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用語 し/P
子孫核種
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結局のところ疑問点は何に集約されそうですか? |
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半減期の短いTe-132/I-132については、少なくとも吸入分は肺に滞留するので、体内での壊変数と体外での壊変数にそれほど大きな差があるとは思えない。このため、内部被曝の動態モデルに従って体内で壊変すると、体外で壊変するより推計線量が大幅に少なくなるのは納得しがたい、というところです |
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納得するためには何が考えられるとよいのだろう… |
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納得するためには、2007年勧告モデルでは、Te-132/I-132の血液や各臓器での吸収線量が現行モデルと比べてどのくらい変わるかを知りたいです |
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実効線量として試算した例が示されています。Te-132は74ページです |
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「本試算は、wR及びwTの改訂による線量係数等への影響を調べることが目的であるので、1990年勧告で用いられたMIRD型ファントムに基づく吸収割合データから計算されるDT, Rを用いてHT及びEを計算した」とありますので、血液の配分は変わっていないのではないでしょうか |
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線源臓器と標的臓器をより細かく細分化して、代謝モデルもより精緻にして推計して欲しいということでしょうか?ざっくりと考えた場合に、どうなりそうか予想できませんか? |
| 核 種 | organ | Time after intake | ||
|---|---|---|---|---|
| 1 day | 7 days | 30 days | ||
| I-131 | ET Airways | 6.2E-09 | 8.4E-09 | 8.6E-09 |
| Lungs | 1.8E-09 | 2.0E-09 | 2.0E-09 | |
| Thyroid | 2.5E-07 | 1.8E-06 | 3.2E-06 | |
| Te-132 | ET Airways | 1.8E-08 | 2.8E-08 | 2.8E-08 |
| Lungs | 1.3E-09 | 2.9E-09 | 3.3E-09 | |
| Thyroid | 1.8E-07 | 6.4E-07 | 7.8E-07 | |
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ICRP2012のドラフト(Occupational Intakes of Radionuclides Part 3)(P.46~) を読み直してみたのですが、吸入についての主な文献はBalonov論文でした |
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Balonov先生らはチョルノービリ事故時にデータを取られ、それを整理して発表されており(Contributions of short-lived radioiodines to thyroid doses received by evacuees from the Chernobyl area estimated using early in vivo activity measurements)、ICRPなどでもその成果が反映されています。 |
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肺からのクリアランスは血液、粒子のデフォルト値は、「Thus the results are consistent with assignment to default Type M, although they indicate faster absorption than assumed by default. Given the uncertainties involved, specific parameter values are not recommended here for tellurium accidentally released from a nuclear reactor」となっています |
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テルルの代謝モデルの確立は東電福島第一原子力発電所事故前でも課題となっていて、検討されていた例があります。 |
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「胃腸管吸収率は成熟ラットで15-20%、哺乳期ラットではほぼ100%が胃腸管から吸収された。」とあるのが気になります。このような地道な研究が必要ですね。現在のデフォルト値ではI-131とTe-132の粒子の甲状腺等価線量係数は32倍違いますので、肺からはほとんど甲状腺に到達しないモデルになっているようです |
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「I-131の経口の実効線量はTe-132の約5倍ですが、これは娘核種(I-131)のβ線2倍(I-131のベータ線の平均エネルギーは 181.9[keV]であるのに対して、I-132のベータ 線の平均エネルギーは485[keV])、γ線6倍のエネルギー差は考慮されているのでしょうか?」という疑問をどう考えればよいのかしら |
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シミュレーションして考えてみられるのはいかがでしょうか |
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例えばどうやって考えるのがよいですか? |
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Te-132は、半減期が3.204[d]ですので、1[Bq]のTe-132は、原子の数としては4.0E+05個となります。Te-132がすべて体内に取り込まれ、それが甲状腺内ですべて壊変すると仮定すると、1[Bq]のTe-132の体内摂取で甲状腺内に与えられるベータ線によるエネルギーは、約3.7E-08[J]となります。甲状腺の質量を10[g]と仮定すると、1[Bq]のTe-132の体内摂取で体内に4.0E+05 個存在することになるI-132の全ての壊変により甲状腺に与えられるベータ線による吸収線量は、4[µGy/Bq]程度と考えられます |
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同様にI-131の場合だと、I-131は、半減期が8.02[d]ですので、1[Bq]のI-131は、原子の数としては1.0E+06個となります。I-131がすべて体内に取り込まれ、それが甲状腺内ですべて壊変すると仮定すると、1[Bq]のI-131の体内摂取で甲状腺内に与えられるベータ線によるエネルギーは、4.9E-08[J]となります。甲状腺の質量を10[g]と仮定すると、1[Bq]のI-131の体内摂取で甲状腺に与えられるベータ線による吸収線量は、5[µGy/Bq]程度と考えられますね |
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そのような推計結果を線量換算係数と比較してみてはいかがでしょうか |
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Te-132を1Bq摂取した場合のI-132による甲状腺の線量とI-131を1Bq摂取した場合の甲状腺の線量を比較すると、全て体内に摂取され、そ れぞれの放射性ヨウ素が全て甲状腺に集積した場合には、I-131による線量が2割程度高くなるということですね |
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消化管吸収割合はヨウ素は1に対して、テルルは0.3が与えられているので、そこそこ合っているような気もする |
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推計結果を線量換算係数と比較すると、経口の預託等価線量係数(成人)は甲状腺に対して、I-131が4.3E-07[Sv/Bq] 、Te-132が3.1E-08[Sv/Bq] なので、I-131とTe-132の違いは単位Bqあたりで13.9倍で全ての壊変が甲状腺内でおこると仮定すると1壊変あたりで5.5倍になります。一 方、Te-132の消化管吸収割合0.3を考慮すると3.3倍で、それにI-132のβ線のエネルギーがI-131のベータ線のエネルギーの2倍であることを考慮すれば1.6倍になるはずです。5.5倍と1.6倍の差は、動態モデルの違いなのでしょうか?γ線のエネルギー差はどうなっているのでしょう? |
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この推計からは、Te-132が壊変してできるI-132の壊変が甲状腺内で起きる確率は、I-131に比べると1/3程度になりそうです。体内に吸収さ れたTe-132の行き先は、膀胱に排泄されるか、他の臓器に移行するか、梁骨と皮質骨の表面にそれぞれ移行するか、腎臓に移行するか、 Upper large intestine内の内容物、甲状腺に移行するかになっているようです |
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β線のエネルギーの違いが考慮されているのなら、Te-132/I-132の壊変が甲状腺内で起きる確率がI-131に比べると1/3程度、考慮 されてないとすれば1/6ということになりますね。I-132はそれだけしか甲状腺に到達しないと考えられているのだと思いますが、到達しなかったI-132は血液中か膀胱で崩壊してI-131の6倍のγ線が体のどこかを通るのではないでしょうか?1日に何回もトイレに行くわけではないので、半減期の長い核種より体内で崩壊する確率が高いと思うのですが… |
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甲状腺に到達しなかったI-132は、Te-132として取り込まれた臓器内か、血液中か、膀胱か、それ以外の体内か、体外かで壊変することになります。 血液中に出てきたI-132は、甲状腺に取り込まれるか膀胱に行くというモデルになっています。線源臓器としての血液は想定されていません(追記:明示的には想定されていないという意味です)。膀胱内で壊変した場合に1MeVの光子が甲状腺でエネルギーを失う割合は、10歳だと 1.7E-6となっています |

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血管内でのI-132などの壊変に由来した線量の寄与を考えてみられるとよいかもしれません |
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血中のI-131の半分が甲状腺に蓄積され、半分が尿から排泄されるとすると、ICRPの係数からするとTe-132/I132は半分の1/3が 甲状腺に蓄積され、残りが尿から排泄されますね。どちらも1Bqあるとすると、原子数はI131は50万が甲状腺、尿から排出が50万、Te-132/I-132は6万が甲状腺、尿から排出が34万です。I-131は大半が壊変前に排出されますが、Te-132が壊変してできたI-132は、40万回壊変のうち、体内でTe-132からI-132に壊変した分については大部分が体内(ほとんどが血中か膀胱内の尿中で)で崩壊するはずです。γ線のエネルギーはI-131に比べるとI-132では6倍ですので、I-131換算では200万壊変分のうちTe-132のまま体外に排出された分を除いたものに相当するγ線エネルギーが体のどこかを通ることになります。これをノーカウントにしてしまっていいのでしょうか? |
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壊変場所がどこであるかは線量推計では重要だと思う。1990年勧告で使われたモデルでは、血液は線源臓器として明示的には示されていませんが、膀胱内は線源臓器として想定されています。1BqのI-131は100万回壊変を意味し、1BqのTe-132はI-132としても40万壊変を意味します。この40万壊変で1壊変あたり放出さ れるエネルギーが大きくなることの考慮と、その壊変が体内で起きるかどうかの吟味(Te-132のまま体外に排出されるとI-132からのエネル ギーが与えられないことになる)がポイントになるのではないかしら |
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体内で壊変した核種からのガンマ線がどこでエネルギーを失うかは、モンテカルロ計算ツールを使って実験してみるとよいのではないかしら |
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ICRPの動態モデルでは、Te-132: 1Bq は何BqのI-132になるとして計算しているのでしょうか? |
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Te-132のうち、線量評価で考慮しているI-132は、Te-132だったときに体外に排出されていない(この分は、Te-132による線量としても 考慮されていない)、I-132になった後で体外に排出されていないではないでしょうか |
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コンパートメントモデルが、各コンパートメントでの滞在時間と崩壊数&エネルギーから計算しているということは、飲み込めてきました |
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理解が進んでよかったです。次に吟味するのは、そのモデルで使っているパラメータ(母数)の妥当性ですね |
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こちらの「母数」は用語の使い方が適切ではないと思う |
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HATMの口腔と食道は物質の通過が早く、血中の放射能からの線量がメインとなるため、この仮定は妥当であるという表現もあるので、血液が線源臓器として設定されていることもあり得るように思う。全身の血液を線源臓器として設定することを議論している論文もありました |
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同様の論文もありました。血液を線源臓器としてS値を計算する場合に精度を上げるには、全身での血液分布設定の精度をよくする必要があるのかもしれません |
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ICRP Publ.30の段階でも通過コンパートメントは線源臓器としても扱われています。ただし、体内での血液分布の不均一性は考慮されていません |

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JAEAの解説 には「光子の場合の線源器官から標的器官への放射線の吸収割合は、数学的ファントムを用いて、モンテカルロ法により求められる。」とありますので、各標的器官に線源器官から飛んでくるγ線やβ線の線量を計算するということでしょうか |
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理屈はそうだと思う |
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ICRP Publ.30では寄与が1%以上の線源臓器のみが示されていましたので、それ未満の寄与の臓器からの線量は自分で計算する必要があったようです |
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ICRP Publ.30の3.3.3で解説されている、その器官での変換数+通過コンパートメントの変換の一部、というのはそれとは別に計算するのでしょうか? |
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線源臓器への壊変数は、臓器の細胞内での壊変数と臓器内を循環する血流中での壊変数から成り立つと言うことではないかしら |
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DCALではBloodが線源になっているそうです。マニュアルにも明示されています |

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個別の「血管」が線源臓器として、それぞれ設定されていないけれども、血液が、「身体のすべて器官または組織に均等に分布する」ということですね |
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ICRP 110ではBloodも線源になっていると小児科医の方に教わりました |

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物理ファントムがより精緻になって、体内の分布も考慮しようという試みですね。放射線治療は小児科領域でもさらに進歩しつつあるので、勉強熱心に小児科医 の方にセンスよく考えてもらえるのは心強いですね |
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外部被ばく線量の評価を考えると姿勢も重要な気がする |
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臓器の位置だけではなく、組成や材質?(筋肉とやわらかい組織の違いなど)も考慮されているのでしょうか? |
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計算の質もよると思うけど、元素組成や密度は自由に設定できるはずです |
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筋肉と軟組織で、これらの設定を変えているかどうかは、計算方法の記述で確認できると思います |
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ボクセルファントムでは材質も考慮しているようですね(TableA-2 List of materials, their elemental compositions(percentage by mass) and densitiesofJM-103) |
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ボクセルファントムでなくても材質は一定程度考慮します(何かを仮定しないと計算できないので)。 |
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それぞれ違うかどうかに興味があるみたいです… |
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ICRP110のBloodの節によると ICRP89では血液は各臓器のelemental tissueの一部として扱われているようです。現在の係数はこれに基づいているということでしょうか |

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血液の不均一分布を考慮しようという発想に基づいた方法ですね。日本の法令は2014年10月現在、ICRP 60に基づいていますので、2014年10月現在の法令の係数はこれに基づいてはいないと思います |
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血液が豊富な臓器だと2014年10月現在の法令の係数では過小評価していそう… |
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Body_tisは線源が全身(全臓器?)に均一分布していることを想定しているのではないでしょうか? 臓器質量/70kg分の血液がその臓器のbody_tisにあるとしているのかもしれません |
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TableC-4 Source probability of blood source of JM-103やTableC-5 Source probability of total body tissues source of JM-103はどう思われましたか? |
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こちらは2007年勧告対応ボクセルファントムの場合ではないでしょうか。血液線源は臓器に含まれる血液の割合で計算しているようですが、「全身組織線源」というのは結局何なのでしょうか? |
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TableC-5 Source probability of total body tissues source of JM-103にあるとおりではないでしょうか |
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血液が線源になっているとしても、I-132もI-131も同じ動態モデルを使っています。血液からは甲状腺が30%、排泄70%になっていますが、たとえば半減期25分のI-128は70%体外に排泄される前に壊変するものが多いと思います。動態モデルの計算式ではその点は考慮されているのでしょうか |
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速度定数は、同位体には依存せず、元素に依存し、その時に線源臓器内にある放射性物質の内、どの割合が、別の臓器に移行するかを示しています。例えば、ヨウ素の血液からの移行は、INDESで採用されている新動態モデルでは、年齢に依存せず、甲状腺へは0.83178[d-1]、膀胱へは1.9408[d-1]で移行します |
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血液から移行するものは、膀胱に75%、甲状腺に25%移行するということで、同位体によって血液から移行するものの割合が異なるのですね。血液中でTe-132からI-132に壊変してもI-132が甲状腺に摂取されるまで時間がかかるのではないでしょうか |
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他のコンパートメントへの移行で考えると移行するもののうち甲状腺へは25%が移行しますが、血液内での壊変速度がより早いので、甲状腺に移行する成分はより小さくなります。相対的な速度で考えると甲状腺への移行スピードが遅いということになるのかもしれませんが、放射性ヨウ素がどれだけ甲状腺に移行するかはそれぞれの同位体の物理的な半減期にも影響を受けることになります |
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「速度定数は、同位体に依存」しなくてよいのでしょうか?1999年の放医研報告書の評価モデルの解説は見つけたのですが、P6-7の計算式の意味が理解できません |

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P6の図では、半減期25分のI-128も70%膀胱から排泄されるように見えますが、70%のうち多くは通過コンパートメントで崩壊してXe- 128として膀胱に到達すると思われます。この行列で計算すると、同位体の半減期に応じて通過コンパートメントと甲状腺、膀胱、その他臓器の壊変数を正しく計算できるのでしょうか? |
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速度定数は、その時に線源臓器内にある放射性物質の内、どの割合が、別の臓器に移行するかを示しているという説明だと理解できませんか? |
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「通過コンパートメント」の中での壊変の扱いの疑念であれば、極端な例で比べてみるのはどうかしら?半減期の違いが大きい同位体間で消化管の壁への線量を比べてみるとよいと思う |
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半減期が3.78[y]のTl-204と4.200[m]のTl-206で比べてみます。ベータ線のエネルギーはTl-206の方が倍程度高いです |


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胃壁と大腸下部壁の線量係数の比の違いが、消化管内で壊変する割合に影響を受けていると言うことですね |
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腎臓での処理速度や再吸収率によると思いますが、放射性医薬品の解説の薬物動態の部分を読むと、I-131の尿中への排泄は「24時間で投与量の22.3~74.3%」、I-123 は「4時間後までに投与量の30~40%、24時間後では平均で66%が尿中に移行した」となっています |
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I-131を血管内投与した場合の各臓器の等価線量とは少なくない違いがあるので、放射性医薬品のような特殊な化学形の場合とは単純に体内挙動が比較できないように思いますが、24時間までで半分程度が尿中に排泄されると考えてもよさそうです |
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安定ヨウ素剤として使われるヨウ化カリウムの薬物動態も「投与後24時間以内に65%~80%が尿中にあらわれる」とありました。放射性ヨウ化ナトリウムは「正常の甲状腺は24時間後20~30%を摂取し、残部は尿中に排泄」です。微量のヨウ素でも摂取率が同じなのであれば、I-131のほうがはるかに排泄される量が多いように思いますが... |
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「はるかに」の定義と、甲状腺への線量を安全側に推計するかそうでないかのアプローチにもよるのではないでしょうか |
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成人の血液量が4.5L程度、膀胱の容量が500ml程度。I-132は数時間内に崩壊することを考えれば、7-8割が血液中で崩壊するかもしれ ません。体内動態モデルはI-131もI-132も同じではないでしょうか? |
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単位時間毎の体内や臓器の残留量から、どこでエネルギーを失うかが評価できそうです。I-131とI-132では、体内動態モデルのパラメータは同じですが、その系に入ってくるときの条件が異なっています。「成人の血液量が4.5L程度、膀胱の容量が500ml程度」は何を検討しようとしていますか? |
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ICRP2012のドラフト(Occupational Intakes of Radionuclides Part 3) のTeの排出についての元論文は、家庭の主婦なので abstしか読めませんが、尿への排泄量から胃腸管の吸収量を推定している論文のようで、このデータからするとTe-132 のf1は正しいことになりますね。胃腸管内で崩壊するI-132のβ線とγ線はどうなるのかということになりますが... |
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経口摂取を考えた場合Teのf1は、ヨウ素よりも小さいということかしら。消化管内の内容物は、線源臓器として考慮されているようです |
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I-132の崩壊は血管内と膀胱内が半々くらいでしょうか?いずれにせよ大半が体内で崩壊すると思います。Occupational Intakes of Radionuclides Part 3のドラフトでは、Teのボランティアへの経口投与実験で「The three-day urinary excretion varied between 3 and 25%」という1991年の論文が載っています。Te-132のほうがI-131より排出が遅いのではありませんか? |
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全身の残存量で 比較するのはいかがでしょうか |
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移行率の1/dはどういう意味でしょうか? |
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速度定数ではないでしょうか |
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移行速度定数とはたとえばblood→UB content は1/1.94で、約12時間で移行するという意味でしょうか。 |
出典:原子炉事故時放射線影響解析で用いるための内部被曝線量係数」 日本原子力研究所
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教科書を読んでみると、移行速度定数は1/1.94[d-1]ではなく 1.94[d-1]ですね。半減期は、0.36日になるので、12時間だと62%が初期にあった血液中から膀胱に移行ですね |
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速度定数1.94[d-1]と移行する割合の%の関係がよくわかりません |
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評価時間内に移行する確率だと考えると、一日で1.94移行すると言うことは、一秒間あたり、2.24E-05移行することになると思う。移行ではなく、 壊変だと考えると半減期0.357日の放射性物質と同じですね |
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そもそも1/dという概念が理解できません..... |
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薬学部の学生さんだと誰もが理解なさっていると思います。壊変定数の概念はつかめましたか? |
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0.693÷半減期と覚えただけです。速度定数は、コンパートメント間の移行の速度を濃度が半分になる時間で表しているということでしょうか? |
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速度定数が1.94 [d-1]ということは、毎秒あたりだ2.245E-05 [s-1]となるので、一秒間あたり2.245E-05の割合が、その速度定数で示されるコンパートメントに移行するということですね |
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速度定数= 0.693÷半減期を使うと半減期はどうなりますか? |
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間違えました。「速度定数は、コンパートメント間の移行の速度をBq数が半分になる時間で表しているということでしょうか? |
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Bq数は、単位時間あたりの核種の壊変による変化数で、速度定数は、単位時間あたりのコンパートメント間の移行による変化数ですね |
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移行の速度が分画毎に違う場合にも対応したソフトウエアの例です |


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『transfer rateが1/1.94(単位は?)で、約12時間で移行する(どれだけの割合が?)』とは、どのように考えたのですか? |
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単位が逆数というのがわからないので割ってみただけですが、この定数をどのような式に入れるのでしょうか? |
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移動速度が濃度に比例するというモデルでこの比例定数にあたります |
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能動輸送か受動輸送によっても違うのですよね? |
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受動輸送を再現する場合には、コンパートメント間の濃度の違いが速度に影響を与えるモデルとする必要があるでしょう |
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JAEAの資料の体内動態図には臓器に移行する割合%と、half dayで記載されているものもありますが、同じことでしょうか |
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教科書を読んでみると、移行率と半減期は、同じ情報を持つものだと思う |
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放射性同位体だと壊変定数と半減期の関係と同じですね |
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内部被曝線量評価システムのTe-132とI-131のKidneyからの移行率はどうなっているでしょうか? |
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テルルはそこから排泄されるのに対して、ヨウ素は血中に戻ってくるというモデルになっているようです |


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テルルは腎臓に蓄積するのではないでしょうか? |
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このようなデータと比較するのはいかがでしょうか? |
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I-132の崩壊は血管内と膀胱内で半々程度と考えてよいのではないでしょうか |
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Te-132摂取時にI-132が体内で崩壊する確率はI-131摂取時にI-131が体内で崩壊する確率よりも大きく、血管内での崩壊も無視できないと思います。末梢血中の血球細胞へのエネルギー付与はリスクを考える上では無視してもよいのかもしれませんが、毛細血管では血管壁細胞や血管壁周囲の細胞核へのβ線によるエネルギー付与も問題となるのではないでしょうか |
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半径3mmの血管内でI-131が壊変したことを想定した場合の、血管内皮細胞の吸収線量推計例です。長さは5cmで計算しています |


電子の飛跡

光子の飛跡
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移行コンパートメントでの壊変割合が多い場合は、血管壁細胞へのエネルギー付与の検討の重要性が相対的に増すのではないか?という疑問は、その通りではないでしょうか |
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きちんと評価してくれないと納得できない気分です… |
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甲状腺への吸収線量へのTe-132の寄与を考えるには、吸い込んだり食べたりしたTe-132の比、 f1の比、体外排泄される比、甲状腺に取り込まれる比などを考えれば良さそうね |
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事故時での空間線量率の寄与ではTe-132によるものが大きく、無視できない気がする。空間線量に7割寄与するTe-132が吸入だと数%なんだ? という素朴な疑問を誰か解決して欲しい… |
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疑問を持つことは大事なことで学習の重要なモチベーションになると思う。頑張って勉強したら疑問は解決するのではないかしら |
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知識を増やすと解決する疑問は対応が楽ですね…。では、引き続き考えていきましょう。Te-132は光子のエネルギーがより高くて、空間線量率には寄与しやすいはずです。炉内での存在量だとTe-132の原子の数は、I-131に比べて2割程度はありそうですね。吸収線量にどのような要因が影響を与えるかを定量的に考えるとよいのではないかしら |
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セシウムでの体内代謝を調べている古い例がありますが、このような データが東電福島第一原子力発電所事故での経験を経て、より質のよいデータに置き換わっていくとよさそうです |
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NCRP Report 80を読んでみましたが、記述はこれだけでした |

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元に戻ってしまいますが、外部被曝や内部被曝でも同じような寄与割合になりそうなものです。I-131は甲状腺に蓄積しますが、チョルノービリ帰国者や初期に福島で活動された方のデータからみて、Te-132が肺などに滞留する量&時間はI-131より多いはずです。崩壊数は 1/2.5ですが、I-132はβ線は2倍、γ線は6倍、体内で崩壊する分が多いことなどを考えれば、全身での被曝量はI-131を上回りそうなものでは? |
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預託実効線量係数は、adult member of the publicで、 Inhalation of particulate aerosol: AMAD = 0.001 micron, absorption Type M, f1 = 0.1で比較すると、 Te-132: 5.2E-09[Sv/Bq]に対して、 I-131:6.4E-09[Sv/Bq]となっています |
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「チョルノービリ帰国者や初期に福島で活動された方のデータからみて、Te-132が肺などに滞留する量&時間はI-131より多いはず」と言うことであれば、データを提示して、Human Respiratory Tract Modelの見直しを提案されるとよいのではないでしょうか |
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シミュレーション実験してみるとよいのではないかしら |
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計算コードの使い方が知りたいのではなく、その元となっているICRPの動態や代謝モデルが合っているのかを知りたいのですが...。ICRP 2007 年勧告の組織加重係数等に基づく内部被ばく線量係数、濃度限度等の試算(受託研究)はわかりやすくて参考になります |
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ICRPの動態や代謝モデルが合っているかどうかは、実験的に検証するしかないように思いますが、それがどのようなものであるかは、シミュレーション実験 で試すのが手軽でよいと思う |
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では、Te-132の線量換算係数をTe-132から壊変してできるI-132による線量も考慮しているとされますが、ここで、ヨウ素として体内の代謝モデルは、どの程度結果に影響を与えていますか? |
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Te-132から壊変してできたI-132が、ヨウ素としての特性考慮した代謝モデルに従う場合と親核種と同じ挙動と仮定した場合での結果を比較してみるとよさそうです |
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では、ヨウ素としての特性考慮した代謝モデルに従う場合でTe-132の線量換算係数を考えてみましょう。「娘核種の代謝モデル」を「娘核種毎に異なる」とした場合で内部被ばく線量評価コード(INDES ver.4.1)を用いて計算してみます |

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10歳を選んで、他はデフォルト設定で計算してみます |

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代謝モデルのパラメータはどうなっていますか? |
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f1は、こうなっています |

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血液から他の臓器への移行は、こうなっています |

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臓器に取り込まれた後、どうなるかが気になります |
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甲状腺からと他の臓器からの移行は、こうなっています |


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ヨウ素としては血液から甲状腺への移行はどの程度あるのですか? |
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こうなっています |

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そのまま排泄に至ってしまうモデルであるようなので過小評価しないか心配… |
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そこは吟味のポイントになりそうですね |
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線量換算係数の計算の結果はこうなりました |

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type Mの吸入曝露での預託甲状腺等価線量は1.1E-08[Sv/Bq]で預託実効線量は4.0E-09[Sv/Bq]となっています |
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ヨウ素としての代謝モデルを使わない場合はどうなりますか? |

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type Mだと吸入曝露での預託甲状腺等価線量は5.9E-10[Sv/Bq]で預託実効線量は3.5E-09[Sv/Bq]となっています |
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Te-132から壊変してできるI-132は、ヨウ素としての代謝特性を考慮しないと甲状腺への線量を過小評価しそうです |
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内部被曝線量評価システムで出していただいた10歳児のTe-132(I-132を考慮した場合)の吸入曝露での預託甲状腺等価線量換算係数は、 Type Mを仮定した場合に、1.1E-08[Sv/Bq]とあるようですが、ICRP Database of dose coefficientsでは成人の場合に 4.3E-09[Sv/Bq]になっています。内部被曝線量評価システムでは成人の場合の預託甲状腺等価線量はどうなりますか? |

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内部被曝線量評価システムでは成人の場合の預託甲状腺等価線量換算係数は、デフォルト設定で4.3E-09[Sv/Bq]なので全く変わりがないようです |

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計算の条件は変えられるのですか? |
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粒子の吸入の場合には、粒子のサイズやサイズの分布を変えることができます。デフォルトは対数正規分布ですが、サイズを1μmに固定してみました |

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結果はどの程度変わりますか? |
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こうなりました |

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それぞれのパラメータが結果にどの程度影響を与えるかが推定できますね |
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呼吸の状態も変化させることができます。JAEAの[リポート](http://jolissrch-inter.tokai- sc.jaea.go.jp/pdfdata/JAEA-Data-Code-2010-020.pdf)では、DCALを使っています |

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Te-132の呼吸気道での線量換算係数を見ると、ET1(前鼻道)が高いのですが、鼻道で崩壊したI-132は吸収されないのでしょうか。 |
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ET1からのクリアランスでは、環境への排出のみが想定され、胃腸管への粒子輸送、リンパ組織への粒子輸送、血中への吸収は想定されていないようです |
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環境への排出の速度定数は1[d-1](=半減期17時間)となっているようです。この時間を変化させて 線量の変化を観察することもできます |

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その他、ET1とは直接関係しませんが、パラメータを変えることのできる例です |



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ET1からの吸収経路が見あたりませんが、Te-132/I-132粒子などがET1領域でも粘膜から吸収されて血管に入るのではないか、血管の線量は考慮しなくていいのか、皮膚より粘膜のほうが吸収しやすそうだが鼻血の原因にならないのかなど疑問が尽きません… |
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鼻腔からの物質の吸入は、経鼻吸収製剤の研究成果などが活用できるのではないかと考えてしまいます… |
第186回国会 175 「美味しんぼ」問題についての閣僚発言に関する質問主意書
参考(放射線被ばくと確定的影響の1つとされる疲労感、鼻血といった症状との関係について)
Q.東京電力福島第一原子力発電所の事故当時に、放射性物質が鼻の粘膜に付着することで、鼻血がでることは考えられますか?
鼻血がでる原因から、考えられる放射線の影響による鼻血のメカニズムまで
岡野 光博, プレナリーセッション: 放射線被曝を学ぶ, 日本耳鼻咽喉科学会会報, 2013, 116 巻, 10 号, p. 1159-1162
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消化管モデルは計算できるようになったので吸入も計算しようと思うのですが、Te-132とI-131の肺から血液への吸収率はどうすればいいでしょうか?日本保健物理学会「ICRP pub.66 新呼吸気道モデル」P.47の解説とP.53表6-2によると、Initial dissolution, Transformation,Final dissolutionに分かれているのですが、どのように区別するのかがわかりません。時間は決まっているのでしょうか? |
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日本保健物理学会のICRP Publication 66 新呼吸気道モデル概要と解説では、表6-2(P.53)(同様のもの(変換率はこちらにあります)が表8-9(P.85)にも掲載)に粒子状物質のデフォルト吸収パラメータが掲載されています。コンパートメントモデルは図10-1(P.99)に示されています |


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ご紹介ありがとうございます。DCALのマニュアルに子孫核種の扱いについて詳しい説明がのっていました.....がよくわかりません。コンパー トメントごとに崩壊系列の全核種の壊変数をカウントしているようですが、P.58 9.1に、ICRP30では「Iodine as a daughter of tellurium was assumed to be translocated instantaneously to the transfer compartment in inorganic form and then to follow the same kinetics as iodine introduced into blood as a parent radionuclide」とあります。これは肺や小腸で生じたI-132はすぐ血中に移行すると想定しているといことでしょうか? |
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テルルから、壊変したヨウ素は有機形ではない化学形でヨウ素と同じ挙動(あたかも、親核種としてのヨウ素のように)で血中に移行すると記述されています。線量推計は多くのパーツから構成されていて、呼吸器モデルを論じているICRP Publ.66では、子孫核種の扱いは取り上げられていません |
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ICRP Publ.30での扱いです |

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ガスの場合の吸収がよくわかりません。ORNL/TM-2003/207 Dosimetric Significance of the ICRP’s Updated Guidance and Models, 1989-2003, and Implications for U.S. Federal Guidancenにも記述がないようです。ガスだと即時に吸収されるのでしょうか? |
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その資料では、3.4.5. Changes in the treatment of gases and vaporsに解説があるようです。日本保健物理学会「ICRP pub.66 新呼吸気道モデル」では、ガス摂取モデルとして、摂取率は37ページで解説されています。ガス状ヨウ素(メチル化ヨウ素以外?)に関しては39ページに言及があります。摂取率の計算に必要な分配係数は表5-1(P.44)に記述されています |
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粒子は分けて計算し、ガスのほうはよくわかりませんのでType F粒子で比較しました |
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パラメータを変化させて結果を比較するのがよいと思うけど、わからないのはどこですか? |
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全線源器官から、標的器官以外のところに飛んでいったγ線は、実効線量には含まれないことになりますが、Te-132とI-132の崩壊数の大半がそうやって評価対象外になっているのではないでしょうか? |
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ICRP Publ.30の補遺では、「残りの組織とは,第3表の20の標的器官のうち, (1)問題にする元素の代謝モデル, (2)胃腸管モデル, (3)荷重係数の表(第2表)のいずれにも名があげられていない標的器官を総称する名称」となっているようです |
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全身を標的器官とはしなくなったのですね |
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残りの組織に対する組織荷重(→加重)係数(残りの組織とは組織荷重(→加重)係数が個々に与えられていない組織のことである。これの取り扱いについても種々の議論があるが、ここでは省略するとある資料もあるので、何かの議論があったのは間違いないと思いますが、どのような議論があったのかは判然としません |
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少なくとも、ICRPの2007年勧告では心臓も残りの組織に追加されています。 |
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ICRP Publ.30でも心臓は標的臓器とされているのだから、等価線量も求めるべきではないでしょうか |

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この表からはBody_TisやOtherが標的臓器として考慮されていないことは明らかだと思います |
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Heart_wallも冠動脈も、計算すらされていません。 |
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Heart_wallもターゲットとされています |
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SAFは計算されていても現在の係数には反映されていないと思います。冠動脈は線源になっていません。 |
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Heart_wallも線源臓器とした場合としない場合で比較できます |
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標的臓器の設定が不適切で線量を過小評価しているのではないかという疑問は、こちらにまとめています。 |

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上皮と、速い移行成分、遅い移行成分の速度定数はどの核種も同じということでしょうか。そもそも上皮と、速い移行成分、遅い移行成分はどういう基 準でどのように分けているのでしょうか?水溶性の粒子と難溶性の粒子とでは速度が異なりそうですが.. |
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デフォルトがどうなっているかは確認することができます |




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組織加重係数を変えて線量を推計できますか? |
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できます |

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デトリメントを変えて線量を推計できますか? |
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できます |

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臓器の質量が異なると同じ平均組織吸収線量でも臓器内のイベント発生数が異なると思います。臓器の質量は変化させることができますか? |
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できます |

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体内に取り込まれたTe-132から生成されるI-132は、半減期0.25日の通過コンパートメント内でほとんどが崩壊するはずです |
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I-132の物理学的半減期は2.3hなので、通過コンパートメントの実効半減期は1.8h程度となりそうです。ここでの「ほとんど」は何%程度ですか? |
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私は割り算しかできないので、半減期3回、血管内で6時間循環してから膀胱に移行するとすれば、血中で崩壊するのは10,000のうち8,750 です |
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かけ算と引き算を繰り返すと計算できるはずです |
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総壊変数だと血中で崩壊するものの割合は72%程度になりそうです |
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血管から移行の半減期を0.25日とするとI-132の物理的半減期が2.295時間なので、壊変定数の比では、28:72になることからの推測ですね |
I-132の物理的半減期は2.3時間であり、血中での生物学的半減期を6時間だとすると実効半減期は1.7時間程度となります。
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「総壊変数だと血中で崩壊するものの割合は72%程度になりそうです」だと残りの28%は甲状腺に行くことになるでしょうか? |
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血中で崩壊しないもののうち、7割は尿中排泄で3割が甲状腺なので、甲状腺に移行したものが甲状腺に留まり続ける として、8.4%が甲状腺で崩壊するのではないかしら |
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I-131の通過コンパートメントからの移行先の3割が甲状腺で、Te/I-132のうち体内に取り込まれたものの、甲状腺内での壊変が8.4%だとすると、I-131とTe/I-132の総崩壊数2500:1000の時に甲状腺崩壊分は750:84となり、I-131が8.9倍になると 思います。甲状腺への線量換算係数はI-131で1.0micro meterの粒子でTypeM、f1=1.0の場合に2.00E-08[Sv/Bq]でTe-132が1.0micro meterで TypeM、f1=0.1の場合に4.30E-09[Sv/Bq]で、I-131ではI-132に比べると4.7倍となりますが、I-132の方がI-131に比べて、γ線6倍、β線2倍のエネルギーの差は考慮されているのでしょうか? |
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通過コンパートメントでの生物学的な半減期を6時間とするとI-131の実効半減期は5.8時間で血管内での壊変割合は3%で、血管内で壊変しないもののうち甲状腺に移行する分の壊変数は29%で、甲状腺での生物学的半減期を80日とすると、このうち91%が甲状腺内で壊変すると考えられることから、体内に取り込まれたI-131とTe/I-132のモル数が2500:1000の場合には、I-131が7.9倍になりそうです |
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甲状腺内での1壊変あたりに甲状腺内で与えられるガンマ線のエネルギーは、I-132の方が4倍程度高くなりそうですので、体内に摂取した放射能あたりで 考えると、甲状腺内での総壊変数あたりに甲状腺内で与えられるガンマ線のエネルギーはTe-132だとI-131の半分程度になりそうです |
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ベータ線は一壊変あたりの放出エネルギーはI-132ではI-131の倍程度ですが、体内に摂取された単位放射能あたりの甲状腺内の総壊変数がI-132ではI-131に比べて1/8倍なので、体内に摂取された単位放射能あたりのI-132での甲状腺への付与エネルギーはI-131のそれと比べると1/4程度になります。I-131では甲状腺へのエネルギー付与では、ベータ線の寄与が0.9程度になりそうです |
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甲状腺での崩壊数はI-131がI-132に比べると7.9倍、エネルギーは1/4で、合わせると約2倍になりますが、TypeMの係数を比較す ると4.7倍なので、I-131の寄与がこの推計に比べると若干高め、ということになりそうです。2倍の差はどこからきているのでしょう。肺で崩壊しているのでしょうか? |
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肺で崩壊するか、肺以外で通過コンパートコメントに移行せずにクリアランスされて崩壊していることが考えられるのではないでしょうか |


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平均的成人日本人男性ファントムを用いた光子及び電子比吸収割合の評価のTable C-4に、血管の位置別に血液中の線源の発生確率が載っていました。 |
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この研究では、リンパ節の比吸収割合も計算されていますね |
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body tissueも線源になっているのですが、全身→標的臓器への線量をどうやって計算しているのでしょう? 位置の決まっている臓器→臓器なら計算できると 思いますが… |
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Table C-4 Source probability of blood source of JM-103の次がTable C-5 Source probability of total body tissues source of JM-103となっていて、本文中にも説明があります(10ページ) |
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heart content の線源発生確率が 2.985E-07、lung leftが3.199E-08、lung rightが3.076E-08であることから、血液中の崩壊数を比較すると、心臓の内容物での崩壊数は肺の細胞外液での崩壊数の4.8倍になると思いま す(2.985-07 ÷ 6.275-08=4.75なので)。臓器(body tissue)の重量は、heart wall 388g、lung left 584g、lung right 630g なので、心臓の重量は肺の1/3となり、相対的に4.8倍の放射線が質量1/3の臓器を通過し、ベータ線は臓器内で全てエネルギーを失うと考えると心臓のほうが14倍影響を受けるということはないでしょうか? |
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その計算だと心臓の内容物にエネルギーを与える分、心臓への線量が過大評価になるのでは… |
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心臓を半径6cmの球として、筋肉を比重1.2g/cm3で厚みを1cmとし、肺を半径7cmの球とし、その比重を0.5g/cm3として、心臓腔内での壊変数を片方の肺の2.4倍とすると、放射性核種としてI-131を想定した場合、心臓の筋肉の吸収線量は、肺の吸収線量に比べて、光子によるものが3.3倍、電子によるものが2.3倍となりました。 |
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心臓腔内での一壊変あたりだと心臓の筋肉に与えられるエネルギーは、肺での壊変による肺へのエネルギー付与の場合と比較して、光子では7.2倍、電子では 0.5倍となりそうです。 |
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「一壊変あたりだと心臓の筋肉に与えられるエネルギーは、肺の場合と比較して、光子では7.2倍、電子では0.5倍」なのに、壊変数2.4倍だと 「心臓の筋肉の吸収線量は、肺の吸収線量に比べて、光子によるものが3.3倍、電子によるものが2.3倍」となるのはなぜでしょうか。 |
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線量はそこに与えられたエネルギーだけではなく関心領域の質量にも依存します |
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セシウムの体内動態を考えた場合に骨髄はBody Tissue AなのかBなのかどちらなのでしょうか? |
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臓器別に分けておらず、それぞれの臓器で早く移動する成分と長く残る成分を分けているのではないかしら |
出典:原子炉事故時放射線影響解析で用いるための内部被曝線量係数」 日本原子力研究所
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線量を考える場合に、空気のほうが抵抗が少ないことも考慮した方がよいと思う |
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抵抗というより、相互作用確率だと思う |
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線量計算する際に、肺の空気を考慮したほうがいい、という議論をどこかで読みました |
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線量計算する際に、それを考慮すべきなのに、肺の空気を考慮していないということでしょうか? |
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ICRP110の組織53はAir inside bodyですが、それ以前はなかったのだと思います |
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LungのTissue Densityはどうなっていますか? |
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0.382 [g/cm3]ですね。スポンジのような?密度の薄い組織と、内部が空洞になっている場合とでは違うような気もしますが… |
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何が違いそうかしら? |
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空気を含んだ組織の場合と、内部が空洞の組織の場合に、放射線の飛び方がどう違うのかわかりません |
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違うものは何かしら? |
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エネルギーの吸収率は電子密度が問題だそうですので、内部が空洞の場合と組織自体が空気を含む場合とでは、密度が違うのではないでしょうか |
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空気を含んだ組織の場合(密度が0.384 [g/cm3]の空気を含む水とし、幅を5cmとした)と、内部が空洞の組織の場合(1cmの間隔内に 0.384mmの水の層を含む(残りは空気))で放射線を飛ばしてみました |




光子の飛跡(12nsecまで:No.200が12nsec)



それぞれ赤が電子で黒が光子。
静脈の血液量はCT画像データから算出しているために少なく評価され、全体は合わないことが現行モデルの限界となると考えられます。 各IDのパーツでの質量で血液の質量がどう扱われているか疑問を持たれておられるようです。
ID numbers Blood: 63-65, plus blood fraction of 2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18-23, 25-28, 30, 32-36, 38, 40, 42-46, 48, 50, 52, 54, 56, 58, 60-62, 66, 72, 74, 76, 78, 80, 82, 88, 90, 94-96, 98, 100, 102, 104, 106, 120-126, 130-136, 140-146, 150-156, 160-166, 170-176, 180-186, 190-196, 200-206, 210-216, 220-226, 230-236, 240-246, 250-256, 260-266, 270-276, 280-286, 290-296, 300-306, 310-316.
Table C-4の計算
(4) 血液線源
血液は、心臓、大動脈及び大静脈の各内容物だけでなく、全身の各組織・臓器にある割合で含まれ る。しかし、成人日本人に対する組織・臓器毎の血液含有率を網羅的に示したデータは存在しない。 そこで、心臓、大動脈及び大静脈の各内容物は wi を 1 とし、全身の各組織・臓器については RCP-AM の組織別血液質量分率データ 9)を基に wi を与え、式(2-1)から式(2-3)により線源発生確率を計算し、線源を設定した。
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疑問は尽きないと思いますが、改めて何が懸念されるか整理してみませんか? |
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血液の配分が臓器重量/全身重量となっているため、臓器への影響が過小評価されているのではないか、ということが疑問点です |
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その疑問は、どのような論理ですか? |
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ICRP89のデータでは、血液量は心臓、肺、肝臓、動静脈の血液だけで全体の53.5%ですが、4臓器合わせても重量は全身重量の5%未満です。血液を臓器の重量/全身重量で評価すると、大幅な過小評価になるのではないでしょうか? |

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心臓には血液が多いはずなのに、臓器の重量/全身重量だと少なくなるので、心臓への線量が小さく評価されているのではないかとの懸念ですね |
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血液をICRP30のように全身均等配分する場合と、ICRP89のデータに基づく配分ではどのくらいの差がでるかを計算してみるとよさそう… |
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心臓の内容物はどう捉えていますか? |
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大人と子供のupper thoracic lymph nodesとesophagusの距離の違いで15倍も差が出るとは驚きました。線源と標的の距離が重要ですね |
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線源と標的の距離により、ベータ線とガンマ線の寄与割合が大きく変わる領域があります |
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ICRPのAdult phantomを使って、I-131のS値を計算した論文では、甲状腺と脳はS値がかなり変わっているようです。この表にのっている線源を足すと、I-131 の甲状腺の係数は大きくなりませんか? |
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相対値で示されていますので、絶対値にして線源臓器での壊変数を考慮して、標的臓器の組織加重係数を考慮すると計算できるのではないでしょうか |
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I-131の実効線量では甲状腺等価線量の寄与が桁で違っているので、甲状腺では逆にS値が小さくなっている(?)のが効いたりして… |
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光子の吸収割合は1cmで1000倍近く変わるようですが、外部被曝は皮下1cmまででほとんどが吸収されるということになりませんか? |
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光子か電子かだけではなくエネルギーの大きさにも着目して考える必要があるのではないでしょうか |
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エネルギー別に見るとどのような特徴がありそうかしら? |
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0.1~1Mevでも、吸収割合は1cm以内で100倍違います |
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幾何学的な違いも考えてみるのはいかがでしょう |

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0.1MeVの光子を点線源(SPH)とペンシルビーム(RPP)を模擬して水に入射させた場合の距離別の水吸収線量(相対値)です |
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ペンシルビームというのは初めて聞きましたが、「整列・拡張場」と同じようなものでしょうか? |
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ペンシルビームという用語が使われている例です |
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整列・拡張場との違いはビームのサイズではないかしら。細いビームだとビルドアップがなくなりそうです |
662 keVの光子を入射させた場合を示します。表面付近で線量が高くなっているのがビルドアップです。放射線治療では、軟膏やタオルの使用が皮膚の基底細胞への線量を増加させることが知られています。


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話を元に戻すと、そもそも肺胞→リンパ節にどのくらい移行するのかがわかりません |
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とりあえずICRPが提示しているモデルを使うのはいかがでしょうか。 |
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ありがとうございます。胸郭内と胸郭外の移行係数はのっていますが、結局のところ血液にはどこからどう移行するのでしょうか?ガス状ヨウ素はすぐ 取り込まれるはずですが… |
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この解説や上の図はいかがでしょうか? |
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血液への移行はET1を除く全ての領域で時間に依存した速度で同じようにおこると仮定されているのですね |
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時間に依存した速度は、(1)粒子が溶けることと(2)溶けたものが取り込まれることの2段階を考えています |
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要は以下の各コンパートメントでの連立微分方程式を解けば各コンパートメントでの存在量の時間変化を観測できると思う |
ICRP Publication 66 新呼吸気道モデル 概要と解説に示された図
Fig. 3.5. Alternative compartment models representing time-dependent absorption into blood (dissolution and uptake).
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では、ここまでに示されたデータで表計算ソフトを使って計算してみようと思います。まずはtype Sで計算してみます。Te-132とI-132を100Bqづつ呼吸気道内に入れて、その後の挙動を一分間毎に追ってみました |
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初期の粒子から性状が変化する速度定数を100 [/d]、初期の粒子から血中への移行の速度定数を0.1[/d]、性状が変化した粒子から血中への移行の速度定数を0.0001 [/d]としています |
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ヨウ素では血液から甲状腺への移行の速度定数を0.83 [/d]、血液から膀胱への移行の速度定数を1.94[/d]としています |
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テルルでは、血液からの移行は、甲状腺:0.00173 [/d]、皮質骨:0.1083[/d]、trabecular bone:0.1083[/d]、腎臓:0.019928[/d]、その他:0.19495[/d]、膀胱:0.347[/d]、ULI content:0.086643[/d]とし他の移行は考慮していません(図を修正しました(2016年1月15日)) |
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「連立常微分方程式を解かなくてはいけませんが、さほどに難しいものではございません。ぜひご自分で代謝式をお求めになってください。」との回答がありましたが、実際にご自分で確認されていました… |

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Te-132がなかった場合です(図を修正しました(2016年1月15日) |

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I-132ではなくI-131であった場合です |

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ORNLの資料には、Te-132から壊変したI-132の血液への移行定数が1000[d-1]と記述されています。まさに瞬間移動ではないでしょうか。やはり肺のみならず、胃腸管でTe-132壊変してできたI-132は、ほぼすべて血液コンパートメントでノーカウントになっているのではないでしょうか |
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吸入された放射性ヨウ素が粒子状であった場合などの血液への移行定数とはどの程度、異なりそうですか? |
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この論文で計算している標的臓器の数は42に対して、線源臓器の種類は55で、blood vesselはありますがbloodはないようです。bloodは評価されているのでしょうか? |
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blood wallとblood vessel contentを分けるだけの空間分解能がないのでは…。blood vesselの比重は、Heart content (blood)などと同じく1.060が使われています |
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血液が全身の各組織・臓器に含まれる割合はどうなっていますか? |
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Supplementary dataを見てみるのはいかがでしょうか |
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supplementary dataがあるのには気づいたのですが、DATファイルというのがどうやっても開けません… |
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適当なエディタで開いてみるとよいと思う |
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内容確認できました。140のorganを53のtissueに分類しているようですね。blood ratioは blood vesselが1、teethが0、liverが0.3ですが、含まれる血液の割合でしょうか?全部足すと12くらいになるのですが... |
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README.txtを読んでみるのがよいと思う…(140の臓器に53のパターンの元素組成を持つ組織をそれぞれ割り当てています) |
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全身の血液量が各臓器にどのように分布しているかは、ICRP Publication 89の 7.7.2. Reference blood volumes and blood flow rates for organs and tissues of adultsにも記述されています |

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これだと全部足すと100%になるのでは |
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read me読んでもよくわからないのですが…。ICRP89のように100%に近くなるよう配分するべきではないでしょうか |
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README.txtには「The mass ratios of blood in various body tissues」とあります |
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組織の重量のうちの血液の割合でしょうか?ICRP89では肝臓は1800gX0.3=540g。肝臓の血液の割合は10%なので、5Lとすると 500ccくらいなので、妥当だと思います |
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骨の構造上、骨の中に存在する血液は骨髄近くにより多くあると考えられるにも関わらず、それを考慮していないモデルのために骨髄の線量を過小評価しているのではないでしょうか |
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骨の自己吸収SAFが骨のどの部分で起きているかにほぼ帰着すると思わうけど、骨の解剖学的な構造に由来した自己吸収SAFの骨の部分依存性を考慮していないとすると、骨の中の血液成分を線源とする骨髄の線量は過小評価されるはずです |
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関心対象の線量の過大評価と過小評価の要因をそれぞれ分析して考えてはいかがでしょうか |
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少なくともICRP2007年勧告に従った評価をして欲しい… |
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放射性ヨウ素の場合、骨髄への線量が過小評価になるのではないかとの疑問を解きほぐしていきたいと思います |
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ICRP Pub 30 part 1では、「有機ヨウ素は甲状腺以外の人体のすべての器官および組織に均等に分布」するとされていますが(日本語版157ページ)、骨髄へのエネルギー付与の評価がアンフェアだと思う |
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ICRP Pub 30 part 1の7章の骨の評価では、赤色骨髄は線源としていないことが骨髄への線量を過小評価しているのではないかという疑問ですね |
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短半減期で骨表面にあると仮定されるベータ放射体では、赤色骨髄は線源としてないものの、実際には、短半減期のベータ放射体も血管内で壊変し、血管内での壊変が赤色骨髄で行った場合は、赤色骨髄は線源となりますが、そのことは線量評価にどの程度の影響を及ぼしそうですか? |
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Zankl M, Eakins J, Gómez Ros J-M, Huet C. The ICRP recommended methods of red bone marrow dosimetry. Radiat Meas. 2021;146:106611.
Noriko KOBAYASHI, Evaluation of Doses Absorbed to a Bone Marrow Stem Cell Layer from Short-lived Radionuclides in the Blood Vessels and from Long-lived Radionuclides in the Cortical Bone, Japanese Journal of Health Physics, 2019, Volume 54, Issue 1, Pages 55-65, Released on J-STAGE September 03, 2019, Online ISSN 1884-7560, Print ISSN 0367-6110
Ferrone KL, Willis CE, Guan F, Ma J, Peterson LE, Kry SF. Evaluating bone marrow dosimetry with the addition of bone marrow structures to the medical internal radiation dose phantom. Precis Radiat Oncol. 2023;7:27–35.
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吸入摂取した核種のうちいくらかは飲み込まれて消化管から血液に移行すると思いますが、その量の計算が合いません。線量が過小評価されているのではないでしょうか? |
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比較は適切にできていますか? |
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Ingested materialがすべて0.3なら、Type Mは過小評価だと思います。 |
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Ingested materialsとして、fAは、元の粒子がどのようなAbsorption typeによるかに関わらず0.3とし、それが用いられています。TypeMでは溶ける成分が2割なので、 Ingested materialsのfAが0.3であることから、吸入後に消化管に移行したもののうち、溶ける成分(0.2)と消化管に入ったものでの吸収割合である0.3をかけた0.06が血液に移行するという想定になっているようです |
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溶けないものでも消化管から吸収されるのではないかという疑念は持っていないようですね |
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口から食道に入ったTeの吸収割合は30%で、前鼻道を経由すると6%になるというのはやはり論理的でないと思います... |
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吸入するものと経口摂取するものでの化学形の違いに帰着するでしょう |
f1は小腸から体液へ吸収される割合(経口摂取したうち体液に吸収される割合)。 fAは、経口摂取した物質が血液に吸収される割合。消化管から血液への吸収割合(従来はf1)。 それぞれの消化管(i)の各臓器での血液に吸収される割合(fi)の総和。
SPECIFIC ABSORBED FRACTIONS OF ENERGY AT VARIOUS AGES FROM INTERNAL PHOTON SOURCES.
福田 直子,奥野 浩二,工藤 崇,松田 尚樹.緊急時被ばく線量評価におけるホールボディカウンター全身スキャンによる甲状腺線量測定の妥当性の検討
経口摂取を想定し、I-123のカプセルを15名のボランティアに投与し、ヒト Hot ADME試験を実施しWBC検査などで評価しています。
この研究を行った際の研究倫理審査では、日本核医学会の提言「生物医学研究志願者の放射線防護に関する提言」が利用されたとのことです。
福島第一原子力発電所事故前後の環境γ線ダイナミックスペクトル
放射性物質の体内残留量グラフ
放射性核種の体内動態解析のためのデータと関数の使い方
谷 幸太郎.放射性核種の摂取に対する体内動態解析とその内部被曝評価への応用
放射性核種の体内除去による内部被ばく線量の低減効果について
Koji Uchiyama,Masami Miyashita, Yoshinobu Tanishima, Shigenobu Maeda, Hitoshi Sato, Jun Yoshikawa, Shuji Watanabe, Masamichi Shibata, Shuji Ohhira and Gen Kobashi. Use of Iodine-131 to Tellurium-132 Ratios for Assessing the Relationships between Human Inhaled Radioactivity and Environmental Monitoring after the Accident in Fukushima Int. J. Environ. Res. Public Health 2018, 15(3), 483;doi:10.3390/ijerph15030483
福島第一原子力発電所構内における土壌中の放射能測定データを用いた検討
原子炉で生成される放射能と核爆発で生成される放射能の違いについて
当社福島第一原子力発電所における核種分析結果の厳重注意に対する対応について(平成23年4月4日)
当社福島第一原子力発電所における核種分析結果の厳重注意に対する対応について(続報1)(平成23年4月20日)
当社福島第一原子力発電所における核種分析結果の厳重注意に対する対応について(続報2)(平成23年5月8日)
福島第一原子力発電所における核種分析結果の確報版の一部訂正について(平成23年8月30日)
発電所敷地内における空気中放射性物質の核種分析結果について(平成23年3月25日)
【確報版】発電所敷地内における空気中放射性物質の核種分析結果
高崎に設置されたCTBT放射性核種探知観測所における放射性核種探知状況 (2012 年 4 月 15 日時点)
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I-129の土壌中濃度は、福島市の表層土壌で14 mBq/kg(dry)とありました。I-129の半減期はTe-129の1.2E+11倍ですので、Te-129は1.7E+09 Bq/kgあったのではないでしょうか |
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降下した原子の数が、I-129とTe-129で同じであれば、放射能は、その関係になると思うけど、前提は正しいのかな? |
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I-129とTe-129の関係は、(1)元々土壌にあった量、(2)原子力発電所事故により土壌に降下した量、(3)土壌中でTe-129から生成された量、(4)その他、となりそうです |
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元々あった量やTe-129から生成された量を吟味した例です |
Appendix 4.1:ヨウ素129の分析を通じた土壌中のヨウ素131の放射能濃度の推定 に関する検討
課題名6: ヨウ素129の放射能濃度測定によるヨウ素131の土壌濃度マップの精緻化
ヨウ素131の土壌濃度マップ
Determination of 129I and 127I Concentration in Soil Samples from the Chernobyl 30-km Zone by AMS and ICP-MS
A new approach for reconstructing the 131I-spreading due to the 2011 Fukushima nuclear accident by means of measuring 129I in airborne particulate matter
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すみません。I-129はTe-129mから直接β壊変で生成されるものもあるので、そのままTe-129のBqには換算できないですね。そもそもなぜ半減期1時間のTe-129が3/20-21にCTBTで検出されているのか、不思議に思って調べたら、1964年の文書にTe-129mとTe-129が放射平衡にあるようなことが書いてありました |
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Te-129mは壊変時に63%の確率でβ壊変ではなく核異性体転移がおこりTe-129になりますが、Te-129mの半減期が33.6日であるのに対し、Te-129の半減期が69.6分なので放射平衡になりますね |
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(1)Sb-129→Te-129m→I-129, (2)Sb-129→Te-129m→Te-129→I-129, (3)Sb-129→Te-129→I-129の3パターンがあるのでしょうか? |
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アンチモン129からの壊変はこうなっているようです |
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このデータからSb-129→Te-129mやSb-129→Te-129がどのようにおこっているかを考えられますが、これ以外の経路は考えられませんか? |
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ほとんどのI-129がU-235の核分裂で生成されたのかしら? |
Cumulative Fission Yields
About “Independent” and “Cumulative” fission yields
Graph of Fission Product Yields
本論文で行ったような計算は専門家により既に行われてきたことである。しかし、少数の専門家が過去において計算プログラムを作り、その後の人間はユーザーとしてそのプログラムを使っていればよい、という研究態勢で十分であると考えるならそれは危険な考え方である。そういう態勢では、今回の事故の様に状況が従来とは違ったときに、従来どおりの正確さで計算結果が出せているのかどうかを判断できない恐れがある。このような重要な計算については、それを独立して行いうる多数の研究グループが並存し、各グループが常時、自ら計算式を導出して計算の原理を理解しなおし、プログラムを自作して数値計算上の困難な箇所を把握し、入力データのどれに結果が敏感に依存するかを認識しているような知識を生きた状態で維持している状態にあるべきだと思われる。
About “Independent” and “Cumulative” fission yields
藤原 慶子, 高橋 知之, 高橋 千太郎, 福島第一原子力発電所事故により放射性テルルで汚染された白米の経口摂取による預託実効線量, 保健物理, 2016, 51 巻, 1 号, p. 19-26,
Report No. 164 - Uncertainties in Internal Radiation Dose Assessment (2009)
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生成過程はどこを見ればよいのでしょうか? |
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Prod. mode:ではないかしら |
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すみません、I-129とTe-129のcumulative fission yield の差が開いていると思ったのですが、見直したらI-129は ground:Yield = 5.388270e-03、Te-129は ground:Yield = 4.856230e-03で、それほど変わりませんでした |
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血管壁の近くに幹細胞があるみたいなので、そこへのエネルギー付与を計算したいけど、β線エネルギーデータが見つかりません |
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PHITSの講習会では、このようなツールを使ったらどうかとのことでした。 |
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簡単に計算できるツール(Beta-SPCTL for Windows)の例です |
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エネルギーと割合を入力してcalculation start を押すと、「動作を停止しました」になってしまいます... |
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どのような入力だったのでしょうか? |
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すみません、エネルギーの入力単位が間違っていました |
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と思ったら、プログラムを改良して対応して頂きました |
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EGS講習会でも紹介されていたその他の例です |
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阻止能とは何ですか? |
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放射線の荷電粒子がエネルギーを失っていくことを単位飛程あたりに示したものですね |
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半径1cmの200 keVの電子ビームを水に入射させ、半径1cmの範囲で深さ方向の吸収線量率を計算してみました。電子を毎秒1個入射させています |

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面積100cm2の範囲で均一な線源から200 keVの電子を当方的に放出させて線源の周囲の水の吸収線量率を計算してみました。電子を毎秒100個発生させています |
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線源が水の中にあるという想定ですね |
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意味がわかりません。違いは入射が 空気→水 か 水→水 かだけでしょうか? |
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その通りです |

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同じBq数でも臓器重量によって線量は変わりますが、年齢による甲状腺の大きさは考慮されているのでしょうか? |
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考慮しているかどうかは、「考慮している」の定義によるのだろうと思います。こちらの資料は参考になりますか? |
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すみません。甲状腺の大きさは係数のほうで考慮されていますね |
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Cs-137壊変後のBa-137mの転移時のガンマ線を計算しようとしたのですが、私のPCではどうして計算できません。他の環境だと計算できるそうですが、いつもの嫌がらせなのでしょうか? |
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PHITS ver.3.02では、一部の計算環境においてmetastableのRI線源が定義できない不具合が生じているそうですが、まもなく更新パッチがでるそうです |
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PHITS ver.3.10に更新して実行しようとしたらPermission deniedと言われました。いつもの嫌がらせなのでしょうか? |
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実行ファイルであるphits310_mac.exeに実行権限が付加されていないのではないでしょうか |
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前と同じ現象であることを思い出しました。chmod +xコマンドで解決ですね |
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infl:コマンドを使って、Macで連続実行しようとしたら、挿入しようとしたインプットファイルが取り込まれませんでした。いつもの嫌がらせなのでしょうか? |
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『1行目に「file=インプットファイル名」と書いておく必要があります。』とあるけど… |
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『 なお、PHITS ver. 3.00以降では、file=は必要ありません。』とあります。使っているのは、PHITS ver. 3.00以降です |
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現在のPHITSでは、スクリプトを組む場合でもphits.batやphits.shを使って実行することを奨励しているので、混乱しないように、あえて言及してないようです |
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『PHITS 講習会 基礎実習(III): 計算条件の設定』では、その説明がなされていますね |
血液への吸収によるクリアランスに係るモデルは、血液への速い吸収と遅い吸収を完全に分離した単純なモデルと、初期状態(Initial state)から血液への吸収と変換された状態(Transformed state)への移行とが競合し、変換された状態から血液へ異なる移行係数で吸収される複雑なモデルの 2 種類が示された
独立行政法人 日本原子力研究開発機構「平成 25 年度原子力利用安全対策等業務委託費 (ICRP(国際放射線防護委員会)技術的 基準等の整備)事業」委託業務成果報告書)平成26年3月31日)
内部線量評価システムの開発
国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構平成 29 年度放射線安全規制研究戦略的推進事業費 (内部被ばく線量評価コードの開発に関する研究)事業 成果報告書(平成 30 年 3 月 30 日)
波戸 真治; 本間 俊充.原子炉事故時放射線影響解析で用いるための内部被曝線量係数
石榑信人.内部被ばくにおける防護量とその評価方法
石榑信人.2. 新呼吸気道モデル
鈴木間左支. 「人間の呼吸器道の内部被曝線量のための沈着及び滞留モデル」の紹介 (1) -ICRPの肺動力学に関する作業班の報告書-. 保健物理 1967; 2: 179–85.
鈴木間左支. 「人間の呼吸器道の内部被曝線量のための沈着および滞留モデル」の紹介. 保健物理 1968; 3: 236–44.
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3/21 9:00から3/22 9:00のI-131のtime integrated air concentrationは下3段の合計で60 Bq d/m3 ではないでしょうか? |
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どう計算して60が出てきたのかしら… |
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時間かけて空気を採取していますが、サンプリングした空気の容量を考えて、その中に含まれている放射性核種の量を計測しています |
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サンプリング中に濃度が変化しそうですが、それは考慮せずある時刻の濃度を仮想的に求めていることになりそうですね |
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各単位吸引時間あたりの吸引した空気中の平均存在数量を仮装していることになるのではないかしら |
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では、この濃度をサンプリング時間中の平均濃度と考えて、サンプリング時間で積分するとtime integrated concentrationが求まりそうです |
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UNSCEAR 2013 REPORT Vol. IのScientific Annex A: Levels and effects of radiation exposure due to the nuclear accident after the 2011 great east-Japan earthquake and tsunamiのAttachments of data and methodologies used for the assessmentのC-9 ATDM simulation by prefecturesでのtime integrated air concentration は modelling period 12 March-1 April 2011 の1日あたりの平均ではないのでしょうか? |
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12 March-1 April 2011の濃度を時間で積分したものなので、12 March-1 April 2011の期間の平均存在数量に基づく濃度×この期間の長さとなります |
今回の福島の事故で、親核種、娘核種との関係やコバルト 56 のサブピークからのピックアップにおいて放出放射能量の把握を間違えたということがあった
Harald Paganetti. IS THE DOSE TO CIRCULATING BLOOD IN CONFORMAL RADIOTHERAPY OF CONCERN?
Social issue
キーワードの例
・決定しきい値(決定限界)
・不確実性のロンダリング装置(としての統計学?)
・ALPS treated water
・シングル・ボイス
・電子スピン共鳴法を用いた線量推計
・非医療目的での放射線を利用した人体のイメージング
・甲状腺検査の結果の解釈を巡る議論 Discussions on the interpretation of thyroid survey from epidemiological views
・アンケート調査でわかること
・モニタリング検査の結果
・放射線はどこから飛んでくるのだろう?
・原子力発電所事故以降での一般の方々が受ける線量の基準
・災害発生前での疫学研究の研究倫理審査
・参考レベル reference level
・食品の出荷制限の解除
・加工段階での食品への放射性物質の混入が疑われている例 A case in which contamination with radioactive substances during food processing is suspected.
・二次電子 secondary electron
・ホット・パーティクル hot particle
・子孫核種 progeny nuclide
・原子力発電所事故後の体表面スクリーニング
・余命損失 Loss of life expectancy
・県民健康調査 Fukushima Health Survey
・安定ヨウ素剤 stable iodine tablets
・サブマージョン submersion
・薪ストーブをめぐる近隣トラブル
・放射線リスクコミュニケーション 相談員支援センター Support center for social workers engaged in recovery from the nuclear disaster
・不当表示 misleading representation
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