放射性医薬品の静脈内投与時の血管外漏洩による放射線リスク

核医学診断での投与時血管外漏洩による放射線皮膚炎のリスクは通常では低いと考えられますが、β線放出核種を使った放射線治療では投与時に注意が必要だとされています。

静脈内に診断用RIを投与する際に血管外に漏洩して放射線障害を起こしたとされる事例

皮膚科医による文献

稲葉智子,山中恵一,水谷仁:塩化タリウムによる放射線. 皮膚炎,皮膚病診療,23(9);919-921(2001)

その線量評価などが不適切であることを指摘する日本核医学会リスクマネージメント委員会の文献

福田寛.放射線皮膚障害に関する考察.核医学 40: 213–220, 2003

日本放射線技術学会 防護分科会による解説記事

文献紹介「塩化タリウムの放射線皮膚炎」

線量評価例

皮下組織に残留した放射性同位元素による皮膚被曝線量のモンテカルロ法を用いた推計(第37回日本保健物理学会ポスター発表)

治療用β線放出核種

Sr-89

関係学会のマニュアルで血管外漏洩への注意が促されています。

有痛性骨転移の疼痛治療における塩化ストロンチウム-89治療の適正使用マニュアル(第四版)

Y-90

イットリウム-90標識抗CD20抗体を用いた放射免疫療法の適正使用マニュアル(第2版)

Lu-177

Lu-177を用いた放射性薬剤の治験・臨床研究

症例報告

Extravazation of therapeutic yttrium-90-ibritumomab tiuxetan (zevalin): a case report.

PET検査に与える影響

Correction for FDG PET dose extravasations: Monte Carlo validation and quantitative evaluation of patient studies.

記事作成日:2010/03/06 最終更新日: 2021/02/03