問題
リスクコミュニケーション risk communication
リスク対策を講じるために関係者間の対話を用いる手法。
(リスクへの対策を皆で話し合って決めること)
定義/説明
National Research Council
リスクについての、個人、機関、集団間での情報や意見のやりとりの相互作用的過程(National Research Council, 1989) 。
Risk communication is a component of risk management, which is the selection of risk control options. It is the process that provides the information on which government, industry, or individual decision makers base their choices.
Successful risk communication does not guarantee that risk management decisions will maximize general welfare; it only ensures that decision makers will understand what is known about the implications for welfare of the available options.
リスクコミュニケーションの推進方策(文部科学省)による定義
「リスクのより適切なマネジメントのために、社会の各層が対話・共考・協働を通じて、多様な情報及び見方の共有を図る活動」
その他の定義
他にも色々あるようです。どのような概念で語っているかお互い理解していないと、リスク・コミュニケーションに関する議論が成り立たないでしょう。
リスク・コミュニケーションは何を目指すのか?
それぞれがリスクを負担して、リスクが公平に配分されたと思うことであったり、情報が知らされたと満足できること
課題解決を図るには
ステークホルダーが揃う必要があります(ステークホルダーとは利害が関係する人という意味です。本来は、利害が関係する人が集まって考える必要がありますが、それが難しいこともあるでしょう)。
ステークホルダーが揃っていない場合は、目的を限定的なものとしましょう。
保育施設での保護者とスタッフとの話し合いを考えると、それだけでは解決が付かない問題を扱うのであれば、リスクコミュニケーションと呼ぶべきではないと考えられます。
実践例
実態を知るための取り組み例
福岡市「なぜか誰かに話したくなる」リスクコミュニケーション
特徴
参加者が、この事業に協力して下さる工場の衛生管理をチェック
プロのファシリテータが進行役(参加者の視点で進行)
遊び心のあるアイテムを用意
資料
福岡市での発表会資料(pdf file: 2.6MB)
参考資料等
食品の安全に関するリスクコミュニケーション(厚生労働省)
食品安全関係のパンフレット集などが提供されています。
化学物質に関するリスクコミュニケーションの推進(環境省)
リスクコミュニケーションチェックシート集などが提供されています。
消費者の意見・リスクコミュニケーション(農林水産省)
健康に関するリスクコミュニケーションの原理と実践の入門書などが提供されています。
リスクコミュニケーション(経済産業省)
「こんな思いこみしてませんか?」だけでもよいのでお読み下さい。
リスクコミュニケーションの解説(nite)
リスクコミュニケーションの事例紹介やリスク評価体験ツールが提供されています。
リスクコミュニケーションの推進方策(文部科学省)
科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 安全・安心科学技術及び社会連携委員会(主査:堀井 秀之東京大学大学院工学系研究科教授)において取りまとめられました。
福島で地域活動なさっておられる方からは、受け手のニーズを理解することの重要性を発信側がより認識すべきであり、受け手側のフェーズの違いや様々な格差が対話の困難さをもたらしていることへの対応が現場での実践で求められているとのご指摘いただきました。
精神医学での試み
オープンダイアローグ
利害関係者巻き込み
Kjell Andersson.Stakeholder involvement in risk communication
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