせします。放射性ヨウ素131の検出結果について、検出値を「検出せず」に訂正します。
訂正に至った理由等につきましては、下記の「放射性物質の測定結果の一部訂正について」をご覧願います。
米国NRC
US EPAの取り組み
Environmental Protection Agency Guidances and Regulations for Naturally Occurring Radionuclides
IAEA
Management of radioactivity in drinking water including radon
飲料水中のPo-210
Using recently developed and sensitive laboratory methods, the USGS has documented where the radionuclides lead-210 and polonium-210 occur in principal aquifers of the U.S. used for drinking-water supply, reports a new study.
Polonium-210 Occurrence in Minnesota’s Aquifers: A Pilot Study
Ahmed MF, Alam L, Mohamed CAR, Mokhtar MB, Ta GC. Health Risk of Polonium 210 Ingestion via Drinking Water: An Experience of Malaysia. Int J Environ Res Public Health. 2018 Sep 20;15(10):2056.
地震との関係
放射能温泉
大分県温泉調査研究会
静間 清, Ge検出器を用いた地下水ラドンの測定法の検討と広島県備北地域と瀬戸内海沿岸および島嶼部の地下水ラドン濃度の測定, RADIOISOTOPES, 2020, 69 巻, 8 号, p. 263-275, 公開日 2020/08/15, Online ISSN 1884-4111, Print ISSN 0033-8303
初田 甚一郎.温泉鉱泉等のラドン測定法に就て
ゲルマニウム半導体検出器による温泉水中ラドン濃度測定方法