用語
ふ/D
風評被害(仲買人による買い控え) damage caused by negative reputation, harmful rumor
economic damageとdiscriminationをもたらすとされる。
わずかではあるかもしれないがリスクの増加をもたらしうる面を軽視すべきではないとの意見もあるが、リスクの程度は推計できると考えられます。
- リスクを避けようとする行動は合理的
- 情報の非対称性も意志決定に影響を与えうる
- 非対称性の改善には情報が伝わることが必要になるところ
- 用語の利用は社会的要因とも関係する
- 用語を用いる意図が何であるかもコミュニケーションの理解のために必要になる
原子力災害でも社会的課題に
「風評被害」という用語の用いられ方の分析例
荒井 文雄.「風評被害」のプロトタイプ意味論
「風評被害」という用語を使うことの背景とは?
原子力災害での社会的課題として認識されているものとして風評被害がある。吉川肇子は、食の風評被害の定量化に関する実証的調査研究で、「風評被害」という用語を使う構造について論じており、その実像を元に問題解決にあたるべきと主張している。
文献
食の風評被害の定量化に関する実証的調査研究
「風評被害」のフレームワークへの疑念
消費者の行動を問題視することで加害者責任を回避しているのではないかと受け止められていることがあります。
* 加害者と被害者の構造への影響
* 何もないところの被害とは言えないという思い
消費者の義務
食育基本法
『人々の心理・消費行動』を想像することによる被害?
その考え方に沿ったものとして、関谷直也は風評被害とは何か?考えられる対策とは何か?を論じている。検討の結果、風評被害は、『「人々は安全か危険かの判断つかない」「人々が不安に思い商品を買わないだろう」と市場関係者・流通業者が想定した時点で、取引拒否・価格下落という経済的被害が成立する。』する『いわば「『人々の心理・消費行動』を想像することによる被害」』として、流通業者・関係者へのアプローチを推奨している。
文献
関谷直也, 「「風評被害」の社会心理―「風評被害」の実態とそのメカニズム―」
関谷 直也.東日本大震災後の不安と情報行動(<特集>災害と情報)
関谷 直也, 東京電力福島第一原子力発電所事故後の水産業と汚染水に関する現状の課題, 学術の動向, 2019, 24 巻, 7 号, p. 7_32-7_43
参考資料等
福島県
NASAKE - Fukushima Sake Story -
NASAKE2 Fukushima Sake Story
福島県風評・風化対策強化戦略について
チャレンジふくしま消費者風評対策事業
風評・風化対策の強化【戦略に基づく取組状況】(H28.4.20)
観光客入込数と教育旅行の推移
H28年度は観光客入込数は92%に回復し教育旅行も61%に回復。
ふくしま 知らなかった大使
「ふくしまプライド。」を全世界へ伝えるアニメ「食べちゃったっていいのにな!」の配信について
食べちゃったっていいのにな!
2018年度福島県のタイにおけるプロモーション活動について
ふくしま県GAP(FGAP)認証制度
FGAPは、農林水産省の「農業生産工程管理(GAP)の共通基盤に関するガイドライン」に準拠し、放射性物質対策を含めた本県独自の基準に基づき、GAPを実践する生産者、団体を県が認証する新たな制度です。
公益財団法人福島県観光物産交流協会
ホープツーリズムとは
浪江町議会
浪江町居住制限区域の米の配布自粛を求める意見書(平成26年6月17日)
農林水産省
福島県産農林水産物等の販売促進に向けた取組について
福島県産農林水産物の風評払拭対策協議会
令和2年度福島県産農産物等流通実態調査結果について
福島県産農産物等の販売不振の実態と要因を明らかにするため、福島県産農産物等の生産・流通・販売段階の実態を調査しました。
令和元年度福島県産農産物等流通実態調査結果について
福島県産農産物等の販売不振の実態と要因を明らかにするため、福島復興再生特別措置法に基づき、福島県産農産物等の生産・流通・販売段階の実態を調査し、取りまとめましたので、お知らせします。
平成30年度福島県産農産物等流通実態調査の結果について
福島県産農産物等の販売不振の実態と要因を明らかにするため、福島県産農産物等の生産・流通・販売段階の実態を調査しました。
全国と比較した統計データ
水産庁
水産業における復旧・復興の状況
内閣府
風評被害への対応
平成28年度 先駆的プログラム (国と地方とのコラボレーションによる先駆的プログラム) (地方消費者行政推進交付金)
復興庁
風評被害払拭に関する取組み
風評対策強化指針(平成26年6月23日)
風評対策強化指針のフォローアップ、平成27年6月4日
福島フードファンクラブ「チームふくしまプライド。」を設立します。
風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略 ポータルサイト
(復興庁)福島の風評の払拭に向けて「親子で学ぼう」(WEB動画イントロダクション)
復興庁 風評の払拭に向けて キャイーンの福島探訪記 完成
キャイ〜ンの福島探訪記 美味しい魚とスーパー科学に出会った
注釈
日本以外の国では自然放射線対策も講じられています。
基準値の比較ではフェーズの違いも考慮する必要があるでしょう(訂正例)。
経済産業省
福島県産農産物等流通実態調査結果に基づく指導、助言等を行います
東日本大震災からの復興に向けた福島県産品の販売促進に係る協力要請文書を発出しました(平成27年11月17日)
WTO上級委員会報告書の結果を踏まえた対応方向について
WTO
DISPUTE SETTLEMENT SYSTEM TRAINING MODULE
質問主意書
福島の風評被害に関する質問主意書
いわゆる「風評被害」に関する質問主意書
地方自治体
中核市市長会
国の施策及び予算に関する提言(令和3年5月)
4.原子力発電所事故に伴う風評被害対策について
原子力発電所事故に伴う風評が、農林水産物の販売や観光誘客等に大きな 影響を及ぼしており、この度決定された処理水に係る政府方針により、風評は さらに深刻になることが危惧される。
こうした経緯を鑑み、国は、責任をもち、かつ前面に立って、実効ある風評 対策を実施するとともに、風評を克服するため主体的に取り組む市や関係業 界等に対し、最大限の支援を行うこと。
詳細説明
原子力発電所事故に伴う放射性物質飛散により、原発事故被災地においては、農 地除染や放射性物質の吸収抑制対策の実施、出荷前の放射性物質検査の実施により、放射性セシウムの基準値を超えた農産物が出荷されないよう対策をとっているところである。
漁業は、沿岸漁業において、国の出荷制限魚種を除く魚種の操業が行われ、漁獲された魚は、漁協による自主検査後出荷されている。
しかしながら、農林水産物の販売額及び販路は未だ原発事故前の水準までに回復していないのみならず、放射性物質検査に係る費用や検査所までの持込み費用などについて、生産者が多大な負担を強いられており、また、水産物の自主検査は水揚げ 対象魚種の拡大等に伴い、さらなる検査体制の充実が必要となるなど、課題が多様化しているところである。
また、観光産業も入込客数が事故前の水準まで回復せず、深刻な損害を受けている状況にある。
国においては、令和3年度に福島県内の市町村等の創意工夫による「風評払拭」に向けた取組を支援するための交付金制度を新たに構築したが、今後も財政支援を継続すること。
加えて、放射線に関する正しい知識や食品中の放射性物質に関する検査結果等 が必ずしも国民一般に対して十分に周知されていなかったとの反省に立ち、平成29 年12月12日に「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」を策定し、政府全体の 戦略の下に各府省庁が、連携して取組を実施しているところであるが、引き続き、早 期に国内外における風評が払拭されるよう、強化戦略を踏まえ、より効果的な取組を進めること。
令和3年4月13日に、国は多核種除去設備等処理水の海洋放出方針を決定したが、 国内外に安全性が正しく理解されなければ市民が風評被害を被ることは避けられない。方針を決定した国が、責任をもって、自らが前面に立って風評対策を実施するとともに、風評を克服するため主体的に取り組む市や関係業界等に対し、最大限の支援を行うこと。
埼玉県
H29年度には福島県への修学旅行が半分にまで回復
目黒区
第38回目黒区民まつり
子どもがふみだす ふくしま復興体験応援事業 1次採択団体一覧表
民間機関
smartcitymove
ふくしま応援企業ネットワーク
生協
福島被災地スタディツアー
疫学研究を巡って
Voice from Fukushima:responsibility of epidmiologists to avoid irrational stigmatisation on children in Fukushima
データとその解釈の質の確保
Combating Fake News and social stigma after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant incident - the importance of accurate longitudinal clinical data
解決に向けての戦略は?
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放射線を心配なさっておられる方々は、この議論を受け入れられるかしら… |
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「理解しない消費者が悪い」と整理するのは、「風評被害」の分析とは一致しない… |
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そんなことよりも、事故は起きたのであり、何もなかったようにするのが納得できない… |
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事故によるインパクトはあるけれども、「安全」は確保されている |
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多くの方々が応援下さってはいる… |
風評被害と情報発信、情緒と科学
小山良太.福島県産品に対する風評の実態と農業再生に向けた取り組み
五十嵐泰正.原発事故と「食」
報道例
終わらない風評被害 「安全なのに売れない」福島のコメ
今年産米JA概算金 原発事故前水準に回復 県内全域需要反映、仮払金増へ
過去の事例
よみがえった美しい水と豊かな大地~イタイイタイ病に学ぶ~
検討例
(公財)日本都市センター
自治体の風評被害対応 ~東日本大震災の事例~
社会調査の分析
Yamaguchi, T.; Horiguchi, I.; Kunugita, N. Factors Associated with Refraining from Purchasing Foods Produced in Affected Areas after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Accident. Int. J. Environ. Res. Public Health 2022, 19, 3378
報道発表資料での問題
福島県.双葉病院についての記者発表に関する事実関係とお詫び
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