問題
空気中の放射性セシウム
以下の文章は正しいですか?
『まだ空気中に放射性物質が漂っている。』
参考資料等
モニタリング
福島県
環境モニタリング評価部会
大気浮遊じんのリアルタイム自動測定についても取り上げられています。
原子力規制委員会
原子力規制委員会・定時降下物のモニタリング
原子力規制委員会・ダストサンプリング
環境省
大気環境における放射性物質のモニタリング結果について(お知らせ)
特定廃棄物埋立処分施設周辺
リアルタイム・モニタリング
気象研究所
Atmospheric radioactivity over Tsukuba, Japan: a summary of three years of observations after the FDNPP accident
日本分析センター
Radiation measurements in the Chiba Metropolitan Area and radiological aspects of fallout from the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plants accident
その他の研究
時系列式セジメントトラップによる原子力発電所事故由来の粒状態放射性核種の挙動に関する観測研究
1Fでの作業に伴う濃度上昇例
福島県からの発表
福島第一原子力発電所周辺のモニタリングポストにおける空間線量率の一時的な上昇について
東京電力による説明
平成25年8月に発生した 免震重要棟前ダストモニタ上昇について
初期のモニタリング例
バッテリ駆動のミニポンプを用いた例(ただしガス状成分を捕集するカートリッジは使用されていない)
Activity concentrations of environmental samples collected in Fukushima Prefecture immediately after the Fukushima nuclear accident
SPM捕集用ろ紙を活用した例
環境省
SPM捕集用ろ紙に付着した放射性核種分析報告書
原子力規制庁
大気汚染監視用ろ紙を用いた大気中の放射性物質濃度に関する調査
学術論文
Determination of atmospheric radiocesium on filter tapes used at automated SPM monitoring stations for estimation of transport pathways of radionuclides from Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plan
First retrieval of hourly atmospheric radionuclides just after the Fukushima accident by analyzing filter-tapes of operational air pollution monitoring stations
学会での取り込み
日本放射線安全管理学会
防護対策も合わせて評価できる方法
実着用した不織布製マスクに付着したスギ花粉と放射性セシウムの定量分析 (東大 RIC1、ITEA 東京環境アレルギー研究所2、信州大ヒト環境科学研究支援セ3、ユニ・チャーム4) ○桧垣正吾1、白井秀治2、廣田昌大3、矢野有紀子1、 三嶋 祥宜 4、山元ひろみ 4
桧垣 正吾(東大).実着用した不織布製マスクに付着した放射性セシウムの経年変動
桧垣 正吾1,廣田 昌大2,釼持 泰彦3,神山 龍一3,柴田 彰3,宮澤 清3.2014年春に一般市民が着用した不織布製マスクに付着した放射性セシウム量の測定
2013年春に比べて福島では放射性セシウムが検出されたマスクの割合には大きな変化が見られませんでした。2012年に最大であった郡山市の方では、2013年には1/2となり、2014年には2013年の約1/7となっていました。
Higaki S1, Shirai H, Hirota M, Takeda E, Yano Y, Shibata A, Mishima Y, Yamamoto H, Miyazawa K. Quantitation of Japanese cedar pollen and radiocesium adhered to nonwoven fabric masks worn by the general population.
Health Phys. 2014 Aug;107(2):117-34. doi: 10.1097/HP.0000000000000078.
プレゼン資料
マスクの取り扱い
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マスクについて放射性物質の量は少ないということですね |
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でも本来の目的で防ごうとしているウイルスが付いているので、その取り扱いには注意が必要です |
マスクの限界
- 捕集効率
- 密着状態できていないことによるリーク
- 線源となることによる周辺への放射線曝露
独立行政法人 国民生活センター
ウイルス対策をうたったマスク -表示はどこまであてになるの?-
個人での試み
福島高専の布施先生
大気浮遊じんの測定
降下物の測定
地方自治体の取り組み
柏市
除染作業中および除染作業前後の周辺大気中に含まれる放射性物質について
除染作業中のダストサンプリングへの言及
JAEA
(5) ダスト濃度 除染作業の方法としては,表土除去や舗装路面切削,高圧水洗浄など,放射性物質を含んだ粉じんや飛沫が作業場所周囲に飛散する場合がある。これらの飛散状況を確認し,適切な防護装 備を選択することを通じ作業員の内部被ばくを防止するため,作業中の大気環境中のダスト濃度測定する。
線量換算係数の出典
ICRP Database of Dose Coefficients: Workers and Members of the Public; Ver. 3.0
空気中の放射性物質に由来した放射線から受ける線量推計
EPA-402-R-93-081, Federal guidance report No.12(pdf file, 1.6MB)
データ利用上の注意
今後の係数の見直しの可能性
呼吸気道モデルも改良が試みられています。疫学的な研究も今後進展していくことが考えられます。これらにより線量換算係数が見直される可能性があります。
この記事はICRPの資料を使っていますが、ECRRの基準についても十分検証することが必要とされています
原子力規制委員会設置法での附帯決議(24.6.20参議院環境委員会議決)
放射線の健康影響に関する国際基準については、ICRP(国際放射線防護委員会)に加え、 ECRR(欧州放射線リスク委員会)の基準についても十分検証し、これを施策に活かすこと。また、これらの知見を活かして、住民参加のリスクコミュニケーション等の取組を検討すること。
参議院による資料(pdf)
空気中濃度と空間線量率の関係
2012.3.9 原安委・原子力防災専門部会・防災指針検討W/G第15回会合・資料15-1
「防護対策の実施に係る判断基準に関する考え方(中間的なとりまとめ案)」原子力安全委員会・原子力施設等防災専門部会・防災指針検討ワーキンググループ報告
P100 表A-3「周辺線量率」:EPR-DATA Manual ドラフト2010-06 Rev.7.0表15の一部引用
同資料では、Cs‐137のサブマージョンで、1.3E-4μSv/h/(Bq/m3)を示しています。
JAEA 研究開発報告書類バックナンバー 320483
排気筒から放出される放射性雲の等濃度分布図及び放射性雲からの等空気カーマ率分布図,3
橘晴夫 ; 菊地正光 ; 関田勉 ; 山口武憲 ; 大枝幹拓* ; 黒澤直弘*
JAERI-Data/Code 2004-010
JAERI-Data/Code 2004-010-appendix(CD-ROM); Jun.2004,19p.
放出口の高さ、大気安定度、風下距離などにて、濃度と線量率が異なりますが、単に、濃度と線量率の関係を読み取るには、100m放出高さ、安定度D型を引用して(図3-3、3-5)、最大濃度地点より遠方の関係から、1Bq/m3≒2E-10Gy/hの値が得られます。つまり1Bq/m3≒2E-4μGy/hを得ます。なお、この値は1壊変1γで1MeVのγ線を出す標準化モデルなので、Csは補正が必要です。線量率は空気カーマ表示です。
ガレキ撤去作業に伴う 放射性物質の飛散量の評価
3号機ガレキ撤去作業に伴う 放射性物質の飛散量の評価について(2014年10月31日)
除染技術関連情報
労働安全の管理 作業員の労働安全管理に関する手引き
ダストサンプラーにより作業中,作業後の空気を捕集しGM計数管式サーベイメータにより空気中の放射性物質による汚染状況を確認します。
実施する除染方法の例 -農地の除染①-
ダストサンプリングの様子が示されている例
花粉
林野庁
スギ雄花に含まれる放射性セシウム濃度の調査結果について
農林水産省
福島県南相馬市の25年産米の基準値超過の発生要因調査について
(平成27年5月26日掲載分)
南相馬市における玄米の基準値超過の発生要因調査(平成27 年5 月26 日、南相馬市地域農業再生協議会説明資料)
研究例
Evaluation of the cause of unexplained radiocaesium contamination of brown rice in Fukushima in 2013 using autoradiography and gamma-ray spectrometry
空気中の放射性物質の影響が心配されたが、その影響ではなかったことが判明した例
北 実,石川洋 一,二元 隆.露地栽培地における汚染しいたけの状況調査
大気中での輸送中の化学的な変化
畠山史郎.長距離越境大気汚染と大気化学反応
粒子状物質の特性について
大気中輸送のシミュレーション・ツール
NOAA
World Meteorological Organization (WMO) Atmospheric Dispersion Model Simulations of Fukushima Daiichi Accident
CTBTの放射性核種観測網
核実験監視用放射性核種観測網による大気中の人工放射性核種の測定
その他
地球化学 Vol. 49(2015) No. 4特集「福島原発事故の地球化学:放射性核種の生成・飛散・移行」
由来の探索
原発事故由来の放射性セシウム大気濃度の長期解析:土壌、植物からの再飛散
除染作業による大気中濃度へのインパクトも含むレビュー
飽本 一裕.粒子状放射性物質の再浮遊と移流による2次汚染
再浮遊
Ota M, Takahara S, Yoshimura K, Nagakubo A, Hirouchi J, Hayashi N, Abe T, Funaki H, Nagai H. Soil dust and bioaerosols as potential sources for resuspended 137Cs occurring near the Fukushima Dai-ichi nuclear power plant. J Environ Radioact. 2023 Aug;264:107198. doi: 10.1016/j.jenvrad.2023.107198. Epub 2023 May 11. PMID: 37178632.
Resuspension and Deposition of Radionuclides Under Various Conditions
放射性セシウムの沈着と農地土壌における輸送過程
IAEA-TECDOC-795: Validation of models using Chernobyl fallout data from the Central Bohemia region of the Czech Republic Scenario CB
First report of the VAMP Multiple Pathways Assessment Working Group
IAEA-TECDOC-647: Modelling of resuspension, seasonality and losses during food processing First report of the VAMP Terrestrial Working Group
V.I. Yoschenko, V.A. Kashparov, V.P. Protsak, S.M. Lundin, S.E. Levchuk, A.M. Kadygrib, S.I. Zvarich, Yu.V. Khomutinin, I.M. Maloshtan, V.P. Lanshin, M.V. Kovtun, J. Tschiersch, Resuspension and redistribution of radionuclides during grassland and forest fires in the Chernobyl exclusion zone: part I. Fire experiments, Journal of Environmental Radioactivity, Volume 86, Issue 2, 2006, Pages 143-163, ISSN 0265-931X
高温下
The Reaction between Iodine and Organic Coatings under Severe PWR Accident Conditions. An Experimental Parameter Study
空気清浄機
廣内 淳; 高原 省五; 駒ヶ峯 弘志; 宗像 雅広.追加の防護対策による内部被ばくの屋内退避効果への影響の調査
当時の外気を取り入れていたフィルタ
東京二十三区清掃一部事務組合.墨田清掃工場で発生した放射性物質を含む粉じんについて(平成 24年 2月 17日)
学会表彰
JRR Award at ICRR 2015」を受賞
作業環境の観点から
P-2101-3 関 健介 (杏林大学保健学部診療放射線技術学科)放射能汚染土壌粉じんによる内部被ばく量推計に関する研究
屋内退避への効果への懸念の表明
当グループが規制庁受託で行った成果によりますと、建屋が放射性プルームに浸かった状況に置かれた場合、屋内退避による被ばく低減効果(すなわち、屋外と屋内の濃度の比)は、自然換気率によって異なるものの概ね数時間~20時間程度で一定値となり平衡に達します(自然換気率が0.1/hで20時間程度、1/hの場合には数時間程度)。
このため、該当箇所の記載については以下のような疑問を持ちました。
*「屋内への大気の流入により被ばく低減効果が失われるものと考えられる」というのは、被ばく低減係数が一定値になった状態のことを指すのでしょうか?
* あるいは、屋内退避によって濃度は薄まっていても長期にわたる被ばくを受けた場合には、線量を無視できないという意味合いで「効果が失われる」と理解すればよいでしょうか?
第8回原子力災害時の屋内退避の運用に関する検討チーム 令和7年02月05日 参考資料2 報告書原案への外部専門家及び自治体関係者からの意見(一部反映済)
タオルへの付着
藤原 慶子, 山崎 敬三, 高橋 知之, 高橋 千太郎, 北川 晃三, 神藤 克人, 放射性セシウムを含有した土壌によるタオルの汚染と洗濯による除去効果, 保健物理, 2012, 47 巻, 4 号, p. 282-285, 公開日 2013/12/17, Online ISSN 1884-7560, Print ISSN 0367-6110
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