用語 あ/S

安定ヨウ素剤
stable iodine tablets

放射性ヨウ素による内部被ばくを低減するため、放射性ヨウ素の甲状腺への取り込みを減らすために用いられる。

参考資料等

内閣府

ヨウ化カリウム内服ゼリー剤の備蓄及び配布に関して(平成28年7月13日)
乳幼児向けゼリー状安定ヨウ素剤の使い方の解説

日医工

ヨウ化カリウム内服ゼリー16.3㎎/32.5㎎「日医工」の製造販売承認取得についてのお知らせ

原子力規制庁

解説書

安定ヨウ素剤の配布・服用に関する解説書

事前配布説明会

安定ヨウ素剤を事前配布するための模擬説明会

日本医師会

原子力災害における安定ヨウ素剤服用ガイドブック

日医総研

The Communication of Information Such as Evacuation Orders at the Time of a Nuclear Power Station Accident

日医総研ワーキングペーパー

No.257 福島県原子力災害に対する損害賠償と復旧・復興のあり方に関する研究(p.43)
No.290 原子力発電所災害による全国的な緊急被ばく医療対策に関する研究―国は50mSv拡散シミュレーションの実施・開示と原子力災害対策指針の安定ヨウ素剤の配布・備蓄等の再検討を―
No.324 原子力発電所災害時の避難指示等の情報伝達と安定ヨウ素剤の服用に関する研究-原発事故の『情報災害』への対応と実効性のある『安定ヨウ素剤』の配布・服用-
No.325 原子力災害に備えた安定ヨウ素剤の事前配布と付随する諸課題 ― 鹿児島県における安定ヨウ素剤事前配布等の事例報告 ―

投与例

三春町

Comprehensive data on ionising radiation from Fukushima Daiichi nuclear power plant in the town of Miharu, Fukushima prefecture: The Misho Project

記述が修正された例

Mystery cancers are cropping up in children in aftermath of Fukushima

当時のメッセージ例

放射線医学総合研究所

ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません(平成23年3月14日)

日本産科婦人科学会

福島原子力発電所(福島原発)事故における放射線被曝時の妊娠婦人・授乳婦人へのヨウ化カリウム投与(甲状腺がん発症予防)について (平成 23 年 3 月 15 日)
福島原発事故による放射線被曝について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内(特に母乳とヨウ化カリウムについて)(平成 23 年 3 月 16 日)

研究例

甲状腺へのI-131取り込み抑制効果の検証

谷 幸太郎ら.安定ヨウ素剤投与時期の131I甲状腺摂取率抑制効果の評価~体内動態モデルによる日本人を対象とした計算~

効果のレビュー

The effects of iodine blocking on thyroid cancer, hypothyroidism and benign thyroid nodules following nuclear accidents: a systematic review

関連記事(古い情報が混ざっています)

安定ヨウ素剤 取扱いマニュアル

安定ヨウ素剤の投与判断のためのスクリーニング例

原発事故後の体表面スクリーニング

レビュー

投与基準などに関する

石原弘.安定ヨウ素剤投与に関する基準ー原子力安全委員会基準,東電福島の事故への対処および近年の欧州の動向ー
参議院環境委員会調査室 安部 慶三,環境・原子力規制行政の主要課題― 原子力災害関連の課題を中心として ―

効果や副作用に関するレビュー研究例

The effects of iodine blocking following nuclear accidents on thyroid cancer, hypothyroidism, and benign thyroid nodules: design of a systematic review
Pfinder M, Dreger S, Christianson L, Lhachimi SK, Zeeb H.The effects of iodine blocking on thyroid cancer, hypothyroidism and benign thyroid nodules following nuclear accidents: a systematic review.J Radiol Prot. 2016 Dec;36(4):R112-R130. Epub 2016 Sep 21.
Part of: WHO guidelines for iodine thyroid blocking in a nuclear or radiological accident

被害救済

医薬品副作用被害救済制度
安定ヨウ素剤の場合には、医薬品副作用被害救済制度が想定されていると考えられます。
予防接種健康被害救済制度

薬剤師の関与

パブリックコメントの結果に基づき原子力災害対策指針内に薬剤師の関与が明示されています。
第9回 原子力規制委員会
具体的にいただいた御意見の中で、薬剤師の活用も考えるべきであるという御意見を頂戴いたしました。通常は医薬品、医師の処方に基づく取扱いで、安定ヨウ素剤についてはやることを原則としておりますけれども、医師の説明でありますとか、あるいは緊急時の配布に関しまして、こういったものを補助する、あるいは医師が不在の場合に説明をする者としての薬剤師の役割についても今回指針に追加をして、位置づけさせていただきました。

福島県薬剤師会

認定放射線ファーマシスト

FAQ

原子力規制庁.安定ヨウ素剤の配布・服用に当たって(医療関係者用)

40歳以上への配布をどうする?

また、40歳以上の者については、以前に原子力安全委員会が定めた「原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について(平成 14 年 4 月)」によれば、放射線被ばくによる甲状腺癌の発生リスクの増加がみられないことを理由に40歳以上の者は安定ヨウ素剤の服用が必要ないとされていた。しかし、近年の研究を見ると、甲状腺癌の発生リスクは年齢とともに減少するが、高齢者においてもそのリスクが残存するとの懸念がある。一方、一時的な甲状腺機能低下等の副作用が生じる可能性は年齢が上がるとともに増加するとの報告もあり、こうした、安定ヨウ素剤の服用に係る年齢との関係を理解した上で服用してもらうようにしなければならない。

緊急時に、昆布でだしを取ることを推奨すべきか?

Q4:安定ヨウ素剤の替わりになるものはありますか?

昆布やわかめなどの海藻などにはヨウ素が含まれています。しかし、含まれているヨウ素の量が一定ではなくばらつきがありますので、安定ヨウ素剤の代替としては不適当です。

Q4:安定ヨウ素剤の替わりになるものはありますか?

安定ヨウ素剤 取扱いマニュアル

5-6 ヨウ素含有食品等による効果について

ヨウ素は種々の食品に微量ではあるが含まれており、特に海産物に多く含まれている。この中でコンブは特異的に多(43,44)、コンブ乾燥重量100g当たり、100~300mgのヨウ素を含んでいる。その他、ワカメ7~24mg/100g乾燥重量、ヒジキ20~60mg/100g乾燥重量、海産魚類0.1~0.3mg/100g生重量である。
日本人が通常の食生活で摂取するヨウ素量は、海産物の有無やその過少で大きく変動するが(22)、海産物の摂取による日本人の1日ヨウ素摂取量の平均は、1~2mgとされている(45)。コンブはそのまま食する以外に、だしコンブとして使われることが多く、15分間の煮沸により出汁中には、コンブに含有されるヨウ素の99%以上が溶出される。一杯の吸物に普通加えるだしコンブを2gとしても、5mg程度のヨウ素摂取となる(45)。このようなヨウ素摂取量でも、日本人の甲状腺のホルモン分泌機能は正常である(22)。また、コンブ等を摂取しない場合、一日当たりヨウ素摂取量は、0.1mg程度となる(22)。
コンブにより10~30mgのヨウ素を一度に摂取することは可能ではあるが、ヨウ素含有量が多いコンブ等の食品を摂取することにより、放射性ヨウ素の甲状腺への集積を抑えることについては、

  • コンブでは、大量に経口摂取した上で、咀嚼・消化過程が必要でヨウ素の吸収までに時間がかかり、かつ、その吸収も不均一である
  • コンブの種類、産地など、それぞれのコンブに含まれるヨウ素量は一定ではなく、その必要量を推測することは極めて困難である
  • 対象者が、集団的に、迅速にコンブからヨウ素を摂取することは現実的に困難である

等の理由により、原子力災害時における放射性ヨウ素の甲状腺への集積を抑制する措置として講じることは適切ではないと考えられる。

ヨウ素を含むうがい薬を飲むことでヨウ素を補えますか?

うがい薬には様々な物質が含まれています。

ポリビニルピロリドンとエタノール

FAO/WHO合同食品添加物専門家会議は、ポリビニルピロリドンの一日摂取許容量を0~50mg/kg(体重)としています。
この考え方に従うと、体重が10kgの場合には、ポリビニルピロリドンの一日摂取量は0.5g未満とすべきとなります(摂取期間を考慮するという考え方もあるかもしれません)。 100mlのうがい薬では、ヨウ素が0.7g含まれているものがあります、ヨウ素25mgを摂取するには、うがい薬を3.6ml摂取する必要があります。そのためには、ポリビニルピロリドンを一日摂取許容量の5倍程度摂取する必要があることがあります。 また、うがい薬ではエタノールが37%含まれていることがあります。この場合、エタノールを1.3ml程度摂取することになります。
このため、安定ヨウ素摂取の必要性が差し迫り、他に手段がない場合を除いては、服用することは推奨されないと考えられています。
ポリビニルピロリドンの安全性は食品安全委員会添加物専門調査会で検討中です。

放射線医学総合研究所の考え方

ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません

当時の報道例

ヨウ素含むうがい薬“飲まないで”

ヨウ素の摂取量

尿中ヨウ素濃度を計測した例

甲状腺検査結果

過去の原子力安全委員会での検討

原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会

被ばく医療分科会第29回会合 議事次第
4.配付資料
医分第29-1号 被ばく医療分科会 第28回会合 議事概要(案)(PDF:122 KB)
医分第29-2-1号 SPEEDIによる放射性ヨウ素 (単位量放出) の拡散計算結果(PDF:3.7 MB)
医分第29-2-2号 東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会の中間報告に基づく各市町村における避難状況(PDF:314 KB)
医分第29-2-3号 被ばく時年齢が40歳以上の場合の甲状腺癌のリスクについて(PDF:1.0 MB)
医分第29-2-4号 小児期の放射線被ばくによる甲状腺がんのリスクについて(PDF:304 KB)
医分第29-2-5号 安定ヨウ素剤の予防服用のリスクに関する情報(PDF:195 KB)
医分第29-2-6号 安定ヨウ素剤の予防的服用に関する提言(案)(PDF:949 KB)
医分第29-2-7号 安定ヨウ素剤予防服用に関するOILについて(PDF:614 KB)
(注:本資料は、当日に追加した資料です。)
医分第29-3号 緊急被ばく医療に係るスクリーニングレベルに関する提言(案)(PDF:185 KB)
医分第29-4号 緊急被ばく医療機関の体制に関する課題(PDF:121 KB)
参考資料1 安定ヨウ素剤に関連する厚生労働省通知(PDF:478 KB)
参考資料2 東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会中間報告(抜粋)(PDF:386 KB)
参考資料3 今後の被ばく医療分科会の進め方について(案)(医分第27-2-7号)(PDF:103 KB)
常備資料 「原子力施設等の防災対策について」
「緊急被ばく医療のあり方について」
「原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について」
「原子力災害時におけるメンタルヘルス対策のあり方について」
「安定ヨウ素剤取扱いマニュアル」
「Manual for First Responders to a Radiological Emergency」
「General Safety Requirements Part 3 (Interim) 」
「Guidelines for Iodine Prophylaxis following Nuclear Accidents Update 1999」
「原子力災害対策マニュアル」
「Medical Effectiveness of lodine Prophylaxis in a Nuclear Reactor Emergency Situation and Overview of European Practices」

文献

米国

American Thyroid Association Scientific Statement on the Use of Potassium Iodide Ingestion in a Nuclear Emergency

WHO

Use of potassium iodide for thyroid protection during nuclear or radiological emergencies
Development of WHO Guidelines on Public Health Response to Radiological and Nuclear Emergencies (2012-2016)

FAQ

効果の認知

住民の安定ヨウ素剤による放射線防護への期待が過大のように思えます。

認知の偏りがあるのであれば、それをもたらしていることへのアプローチが必要かもしれません。

予防的効果の大きさと負の影響

予防的効果の大きさより負の影響(副作用、費用、人員など)の方が大きいのでは。

根拠に基づく検討が必要だと思います。

副作用

副作用のレビュー研究例
The effects of iodine blocking following nuclear accidents on thyroid cancer, hypothyroidism, and benign thyroid nodules: design of a systematic review

効果とコスト

費用は配布する範囲などで決定される(有効期限は3年間)。
事故時に曝露する集団内の線量分布に年齢分布を考慮すると、放射線曝露による損失余命や安定ヨウ素剤の低減効果を推定することができます。

関連研究(ただし個人選択に重きを置いています)

厚生経済学的手法の適用可能性
費用対効果分析は補償原理を前提にしていますので、倫理面での検討が不可欠だと考えられます。

ICRP Publication

ICRP 109と111の改定状況

Task Group 93

Update of ICRP Publication 109 and 111

年齢についての議論

安定ヨウ素剤の配布を検討する際に、年齢についての議論があまりなされていないように思われます。

年齢についても議論すべきでしょう。

一般の方の中には安定ヨウ素剤が万能薬かのように誤解されている方もおられるように思われます。

万能薬ではないので誤解の構造を踏まえた対応が必要だと思います。


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