防護量(安全基準)としての実効線量(1cm線量当量)や皮膚等の等価線量(70μm線量当量)を評価するための実用量(=測定に用いる量で防護量を仮想的に表現している)。測定器の値付けに用いられる。単位は実効線量や等価線量と同じSv(シーベルト)。単位が同じなのは、実効線量や等価線量を推計するための量であるからである。単位が同じで混乱するという意見もあるが、次元が異なるわけではなくSI単位の考え方からはいたずらに単位の種類を増やすべきではないとも考えられる。また、どのような量であるかを明示すれば混乱は防げるとも考えられる。1cm線量当量は防護量としての(=放射線防護の基準として用いる)実効線量を推計するのに用いられる。実効線量ではなく、わざわざ1cm線量当量を使うのは、実効線量の評価が困難であったからである。このため、球やスラブを仮想して、線量計を線量当量で値付けしている。最近はボクセルファントムをコンピュータ上で作り、ある放射線場に標準人がいた場合の実効線量を精度よく推計できるようになったので、線量当量の意義は小さくなった。もっとも、民族によって標準人は異なるので、結局、球やスラブで値付けする線量当量が生き残るかもしれない。新しいICRPの勧告では放射線加重係数も変わったので、ある放射線場に標準人がいた場合に受けるであろう実効線量が変化したので、線量当量の標準がこれから変わるかもしれないが、実用量のあり方そのものの検討がICRUで開始されているとのことである。【この項の記述はNPO放射線安全フォーラムでの第18回放射線防護研究会での情報に基づきます】
森下 雄一郎.産総研計量標準報告 Vol. 6, No. 4.周辺および個人線量当量標準の設定に向けた調査研究 多田順一郎.線量―第4回― 加藤 朗.ICRU 47「体外光子及び電子放射線による線量当量測定」の紹介
ICRU Report 95, Operational Quantities for External Radiation Exposure
ICRP Publication 147: Use of Dose Quantities in Radiological Protection
Social issue
・決定しきい値(決定限界) ・不確実性のロンダリング装置(としての統計学?) ・ALPS treated water ・シングル・ボイス ・電子スピン共鳴法を用いた線量推計 ・非医療目的での放射線を利用した人体のイメージング
・線量再構築 dose reconstruction ・きのこを用いた親子の食育ワークショップ Food education workshop targeting parents and children ・検出限界が○(Bq/kg)である測定で放射性セシウムが検出されなかったこととは? ・川の魚と海の魚でのセシウム濃度の違い ・青森県の野生キノコ ・保育園の畑の土 ・太平洋で採れるサンマの放射性セシウム濃度 ・福島産の流通食品を摂取することで原子力発電所事故に由来した放射性核種により受ける実効線量 ・モニタリング検査の結果 ・食品の出荷制限の解除
・学習問題(分野別) ・用語(五十音順)
・ホット・パーティクル hot particle ・子孫核種 progeny nuclide ・原子力発電所事故後の体表面スクリーニング ・余命損失 Loss of life expectancy ・県民健康調査 Fukushima Health Survey ・安定ヨウ素剤 stable iodine tablets ・サブマージョン submersion ・放射線リスクコミュニケーション 相談員支援センター Support center for social workers engaged in recovery from the nuclear disaster ・薪ストーブをめぐる近隣トラブル ・不当表示 misleading representation
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