甲状腺は頭頸部領域で最も放射線感受性の高い臓器の一つです。
甲状腺は口内法X線撮影時に頻繁に散乱線に曝され、ときには一次線束に曝されます。
30歳以下の人はそれ以上の人より放射線誘発甲状腺がんのリスクが高く、この年代の人に口内法X線撮影を行うときは甲状腺カラーを使用すべきであるという人がいます。
しかし、口内法X線撮影では矩形絞りを採用したときの甲状腺の防護効果は、甲状腺を鉛で遮蔽した場合と同一のレベルであろうし、加えて、さらに他の線量低減効果もあります 。
甲状腺遮蔽はパノラマX線撮影法では一次線束を妨げる可能性があるので不適切です。
頭部X線規格撮影法における鉛の甲状腺防護は、もしX線束の絞りが甲状腺を避けれないならば必要です。
頭部CT撮影時には甲状腺遮蔽は45%の放射線量を低減することが認められており、特に若年層には強く推奨されます。
出典
欧州委員会.歯科X線検査の放射線防護に関するヨーロッパのガイドライン:歯科診療における安全なX線の利用のために (日本歯科放射線学会による日本語版)
コーンビームCTの場合
When one thyroid collar was used tightly on the front of the neck, the effective organ dose to the thyroid gland and esophagus were reduced to 15.9 µSv (48.7% reduction) and 1.4 µSv (41.7% reduction), respectively. A similar organ dose reduction (46.5% and 41.7%) was achieved when CBCT scanning was performed with two collars tightly affixed to the front and back of the neck.
出典
Hand Held装置

左側が後方散乱シールドありで右側が後方散乱シールドなし。
アニメーションはこちら。
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