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放射性セシウムのCodexの基準と日本の食品の基準

放射性セシウムのCodexの基準は1,000 Bq/kgと日本の一般食品の基準値(100 Bq/kg)の10倍になっています。
以下の表現は正しいですか?
『この事実は日本政府の方がより食品摂取に由来した放射線リスクを小さくしようとしていることを示していない。』

解説文

   
母親 原子力発電所事故後は、日本の食品の基準が信じられなかった…
にゃんこ 様々な基準の情報が流れて混乱したという思いがあるのかな
母親 放射性ヨウ素と放射性セシウムの基準が日本とアメリカでは大小関係が核種の種類で違っていたのにも混乱してしまった…

緊急時の食品基準

   
にゃんこ 介入線量レベルは同じで単にシナリオの違いですね。アメリカでは放射性ヨウ素の放出を安全側に設定しています。具体的には、臨界が一定期間継続するというシナリオです。その反面、放射性セシウムに関しては事故の影響を受けていない地域からの食糧支援が大幅に入るというシナリオに基づいています。
母親 事故後一定期間経過した後だと介入線量レベルが1ミリシーベルトと同じであっても、原子力事故を起こした国では、原子力災害の影響を受けた地域の作物などの摂取割合が高くなると考えられることから、誘導される濃度が低くなるということね。県の研修を受けた保健師さんから教わったわ。
にゃんこ Codexでは輸入食品を全食品の10%程度と仮定していることもあり、日本の食品の基準値の10倍になっています。
母親 学んでみるとなんだそうかという感じだけど、学ぶまでのハードルが高そう…
にゃんこ 原子力災害がおこった場合の食品の放射線安全を確保するために、事故直後の基準値策定の考え方はあらかじめ決めておくのはよくある話で、日本でもそれが機能しましたが、その後、その基準をどのように平常時のものに戻していくのかをあらかじめ決めておくことは困難な課題でどの国でも準備されていないのが現状です。
母親 数字のことは訳が分からないけど、学びたい人には疑問にわかりやすい解説して欲しいわ。
にゃんこ 疑問点は何でもお寄せ下さい。ご一緒に考えさせていただきます。

質問を頂きました

食べる食品はどの程度事故の影響を受けているのか?

   
母親 今の日本の食品はかなり広い範囲で原子力災害の影響を受けてしまっているので、食品に由来した線量の合計を一定の水準以下にとどめるには、個々の数値を低めに抑えておかなければならないのではないでしょうか
アオイ 想定よりも広い範囲が影響を受けたので、あらかじめ決めていたパラメータを変化させて、基準値を小さく設定したという事実はありません
エミ 基準値濃度近い食材が半分程度占めうることも想定すべきだとの考え方に基づいているのですよね
母親 話が飛躍し過ぎて理解できません。半分程度と想定した理由や根拠は特に無いという事でしょうか?何故半分と想定したのでしょうか?

食料自給率が考慮されています

   
エミ 厚生労働省のQ&Aでは、『流通食品の汚染割合について、コーデックス委員会で定められている放射性物質に関するガイドラインでは、すべての食品が汚染されていると仮定せず、代わりに占有率(汚染国からの輸入される食品の割合)という考え方が取り入れられていることから、これを採用しました。「一般食品」では、我が国の食料自給率(平成 22 年度はカロリーベースで 39%、平成 32 年度までに50%を目標)等との関係から、流通する食品の半分が汚染されているという安全側の想定の下に、基準値を設定しています。』とあります。
アオイ 事故の影響を受け、基準値濃度近い食材が半分程度占めうることも想定すべきだとの考え方に基づいています
エミ 食品の種類によって事故の影響が異なるので、そのことも考慮して食品の種類別に考えるということであれば、トレードオフで考えることになると思う

指標値を比べること

安全確保策の比較

   
母親 単に濃度ではなく食べる量も重要な気がする
エミ 総摂取量で安全を確保するということですね
アオイ この観点でも日本の基準は世界的な考え方と調和が取れていると考えられます

参考資料等

IAEAでの取り組み例

Factsheet for Decision Makers

RADIONUCLIDES IN FOOD AND DRINKING WATER

Harmonization of Reference Levels for Foodstuffs and Drinking Water

Technical Meeting on Harmonization of Reference Levels for Foodstuffs and Drinking Water Contaminated Following a Nuclear Accident

FAQ

WHO/FAO/IAEA Questions and Answers on the Nuclear Emergency in Japan and Food Safety Concerns
Nuclear accidents and radioactive contamination of foods(30 March 2011 )

Criteria

IAEA TECDOC-1788: Criteria for Radionuclide Activity Concentrations for Food and Drinking Water

普及啓発

Managing Radioactivity in Food, Drinking Water and Commodities
REGIONAL WORKSHOP TO REVIEW AND UPDATE NATIONAL ACTION PLAN TO CONTROL PUBLIC EXPOSURE

生協の取り組み

日本生活協同組合連合会

放射線・放射能・食品中の放射性物質問題についてのQ&A

東都生協

東都生協の残留放射能自主検査

エフコープ

残留放射能検査結果
「福島応援隊」のとりくみ

国際的な調和への取り組み

水産庁

韓国による日本産水産物等の輸入規制に関するWTO協定に基づくパネルの設置について
韓国による日本産水産物等の輸入規制にかかるWTO紛争解決手続に関する情報について

WTO

WTO issues panel report regarding Korean restrictions on Japanese food imports
Appellate Body issues report regarding Korean restrictions on Japanese food imports

外務省

世界貿易機関(WTO)紛争解決制度とは
WTO紛争解決『韓国による日本産水産物等の輸入規制』上級委員会報告書の発出について(外務大臣談話)

独立行政法人経済産業研究所

川瀬 剛志 .韓国・放射性核種輸入制限事件再訪-WTO上級委員会報告を受けて-

Codexでガイドラインレベルを設定している核種

Codex Standard 193-1995

   
母親 CodexではS-35でもガイドラインレベルが定められていますが、対象になる核種は、どのようにして選択されたのでしょうか?
エミ 核施設由来だけではなく、線源として利用されうる核種で、事故などにより環境中の放出され、食物連鎖に取り込まれた場合に重要な核種が選択されているようです

Codex Standard 193-1995

Scope:

The Guideline Levels apply to radionuclides contained in foods destined for human consumption and traded internationally, which have been contaminated following a nuclear or radiological emergency1. These guideline levels apply to food after reconstitution or as prepared for consumption, i.e., not to dried or concentrated foods, and are based on an intervention exemption level of 1 mSv in a year.

Application:

As far as generic radiological protection of food consumers is concerned, when radionuclide levels in food do not exceed the corresponding Guideline Levels, the food should be considered as safe for human consumption. When the Guideline Levels are exceeded, national governments shall decide whether and under what circumstances the food should be distributed within their territory or jurisdiction. National governments may wish to adopt different values for internal use within their own territories where the assumptions concerning food distribution that have been made to derive the Guideline Levels may not apply, e.g., in the case of wide-spread radioactive contamination. For foods that are consumed in small quantities, such as spices, that represent a small percentage of total diet and hence a small addition to the total dose, the Guideline Levels may be increased by a factor of 10.

Codexでのガイドラインレベルはグループ別

   
母親 食品中の放射性物質に係る規格基準の設定についてでは、「介入線量レベルを年間1ミリシーベルトに引き下げることが妥当と判断した。この判断の根拠は、コーデックス委員会が、食品の介入免除レベルとして年間 1ミリシーベルトを採用したガイドラインを提示していることを踏まえたものである。」とありますが、Codexでガイドラインレベルはグループ別に年間摂取で1ミリシーベルトにおさえるとなっており、食品全体の話ではないのではないでしょうか
エミ Codexの規格はIAEAのBSSと連携したもので、BSSでは、食品に対しての「specific reference level」を「does not exceed a value of about 1 mSv」としています(原子力災害後の国際商取引基準の話として)。
アオイ 数値のまとめには対数丸めが使われていますね
母親 Codexの規格が、国際商取引基準のためとはどういうことですか?
エミ 考え方としては、国内での流通の規制とは別のものということですね

別のグループ別の核種からの寄与

   
母親 グループごとに考えれば、Codexでは4グループあるということは最大4ミリシーベルトになると思いますが、「食品中の複数の放射性核種:ガイドラインレベルは、異なったグループの放射性核種からの寄与を加算する必要はないとの理解に基づき策定されている。各グループは個別に扱うべきである。しかし、同じグループ内の各放射性核種の放射能濃度は合計すべきである。」とあります
エミ 異なったグループの放射性核種からの寄与を加算する必要はないのは、何故かという疑問ですね。確かに、原子力災害では、このカテゴリーの枠を超えた核種が線量に寄与しています
アオイ Fact sheetでは、理論的にも実際的にも4つの別個のグループの組み合わせ効果で、事故後の最初に一年で受ける線量が1ミリシーベルトを超えないと述べられています
エミ グループが異なると、線量を受ける時期が異なるという理屈ですね
母親 核施設の事故で、臨界が継続して、I-131が出続ける事故では、Cs-134などのグループに加えて、I-131の寄与を考慮すべきですが、その想定は不要ということですね
エミ 原子力施設からの核分裂生成物の放出だと、I-131は(相対的に)早い時期に効く、Cs-134やCs-137は(相対的に)遅い時期により効くという想定だと思いますが、ざっくりしすぎの感じもします…
アオイ OILでは、GSG-2のFIG. 3. Process of assessment of a nuclear or radiological emergency resulting in contamination of a large areaを決める TABLE 9. DEFAULT SCREENING OILs FOR FOOD, MILK AND WATER CONCENTRATIONS FROM LABORATORY ANALYSISが現実と乖離しているのではないかという議論もあるのでした…

乳児用食品でもCodexでガイドラインレベルでは1kBq/kgであるのは何故?

   
母親 目標レベルは日本と同じ1mSvなのにCodexでは、乳児用食品でも1kBq/kgであるのは何故ですか?
エミ 36ページを見ると 摂取量:200kg/y、線量換算係数:2.1E-5[mSv/Bq]、import/production factor:0.1として誘導されているようです
母親 import/production factorを0.1にしているのが効いているのですね…

出典

Codex Standard 193-1995

Adopted 1995. Revised 1997, 2006, 2008, 2009. Amended 2010.

CODEX GENERAL STANDARD FOR CONTAMINANTS AND TOXINS IN FOOD AND FEED

CODEX STAN 193-1995
Radionuclides: The Guideline Levels do not include all radionuclides. Radionuclides included are those important for uptake into the food chain; are usually contained in nuclear installations or used as a radiation source in large enough quantities to be significant potential contributors to levels in foods, and; could be accidentally released into the environment from typical installations or might be employed in malevolent actions. Radionuclides of natural origin are generally excluded from consideration in this document.

その後の議論

THE SEVENTH SESSION OF THE CODEX COMMITTEE ON CONTAMINANTS IN FOODS

REPORT OF THE SEVENTH SESSION OF THE CODEX COMMITTEE ON CONTAMINANTS IN FOODS
Agenda Item 6

THE EIGHTH SESSION OF THE CODEX COMMITTEE ON CONTAMINANTS IN FOODS

REPORT OF THE EIGHTH SESSION OF THE CODEX COMMITTEE ON CONTAMINANTS IN FOODS

IAEA: Radiation Protection and Safety of Radiation Sources: International Basic Safety Standards

General Safety Requirements

IAEA Safety Standards Series GSR Part 3
Requirement 51: Exposure due to radionuclides in commodities The regulatory body or other relevant authority shall establish reference levels for radionuclides in commodities.
5.22. The regulatory body or other relevant authority shall establish specific reference levels for exposure due to radionuclides in commodities such as construction material, food, feed and drinking water, each of which shall typically be expressed as, or based on, an annual effective dose to the representative person generally that does not exceed a value of about 1 mSv.

THE 13th SESSION OF THE CODEX COMMITTEE ON CONTAMINANTS IN FOODS

Matters of interest arising from other international organisations: Radionuclides in Food and Drinking Water

経緯を理解するための資料

Radioactive fallout in soils, crops and food

IAEAでの検討状況

RASSC 37 - November 2014

R 8.2 - Draft TECDOC on foodstuff and drinking water

RASSC 38 - June 2015

14.1 - Food and Drinking Water
14.1 - TECDOC on Food and Drinking Water

日本の食品での基準

食品中の放射性核種濃度基準値の設定

日本の食品での基準

規制の効果推測(流通品を摂取した場合)

2011

青色が規制を導入しなかった場合で赤が規制を導入した場合です。
規制の効果推測(流通品を摂取した場合)2012年

2012

規制の効果推測(流通品を摂取した場合)2012年

意見例

日本弁護士会

食品新規制値案とこれに対する放射線審議会の答申等についての会長声明

海外での対応

海外向け情報発信

Food Industry Affairs Bureau, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries(MAFF) JAPAN. Ensuring Food Safety

WTO

DS495: Korea — Import Bans, and Testing and Certification Requirements for Radionuclides
Japan’s food safety following Fukushima nuclear accident

EU

Fukushima nuclear emergency
Draft Commission Impl. Reg. on imports of feed & food from Japan following the Fukushima nuclear power plant accident
Following the accident at the Fukushima Daiichi nuclear power plant in Japan, safeguard controls have been reinforced on all imported feed and food products originating in or consigned from Japan. The safeguard controls are implemented by Commission Implementing Regulation (EU) 2016/6.

解説論文

Borbála Máté,corresponding author Katarzyna Sobiech-Matura, and Timotheos Altzitzoglou. Radionuclide monitoring in foodstuff: overview of the current implementation in the EU countries

ドイツ

Statement:Food from the Fukushima region largely safe to eat

リスク・コミュニケーション

The International Center of Excellence in Food Risk Communication
International Workshop on Post-Accident Food Safety Science
Hosted by the Cabinet Office, Government of Japan

環境省.統一的基礎資料

改訂後(平成29年版)
改訂前(平成28年版)

環境省.統一的基礎資料(H29年度版での改訂へのご意見例です)

改定前と後のどちらも緊急時と平常時の基準値を比較していますよね。これで良いのでしょうか。ALARAが伝わらない原因の事例のように思いました。

米国と比較では、米国の基準が5mSvから誘導されていることがH29年度版での改訂では明示されており、IAEAのBSSの記述とも一致しておらず、緊急被ばく状況に適用することを前提していると受け止められると期待しているのだろうと思います。

府省庁間でのやり取り

「評価書(案)『食品中に含まれる放射性物質』」等について(照会)
「評価書(案)『食品中に含まれる放射性物質』」等について(回答)

米国

Supporting Document for Guidance Levels for Radionuclides in Domestic and Imported Foods
CPG Sec. 560.750 Radionuclides in Imported Foods - Levels of Concern

日本での原子力事故への対応

FDA Response to the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Facility Incident

世界一厳しい基準?

CODEXの考え方に従っているので世界的にも相当厳しい値と表現している例

そしてそれを受けて基準値を考えるわけですが、暫定的には5ミリシーベルト/年だったものから、今回は1ミリシーベルト/年で規制することになりました。この値は、コーデックスという食品の国際規格を考えている委員会が、年間1ミリシーベルトを超えないように設定するという勧告を出していることから決めたものです。これは世界的に見ても相当、厳しい値になるとは思います。


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