小児と放射線(頭部のX線CT検査を繰り返し受けた)

再び、お母さん、自分を責めないで。

医療法施行規則の改正でX線CT検査で患者が受けた線量を記録・管理することが義務化されました(2019年3月11日公布(2020年4月1日施行))。

今,7 歳になる息子がおります.
3 年前になりますが,プールで頭を打ち,その後吐き気をもよおし,ぐったりとした感じがありましたので,救急病院に搬送していただき,すぐに頭部のCT検査を受けました.
結果,問題なしとのことでしたが,「この場合,1 度だけでは不十分で,数時間,時間をおいてもう 1 度CTを受けなければなりません」と説明されました.むしろ,時間がたってからの方が心配だと言われました.病室で点滴を受けた後,またCT検査を受けました.幸い,結果異常はありませんでした.
しかし,この頃になって,検査被曝についての問題を新聞やテレビにて目にすることが多く,当時 4 才だった息子が,1 日に 2 度もCT検査を受けたことが,はたして,今後の体に影響する事がないだろうか,と心配でなりません.その線量なども,適当であったかどうか,今ではわかりかねます.また遡り 2歳の時には,階段から落ち,頭部を 1 回,胸のレントゲンを 3 回(鎖骨骨折のため)受けたこともございます.
今更ということもありますし,漠然とした不安なのですが,親としては,私の不注意からの事故での結果なので,心配でなりません.どうかお答えいただきます様,よろしくお願いいたします.


不注意で危険な検査を受けさせてしまったと思いご自分を責められているようですね。

完璧な子育てなどないから、自分を責めてもしかたないじゃろ。

でも、博士の気休めは何の役にも立たないと思う。
では、ポイントを整理しつつ前に進みたいと思います。
「1 日に 2 度もCT検査を受けた」というのが心配のようです。
検査の必要性はいかがでしょうか?

英国では、直ぐにX線CT検査が必要な場合として、このようなものを示しておる。
その検査がどの程度必要じゃったか、後から判断するのは難しいので、この議論はここではしないことにする。

肝心なことが聞けないなあ。
英国って、X線検査が嫌いな人が多い国で、日本への嫌がらせ論文を書いたんじゃないのかなあ。

それはいくら何でも勘ぐりすぎ。
そのうちに小児放射線学会のサイトが充実するじゃろうから、それに期待してくれ。
どのようなスタイルの医療体制を求めるかは国民が決めることじゃから、各国で異なっていて当然じゃ。

続けて検査すると、リスクはうんと大きくなるのでしょうか?

2回検査を受けた場合、リスクは最大でも倍と考えられておる。
例え、1日に2回受けても、その影響が相乗的(=相加的よりも大きいこと。相加的とは、影響が単純に加算されること)に現れるとは考えがたい。

でも、1日空けた方がリスクは減るんじゃないのかなあ。

その可能性もあるが、そもそもリスクが小さいから、さらに小さい変化を見いだすのは難しいんじゃ。

他にも頭部と胸部の検査を受けているけど、線量は全部でどの程度になりそうなのかな。

頭部X線CT2.4 mSv、頭部単純0.02 mSv、胸部単純0.03 mSv×3=0.09 mSvだとすると、全部で、2.5 mSvじゃな。

一年間に自然に受ける量と同じ程度だから、リスクは小さいんだね。

リスク係数5%/Svを使って概算すると、リスクの大きさは千分の1程度(=最大見積もりでも一万人に一人の死亡の増加に過ぎない。放射線に曝露しなくても3人に1人はがんで死亡するのが現実)。
平均寿命短縮は放射線発がんでの寿命短縮が20年と仮定すると1日程度。
リスクがこの10倍であるとしても疫学研究でこの差を検出するには、曝露群と対照群がそれぞれ4百万人程度必要になる。

なかなかリスクの大きさってピンとこないけど、世の中色々なリスクがあるから少し冷静に考えてみるとよいかもしれないね。

医療では必要な検査を行っておる。
そして、その検査で得られる利益は、検査の不利益よりも遙かに大きい。

何でもなかったという結果は、検査が無駄であったことを意味しないよね。

あらためて、お母さん、自分を責めないで欲しい。
わしからのお願いじゃ。

お母さん、自分を責めないで。
トリプルP
– 前向き子育てプログラム –

照射条件の標準化

JSRT

X線CT撮影における標準化~GALACTIC
Galactic

WHO

小児画像診断における放射線被ばくリスクの伝え方 -医療に関する便益とリスクの議論をサポートする情報-
小児画像診断における放射線被ばくリスクの伝え方(医療に関する便益とリスクの議論をサポートする情報)
小児のX線検査に関するリーフレット
小児のX線検査に関するポスター

厚生労働省

医療放射線の適正管理に関する検討会

線量を知りたい?

DRL構築のための線量管理 「線量管理システム」
医療情報管理の立場から 現場での患者被ばく線量管理システム構築の実践に向けて ~診療放射線技師は、誰に何を伝えるべきなのか~
X線線量情報一元管理システム Radimetrics Enterprise Platform
被ばく線量管理システム DOSE MANAGER

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Loss of life expectancyとは何ですか?

記事作成日:2010/01/19 最終更新日: 2019/04/15