RCA/IAEA Meeting of the Asian ALARA Network on Occupational Exposure in Medical Applications, 12-16 October 2010, Adelaide, Australia

アジア・オセアニア地域でも放射線診療従事者や医療に関係する労働者が受ける線量を合理的に低減する試みが強化されようとしています。

RCA(アジア原子力協定)による会議の案内

会議の様子(画像) Photos

今後のプラン

Asia Region ALARA Network (ARAN)の活動は今後も継続し、さらに発展させる。

Web, News Letterなど情報発信を強化

・役立つツールを提供
・検討の場を設ける
・IAEAからの金銭的な支援がなくても持続可能な活動にするための基盤を整備する。

ARANの議長国は日本が継続(NIRSの酒井先生)、副議長国は韓国からオーストラリアに交代した。

この会合で取りまとめられた勧告に関連した二つのWG((1)放射線診療での労働安全評価シートの導入、(2)I-131治療での汚染時の対応法)の活動を継続させる。

(1)核医学分野を対象に包括的に関連した作業内容をリストアップし、それに関係する職種を明確にしたうえで、それぞれのリスクをあらかじめ評価し、介入を考え実行し、その成果を線量推計などで評価し、それを当初の計画の改善に反映させるという戦略の実現です。マレーシアを中心に試行するとされており、George Anastas先生の援助が受けられます。興味がある医療機関/地域の方のご連絡を歓迎します。

(2)韓国を中心にまずはI-131治療時の汚染に備えたspill kitの実態を調べてみることになりました。わが国ではカプセルが用いられており、添付文書では嘔吐が起こりえると記述されていますが、医療機関でどのように対策を講じているのか、基礎的な情報がいただけるとうれしいです。

全体的な流れ

職業被曝のALARA達成を推進するために放射線診療従事者でも線量登録制度を整備すべき。

関連した取り組み例

European Medical ALARA Network

いくつかのエピソード

・核医学診療で線量限度を超えた事例の合ったフィリピンでは政府機関が調査し医療従事者が必要以上に患者のケアにかかわっていることが原因であることを突き止めたそうです。このため、医療従事者に教育を提供し、援助が必要な患者を検査する場合に家族などが介助を援助させるなど曝露を分散させる措置をとり、もっとも被曝する職員の曝露量の低減に成功したそうです。ミヤンマーでも線量限度を超えた例があったが核医学施設が2つしかないため介入は容易だったそうです。
・パキスタンやミヤンマーでも核医学での放射線労働者の曝露量低減に成功しています。パキスタンの線量低減は一貫とした傾向となっていない面はあるものの、担当者によるとIAEAの援助による規制の整備が曝露量低減に貢献したそうです。なお、全ての参加国中、核医学分野での放射線診療従事者の線量に内部被曝も考慮されていたのはマレーシアとミヤンマーでした。
・タイでは清掃担当者が作業する前に医学物理士が安全を確認しているそうです。
・タイでは排水管に溜まったRIからの曝露事例があったそうです。
ニュージランドの担当者からは手持ち歯科用X線装置の使用を容認すべきかどうかを国内で検討したとの報告がありました(オーストラリアでも同様の議論がなされたそうです)。

presentation file

Overview of Japanese System(pdf file, 696kB)
Occupational Radiation Protection in Nuclear Medicine(pdf file, 5.9 MB)

学術会議の対応

見解「医療従事者の職業被ばくに係る放射線管理の改善に向けて」のポイント
放射線作業者の被ばくの一元管理について(pdf file, 737kB)

第 188 号通知には実効線量が1週間につき100 μSvを超えるおそれのある場合は、放射線測定器により線量の測定を行う必要があると規定している。 とありますが、実効線量が1週間につき100 μSvを超えるおそれがない場合には、測定する必要はないのでしょうか?

医療法施行規則では、以下のように規定されています。
四  外部被ばくによる線量の測定は、管理区域に立ち入つている間継続して行うこと。
その通知の規定は、
放射線診療装置等の使用において放射線被ばくのおそれのある場所には、原則として放射線診療従事者等以外の者を管理区域に立ち入らせないこと。
また、これらの者を使用時又は使用時以外に立ち入らせる場合にあっては、実効線量が1週間につき100マイクロシーベルトを超えるおそれのある場合は、線量の測定を行う必要があること。

となっており、一時立ち入り者について言及していると考えられます。
シンポジウム(pdf file, 131kB)

会議リポート

RCA/ IAEA meeting of the Asia Region ALARA Network (ARAN) on Occupational Exposure in Medical Applications and Steering committee meeting of the ARAN

ARAN

The Asia Region ALARA Network (ARAN)

ORPAS

IAEA Trains Next Generation of Reviewers for ORPAS Missions
IAEA Services Series No. 43 Occupational Radiation Protection Appraisal Service (ORPAS) Guidelines
Conducting a mission

Occupational Radiation Protection Appraisals (ORPAS)
IAEA Service to Appraise Radiation Protection of Workers Marks 15th Anniversary

Indonesia

Web article of IAEA
orpas-indonesia

良い活動のモデルとしての写真が掲載されています。
Web article of Bapeten
TENG IYU LIN. OBSERVATIONS FROM COMPLETED ORPAS MISSION (Asia and the Pacific region) INDONESIA (2018) SRI LANKA (2019) [Internet]. 2021

Self assessment

ORPAS questionnaires
How to make a self-assessment
日本語訳

SARIS

Self-Assessment of Regulatory Infrastructure for Safety (SARIS)
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY, SARIS Guidelines, Services Series No. 27, IAEA, Vienna (2014).
SELF-ASSESSMENT

全体の枠組み

ORPASのフレームワーク
職業放射線防護評価サービス(ORPAS

アジアオセアニア地域の加盟国間での規制の比較

Regulations and Codes on radiation protection in medicine in the Asia-Oceania

記事作成日:2010/10/17 最終更新日: 2024/01/17