原子力発電所事故後の現存被ばく状況での放射線防護のカテゴリーの記事は、保健福祉職員向け原子力災害後の放射線学習サイトに移行中です。
復興庁
避難住民説明会等でよく出る放射線リスクに関する質問・回答集
厚生労働省から各自治体への事務連絡
放射線の影響に関する健康相談について(事務連絡)(一部修正及び追加)(pdf file, 400kB)
厚生労働省災害対策本部事務局からの依頼
福島県内からの患者の受入れについて(pdf file, 209kB)
福島県内からの患者の受入れへの協力依頼です。受入れに際し、放射線の除染証明書を提示することなどを条件として付さないこと。
放射線の影響に関する健康相談について(情報提供)(pdf file, 319kB)
健康相談ホットライン
文部科学省
健康相談ホットラインの開設(福島原子力発電所の周辺にお住まいの皆様へ)
(財)原子力安全研究協会 放射線災害医療研究所によるマニュアル
サーベイメータの取り扱いについて
甲状腺に取り込まれた放射性ヨウ素の計測
頸部甲状腺に沈着した放射性ヨウ素の測定
愛媛県によるI-131の測定を想定したマニュアル
身体汚染検査とサーベイメータの取扱い換算係数でBq/(mSv/h)とあるのはBq/(µSv/h)の誤りだと思われます。ご確認下さい。kBq/(mSv/h)で記述。
注意点
医療機関でI-125の密封線源の挿入治療を受けた患者さんに低エネルギーにも感度を持つサーベイメータを用いると放射線を検出することがあると考えられます。
FAQ
Q. 測定器毎の計数効率を教えて下さい。
計測する放射性物質の種類や測定試料の大きさや測定の幾何学的条件によって計数効率は異なりますが、今回のイベントでの参考資料がアロカ株式会社から以下のように示されています。
詳しくは診療放射線技師や放射線管理担当者に確認下さい。
推奨機器
GMサーベイメータ
型式 | 口径 | 13kcpmへの換算値 I-131として40 Bq/cm2 | 100kcpmへの換算値 I-131として300 Bq/cm2 |
---|---|---|---|
TGS-146 | 50mmφ | 13kcpm | 100kcpm |
TGS-133,136 | 50mmφ | 13kcpm | 100kcpm |
TGS-123 | 50mmφ | 13kcpm | 100kcpm |
TGS-131 | 20mmφ | ||
TGS-121 | 20mmφ | ||
TGS-111 | 20mmφ | 2,082cpm | 16,020 cpm |
元々のスクリーニング基準となる計数率は、安定ヨウ素剤による甲状腺への線量低減策を講じるかどうかの判断基準から誘導されています。
放射線を測るGMサーベイが無いときの緊急避難措置
(アロカ社としては推奨しないそうです)
NaI(Tl)シンチレーション・サーベイメータ
型式 | 口径 | 13kcpmへの換算値 | 100kcpmへの換算値 |
---|---|---|---|
TCS-171,172 | 25mmφ | 0.29μSv/h | 2.2μSv/h |
TCS-161 | 25mmφ | 0.29μSv/h | 2.2μSv/h |
電離箱式サーベイメータ
型式 | 使用法 |
---|---|
ICS-331,321,323 | 大きな表面汚染の有無のみがわかります。 手順:キャップをして指示値を読みます。 キャップをはずして有意に振れる時は (1μSv/h以上)、除染をして下さい。 |
ICS-311,313 |
サーベイメータ型式で***B,***Cと銘版に記載されていても性能は同じです。親型式を参照下さい。
謝辞
アロカ株式会社の情報提供に感謝申し上げます。
FAQ
100,000 cpmの除染基準が一般住民の体表面汚染に対する除染の基準である 1μSv/hに相当するとはどういうことですか?
cpmは計数率の単位で、どれだけの数の放射線を計測したかを示しています。
どれだけの放射線を計数するかは、線源条件と測定器の条件などで決定されます。
また、線源条件が決まれば、その周囲の線量当量率が決まります。
なお、測定器で計測される線量当量率は、測定器の応答特性にも依存します。
計算例
直径5cmの検出器の面積:約20 cm2
100,000 cpmに該当するフルエンス:5×103[cm-2 min-1]=3.E×105[cm-2 h-1](本来は計数効率を考慮する必要がある。β線の計数率から、同様に放出される光子による空気カーマを考える)
0.6 MeVの光子でのフルエンスから空気カーマへの換算係数:2.84 pGy cm2
そのフルエンスに相当する空気カーマ率:0.9μGy/h
それぞれの係数の出典
日本アイソトープ協会.アイソトープ手帳10版
参考資料
国際原子力機関 (IAEA) 「放射線緊急事態の初期対応者へのマニュアル」
IAEA Manual for first responders to a radiological emergency
74ページSkin and clothing contamination criteria for determining if decontamination is warranted
For use by first responder monitor:
> 1 μSv/h at 10 cm (Instruction 5)
Related criteria (for use by radiological assessor only):
> 10000 Bq/cm2 beta/gamma contamination
> 1000 Bq/cm2 for alpha emitters
検出器と測定対象物の距離はどうするのがよいですか?
通知ではシンチレーションサーベイメータでは検出器(の実効中心)と測定対象物の距離を10 cmとするようにありますが、GMサーベイメータでは距離の記述がありません。GMサーベイメータも10 cmの距離を離すのがよいですか?
GMサーベイメータとシンチレーションサーベイメータでは同じ核種を測定する場合でも、主に測定対象とする放射線の種類が異なっています。GMサーベイメータでは検出器の窓と測定対象物の距離を1cmとするのが標準的とされています。
計数率と線量当量率の関係
cpmと線量当量率の関係は汚染想定核種や汚染範囲や検出器の特性で異なり得ます。
表面汚染の検査に多く用いられる大面積端窓型 GM計数管の表示値と表面汚染密度の関係(AIST)(pdf file, 164kB)
除染の基準
除染の基準も最適化の産物なので、おかれている状況で適用すべき基準が放射線防護上は異なり得ます。
ヒトの除染の基準とものの汚染の基準
それぞれ最適化で基準が決定されますが、誘導シナリオは当然異なり得ます。
測定器によって値が大きく違うのはどうしてですか?
一般的なお話し
放射性物質からの放射線の発生は確率的(=いつその核種が崩壊するかは分からない)です。
また、検出器と放射線の相互作用も確率的です(=どこで電離エネルギーを失うかは確率でしか表現できない)。
このため、放射線の測定値は偶然に基づく変動を伴います。
また、装置の品質管理がなされていないと、測定値の不確かさが大きくなります。
測定する線量の種類の違い
同じ毎時シーベルトでもいくつかの種類があります。
このうち線量計に表示されているのは線量当量としてのシーベルトです(線量計に表示されないシーベルトとしては等価線量と実効線量があります)。
線量当量とは、体が受けた線量と「当量」になるような値を表示していると言うことです。
放射線は種類によって線量の与え方が異なっています。
例えばβ線は体の表面に集中的にエネルギーを与えますし、エネルギーが比較的高いγ線は、体の中にも透過してそこで線量を与えます。
前者は表面から70 μmの深さの線量(=70 μm線量当量)で表現し、後者は表面から深さ1cm(=1cm線量当量)での線量で表現します。
降下物のうち、I-131のCs-134, Cs-137は壊変(原子核が変化し放射線を出すこと)の過程でγ線だけではなくβ線を出します。
薄い窓の検出器を使うとβ線が効率よく測定することができるので、70 μm線量当量として評価できることが考えられます。
β線が飛んでいるところでは、70 μm線量当量と1cm線量当量の違いが大きくなります。
このような汚染が皮膚についた場合には皮膚はβ線による線量を受けることになります。
受ける線量の大きさは付着した汚染の程度などによります。
非政府機関による政府機関の測定の検証例
福島訪問──その2 空間線量率測定の結果について
詳しく説明されています。
御遺体の取り扱い
東京電力福島第一原子力発電所災害に係る避難指示区域内の御遺体の取扱について(pdf file, 102kB)